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愚lead  作者: ゆうき目々
1/3

生と死と握り飯と。1

新首都東京街の近郊-難民地区で暮らす不良少年-驫馬(ヒューマ)

貧困の中も、仲間達と共に強く必死に生きる日々。

そんな中、ヒューマ唯一の家族である姉-刹那(セツナ)は病に倒れた。

とある日、難民地区にある露店街で仲間と共に盗みを働くのだが…。

 

 2XXX年。新首都東京街(シンシュトトウキョウガイ)の郊外-難民地区(ナンミンチク)



 殺伐とした街並み。管理されなくなったビルやマンションの瓦礫。そこら中で露店商(ロテンショウ)が立ち並んでいる。



 暗い路地の片隅で、元々服だったのであろうボロ切れを纏った少年少女らが、何やら悪巧みをしている様子。



『みんないいか?まず俺があの露店のおっちゃんに全力で絡みにいく』

 今日の首謀者、坊主頭で目つきの悪い少年-軋指(アツシ)



『うんうん、それで?なにするのー?』

 楽しそうに相槌を打つ、ショートカットで背が低く、丸い目をした少女-回亥(ミイ)



『その隙にみんなは露店にある握り飯を奪って逃げる。1人最低でも3つは取るぞ。俺はおっちゃん突き飛ばした後に鮭を狙うからみんなそれぞれ違う具のやつな。被りは無しだぜ』-アツシ



『アッちゃんだけシャケずるいよ〜。僕もシャケがいいな…』

 ナヨナヨとした声で話す見るからに自信がなさそうな細身の少年-鶏兎(ケイト)



『後でどうせみんなで分けるんだから色んな具があったほうがいーだろ??合流場所はいつものところでいーよな??』

 見るからに悪ガキそうな銀髪の少年-驫馬(ヒューマ)



『へへっ、ヒューマってばノリノリじゃん』-ミイ



『そりゃとことん腹減ってるからな。ここ3日はなんも取ってねえから姉ちゃんの作った粟飯(アワメシ)しか食ってねえ。まあ美味いんだけどな。たまには贅沢してぇからよ』-ヒューマ



『まあそうゆうこったな。みんなで腹一杯食べる為にも今日もバッチリ殿(シンガリ)頼むぜ、ヒューマ』-アツシ



『ヒューマってば脚がものすごく速いからいつも絶対捕まらないもんね。ケイトが殿したときはもう色んな人に囲まれちゃってて助けるの大変だったんだから』-ミイ



『ほんとにあんときはやばかったな。俺もさすがに終わったと思ったよ。たまたま通りかかったヒューマの姉ちゃんに感謝だな』-アツシ



『今日は僕、ヒューマのお姉さんの分も頑張って獲るよ!』-ケイト



『無理だけはすんなよ?ケイト。最近飯獲りで捕まった隣町の不良グループの何人か、元々の顔わかんなくなるくらいボコボコにされたらしいぞ。』-アツシ



『えぇっ…ごめん僕やっぱり帰ろうかなぁ…』-ケイト



『いまさらなにいってんのよ。どうせ食べれなきゃ私たちみんな死んじゃうんだから…』-ミイ



『ヘッ、ちげぇねえわ』-アツシ



『おい、そろそろ獲り行こうぜ。腹減って逃げ切る前に餓死しそうだわ』-ヒューマ



『…わ、わかったよ』-ケイト



『んじゃ、ちょっくらからかってくるわ!お前ら後に続け!』

 勢いよく飛び出して露店の店主に飛び掛かる-アツシ



『いっちばんのりー!』

 満面の笑みで走っていく-ミイ



『ま、まってよぉ』

 少しナヨナヨとした走りでそこに続く-ケイト



 こうした露店での窃盗被害は貧困極まりない難民地区では日常茶飯事であり、露店商達も常日頃から対策に追われていた。



『んだ、このガキちくしょう!離れろってんだ!』

 大柄の店主がアツシに飛びつかれ、振り払おうと必死にもがいている。アツシは見た目以上に力が強く、その握力は曰く青リンゴも潰せるくらいだそうだ。そう簡単に引き剥がせない。



『ちっ、そろそろか』-アツシ



 店主が腰の後ろからキラリと光る短めの刃物を取り出し振り回し始めた。



『このガキがっ!舐めやがってぶち殺してやる!』

 店主は怒号をあげながら抱き付くアツシに目掛けて刃物を振り回したが、くるりくるりと大柄の店主の身体をよじ登り、紙一重のところでかわしている。



『いてぇ!!ちくしょう!!』

 店主が自ら振り回した刃物を自分の太ももに刺してしまったようだ。



『ナイスだよ、アッちゃん!もう行けるよ!』-ミイ



 皆それぞれ約束の握り飯を両手いっぱいに抱えて逃げる準備に入っていた。



『よっしゃお前ら走れ!ヒューマ後はまかせた!』

 倒れ込んだ店主の顔面を踏みつけ、握り飯を3つほど片手で掴んでアツシも走り出した。



『こらぁ!!お前ぇら!絶対ぇ逃さねーぞ!』

 周りの露店の店主達が逃げるミイ達を取り囲むように集まる。



『うらぁぁっ!!!』

 勢いよく先頭のミイの前に立ち塞がった店主にヒューマがドロップキックをかました。



『サンキューだよ、ヒューマ!』-ミイ

 開けた場所からミイ、ケイト、アツシが順番で走り去る。



『んじゃいつもの場所で合流な!』-アツシ

 そう殿のヒューマに言い残すと、それぞれが別の道から散り散り逃げていった。



 ヒューマも立ち上がり落とした握り飯を拾うと、周りの大人達を蹴散らし露店街を皆とは逆方向に走った。



『ったく、しつけぇーなぁ!!』-ヒューマ



 露店商達は今日はいつもより包囲網を広げているらしく、ところどころで握り飯を持った少年少女達を探していた。



 ヒューマはボロ切れにかろうじて残っていたポケットに握り飯を3つほど押し込み、残りを口の中に頬張った。



(これで握り飯待ってねーからセーフだろ。あいつらは無事に逃げ切ったっぽいな)-ヒューマ心の声



 露店商達が路地で搗ち合う度、首を張り合っている様子からして、まだ誰も見つかっていない様子が伺えた。



『いたぞーっ!!あの銀髪のガキだっ!!!』

 握り飯屋の露店商にたまたま見つかってしまったようで、後ろから刃物片手に鬼の形相で追いかけてきた。



(やっべっ!!)-ヒューマ心の声

 全速力で走り出すヒューマ。店主を余裕で引き離し露店街を抜ける曲がり角へと差し迫った。



『っつ!!』-ヒューマ

 ドンッと熱い肉質の壁にぶつかったような衝撃。

 後ろに尻餅をつきながら目の前の壁を見ると、見るからに高級そうな革のジャケットを着た男が立っている。



(金持ってそうだな。なんかもらってくか)-ヒューマ心の声



『わりーなおっちゃん!ちょっと急いでるもんで!』-ヒューマ



 男にもうひとぶつかりしてから路地を曲がり、街頭の無い暗闇の道へとヒューマは走り去って行った。



『ちくしょう!!覚えてやがれよ!!』

 店主の悲しくも強い怒号が夜の街に響き渡った。






 難民地区。人気のない場所に位置する放置されたマンションの一室に、少年少女らが集まっていた。



『ずいぶんと遅かったじゃねーかヒューマ。心配したぞ』

 -アツシ



『わりぃわりぃ。ちょっといつもより包囲網広くってよ』-ヒューマ



『もう心配したんだからね!』

 少し泣きそうな顔で声をかける-ミイ



『さてと。それじゃあ成功報酬の山分けと行こうぜ』

 そうゆうと3つほど、簡単にラップで包装された握り飯をを床の上においた-アツシ



『ふふっ。今日は私が1番じゃないかな!』

 嬉しそうに言いながら、ボロ布の中に包んでいた握り飯をバラバラと床に落とす-ミイ



 8個だ。



『ぼ、僕も今日は頑張ったよ。』

 自信なさそうに両手に抱えた握り飯を丁寧に並べた-ケイト



 7個。



 ヒューマもポケットに突っ込んで形の変わってしまった握り飯をドンと床に置いた



『いっぱいあるねー!しばらくは生きていけそう!』-ミイ



 今回の報酬は…

 握り飯21個…内訳は。

 シャケが3つ

 梅干しが8つ

 塩握りが7つ

 おかかが3つ

 大成功である。



『やっぱり首都の外周近くだと獲れるもんもちげぇなぁー!』

 嬉しそうに達成感をあらわにする-ヒューマ



『でもあの露店商達、刃物まで出して本気で殺そうとしてきたな。おっかねえ連中だよあいつら。しばらくは顔も見られてるし近づけないぞ』-アツシ



『でもでも、いっぱい食べ物あったし!あたし次はお肉が食べたいかも!』-ミイ



 少年少女は久々のまともな食事を手にすることができ、感極まった様子で先々のプランについて話し合っていた。



『そ、そろそろ分けない?その…お腹すいたし。』

 申し訳なさそうな声で言った-ケイト



『んだよっ!こっちは命懸けでアタック仕掛けてんのによ!塩握りめ!』

 少し勢いをつけた様子で言う-アツシ



『ご、ごめんよ…』

 泣きそうな声で謝る-ケイト



『ちょっとそうゆうこと言わないの!ケイトだってとっても頑張ってたんだから!』

 仲裁に入る-ミイ



『ぷっ、ぷははははっ!!しおっ、塩握りはねえだろ!!』

 思わず吹き出す-ヒューマ



『ひ、ひどぃよぉ!!』

 今にも泣きそうな-ケイト



『まっ、でも無事で良かったぜ。みんな』-ヒューマ



『だな!』-アツシ



 皆が皆安堵し、顔お見合わせて笑った。



 握り飯は5個づつ分け合って、姉の分ということでヒューマが多めに6つ持ち帰ることになった。



『んじゃ次はまた明日の夜に集合な!』-アツシ



『ああ。また明日なお前ら。』-ヒューマ



 それぞれ成功報酬を手に、帰路へとついた。






 夜の月明かりが照らすもう何年も整備されてないであろう路地を、少年は家へと向かい歩いていた。



(そういやあのオッサンから取ったこれ、値打ちもんかな)-ヒューマ心の声



 ポケットから金色のペンダントに宝石のような石で装飾されたアクセサリーを取り出し、ヒューマは眺めていた。






『ただいま!姉ちゃん帰ったぞ!』-ヒューマ

 木造ボロアパートの一室。部屋の奥からは返事はない。



『おい!姉ちゃん大丈夫か!?』-ヒューマ

 急いで家に駆け上がり、奥の部屋の襖を開ける。



『おかえり…ヒューマ』

 布団に横になり今にも消え入りそうな声で返事をする。黒髪で色白、目鼻立ちの整った綺麗な顔をした女性。-刹那(セツナ)



『姉ちゃん、いるなら返事してくれよ。死んじまったかと思うだろ…』

 -姉の無事に安堵するヒューマ



『ごめんね、ヒューマ。お姉ちゃんがこんなせいで苦労かけて』-セツナ



『けっ、そう思うならとっとと元気になりやがれってんだ。お、そりゃそうとお土産あんだよ』-ヒューマ

 ボロ切れから4つ、握り飯を取り出すとセツナに渡す。



『姉ちゃんおかか好きだろ?2つおかかであと梅と鮭が1個づつ。うまそうだろ???』-ヒューマ



『ヒューマ、これどうしたの?まさかまた人様から獲ったわけじゃないだろうね?』

 疑心半分の苦笑いで問いかける-セツナ



『ばか!んなわけねーだろっ。これはぁアレだ…そのーっ、もらったんだよ。そう、握り飯屋のおっちゃんの手伝いして、お礼に持ってけって!』-ヒューマ



『ヒューマ。お願いだから危ないことはもうしないで?約束してくれる?』

 心配そうに見つめる-セツナ



『わあったよ!なんもしねぇったら!とっとと喰ったくった!』-ヒューマ



『ありがとう。でもヒューマの分は?お腹空いてるでしょう?お姉ちゃんお昼に粟ご飯食べたから、1つだけ貰えたら大丈夫だよ。』-セツナ



『俺はもう食ったからいらねーよ。てか食いすぎて食い飽きたわ!とっとと食っちまえよ』-ヒューマ



『…それじゃあ大事に頂くね。ありがとうヒューマ。』

 3つのおにぎりを大事そうに枕元にしまい、一つだけ包装を外して食べ始める-セツナ。



 ガチャッ。普段姉弟以外の誰も開けることのないドアが開か音がした。



『邪魔するぜ』-男の声

 玄関先に目をやると、見るからに高そうなレザーのジャケットを着た、中年の筋肉質そうな強面の男と、黒い上下のライダーススーツを着た年齢以上に若そうな女が入ってきたところだった。



(っ!!!?まさか付けられてたってのかよ!!?)-驚く様子のヒューマ心の声



『姉ちゃんわり、俺に客みたいだわ』-ヒューマ

 急いで姉のいる部屋の襖を閉めると、玄関から入ってきた男と女の前に対峙した。



『よお、坊主。ずいぶんと器用な真似してくれるじゃねえか。』-革ジャンの男



『な、なんのことだよ?急に家まで押しかけてきて意味不明なこと言ってんじゃねーぞ!』-ヒューマ



 すると革ジャン男が一歩近づいてきた。

 近くで見るほどにサングラスから覗く凶悪な顔と全身の異常なまでの筋肉量のがわかる。



『いいか?一度しか言わねえ。お前が俺から盗んだもんを大人しく返せ。そうすりゃ黙って帰ってやる。後ろにいるお前の身内にも危害は加えねえ』-革ジャンの男



『あの…こんな時間に何のご用でしょうか?』

 襖を開き戸にもたれかかるように立ち上がって質問する-セツナ



『姉ちゃんっ!危ねえから下がっとけっ!!』-ヒューマ



『おっさんよぉ、何勘違いしてんのかわからねぇけど、俺は何もアンタから取ったりしてねぇよ!!』-ヒューマ



『おい坊主。一度しか言わねえって言ったな。』-男

 そう言うとあっという間に革ジャンの男はヒューマの胸ぐらを掴んだ。



『クソっ!離しやがれっ!!!俺は何も取っちゃいねぇ!!』-ヒューマ



『しつけえぞっ!!見え透いた虚勢はってんじゃねぇ!とっとと返しやがれってんだ!』

 -憤怒しヒューマの首を締める-革ジャン男



『やめてくださいっ!!!大事な弟なんです!!その手を離してくださいっ!』

 叫びながら男に掴み掛かる-セツナ



『チッ。』

 舌打ちしながら手を離す-革ジャン男



『ゲホッゲホッ…』

 床に崩れ落ち、むせる-ヒューマ



『大丈夫…大丈夫…』

 ヒューマの背中を摩りながら声をかける-セツナ



『あらあら。大人気ないことね。でも坊や。嘘は良くないのよ。右のポッケにあるのでしょう?』

 優しく微笑みかけながら男とヒューマに声をかける-ライダースの女



 思わず右のポケットに手を突っ込んでしまったヒューマ。



『ヒューマッ!!』-セツナ



 半分涙目になりながらセツナはヒューマの右手を取り、ポケットから手を抜かせると、黄金色をした宝石で装飾されたペンダントがこぼれ落ちた。



『っ!!…こ、これは…俺のもんだ!!アンタらのじゃない!俺が奪ったんだ!俺のもんだっ!!!』

 激情しながら怒鳴る-ヒューマ



『このご時世に盗られたもん返してくださいって!はいそうですかって!!返すわけねぇだろっ!!??』

 さらに激情する-ヒューマ



『いいか!??俺はずっとこうして生きてんだっ!!俺達が食いもんなくて死にそうな時に誰が助けてくれるよ!??大人が助けてくれんのかっ??バカにすんじゃねぇ!!何度も騙されて見捨てられて裏切られたさっ!!!お前等は間抜けだから盗られたんだ!それを今更返せなんて虫がよすぎんだよっ!!!この世はな…弱肉強食なんだよっ!!』-ヒューマ



『…ヒューマッ!!!!』-激昂(ゲキコウ)するセツナ

 次の瞬間ヒューマは頬を叩かれ、後頭部を鷲掴みにされ床に額を押し付けられた。



『…申し訳ありませんっ!!この度はうちの弟がとんだご迷惑をおかけしました!今はこれしかありませんがどうぞ…』-セツナ



 セツナがヒューマの頭を押さえつけながら、額を床に押し当てて涙ぐみながら謝罪した。



 そして片方の差し出した手には何故か握り飯が乗っている。



『嬢ちゃんよ。俺は別にそいつを返してくれりゃそれでいいんだわ。でもまあ握り飯は嫌いじゃねえ』

 そう言うと革ジャンの男は一つ、握り飯を口の中に放り込んだ。何やら満足げな表情だ。



『まあまあほんとに大人気ないわねぇ。涙ぐましいじゃない。』

 妖美な笑みを浮かべてそう言うと玄関からひと足先に外へと出ていった-ライダースの女



『ったくわあったよ。しゃーねぇなぁ…』-革ジャンの男



『ゲホッ…ゲホッッ…』

 セツナが咳払いと共に血を吐いた。



『おい!姉ちゃんっ!おいっ!!』

 ヒューマが近づき声をかける。



『んじゃ、返してもらうぜ!』

 血を吐くセツナに構うことなく床に落ちた黄金のペンダントを拾い上げ、革ジャンの男は部屋を後にしようとした。



『…おい…待てよ』-ヒューマ



『…』

 革ジャンの男は少し立ち止まったが部屋を後にしようとする。



『待てって言ってんのが聞こえねーのかよっ!??』

 -激昂するヒューマ



『おいおい、見逃してやろうってんじゃねえか。まだなんかあんのか?』-革ジャン男



『あぁ、あるね!!そいつはオレのもんだ!おいていけ!』-ヒューマ



『はぁ…』-革ジャン男の深いため息



『いいか小僧。度胸は認めてやる。それにお前が言ってた通りこの世は弱肉強食だよ。それはオレも同感だ。だがよ?お前がそれを言ったところでお前は俺より弱い。つまり俺がお前にこれを渡す理由は実力行使で勝ち取る以外無いってこった。』

 -革ジャンの男



 黙り込むヒューマ



『わかったらそう死に急ぐな。お前はまだガキだ。あんまり姉ちゃん悲しませんなよ。俺も忙しいんだわ。じゃあな』

 革ジャン男はそう言い残し部屋を後にしようとした。



『舐めてんじゃねぇぞクソ野郎がっ!!!』

 ヒューマは凄い勢いで走り込み、横の壁を蹴り上げ革ジャン男の首元目掛けて飛び掛かる。



 が、一瞬で弾かれ吹き飛ばされた。飛びすぎてヒューマは壁に激突し頭を強くぶつけた。



(意識が遠のいていく…)-ヒューマ



 男はしばらくヒューマとセツナを見つめたあと、静かに部屋を後にした。






 〜つづく

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