ニホンから来たロケット
私達は遂に到達した。
時は2050年、【次元を超えるロケット】を開発した日本はそれに2人の宇宙飛行士を乗せて宇宙捜索を命じた。
その2人というのが、中森清隆と工藤真澄。どちらも宇宙飛行士である。
ロケットと言っても、このロケットの操作は全自動。非常用の操縦機はほとんど使わない。目的地をセットして全自動で動き、帰りは日本に全自動で帰るという超高性能なロケットなのだ。
今回の目的は表向きには宇宙捜索となっているが、実際のところは次元移動のテスト。だからこそ、失敗しても支障が出ないような2人を選び、モルモット代わりにした。
そして何より、政府はある書物の発見と共に落ちてしまった日本の評判を取り戻そうと必死なのである。
「それじゃあ、行こうか」
清隆が【スタート】のボタンを押すと、ロケットのエンジンが動き、少しずつ宇宙へ向かって飛び始める。
「ええ、少しでもいい結果を。そして何より、生きて帰れるように」
ロケットが大気圏を抜けると、少しずつ分解して、ロケットは小型の乗り物へとなった。ここには【次元移動装置】がついていて、ここから次元移動を始める。
「【次元移動】!!」
今度は真澄がスタートのボタンを押す。すると、周りの光がワープでもするかのように動き出す。実際にワープをしたのだ。
「成功か?」
窓から外を眺める。そこには見たこともないような種類の森林が広がっている。
無事に着陸すると、真澄が驚きの声を上げる。
「ねぇ、ここ酸素濃度が地球とほぼ同じよ。それだけじゃなく、他の数値も。もしかしたら宇宙服はいらないかもしれないわ」
「本当か? だが念のため、宇宙服は着ておこう」
2人は宇宙服を着て、外に出る。するとそこには、木の種類こそは知らないものの、地球によく似た景色が広がっていた。
「二酸化炭素濃度が少し低いぐらい……他はそこまで変わらない……ここなら移住先としても問題ない!」
「凄いな、まさかこんなところに地球によく似たものが存在するなんて」
「太陽に似た星もあるみたいだし、ここは最有力候補ね…」
2人はそのまま、森の中へと入っていく。
「あれ、真澄。あそこ……」
「煙?」
木々の合間から煙が上がっていたのだ。
「誰かいるのかしら?」
「もし人間なら、先住民なら、人が住めることも保障できるな…」
「そうですね、清隆さん」
2人は煙の方向へと近づいていく。
「Сен кімсің(何者だ!?)」
2人の前に槍を持った男が現れた。
「おお!」
「先住民! 確実に人間ですよ!」
「ついに別の惑星に辿り着いたんだ!」
「もう少し探索してすぐに戻りましょう、大発見です!」
「бір минут күте тұрыңыз(ちょっと待て!)」
2人は先住民の静止を無視して進み続ける。その先には集落のようなものがあった。
「皆さんこんにちは! Hello!」
「日本から来ました!」
「Бұл бұзушы. Өлтір!」
後ろから追ってきたあの男が何かを言う。すると……。
「よろしくお願い……グハッ!?」
「清隆!?」
先住民達は槍を投げ、2人を攻撃したのだ。
「何で! 私達は何もしていないのに!」
数分後、2人は死んでしまったのだった。
・・・・・
数万年後、ある博物館にて。
この博物館にはカザフ語を使っていたとされる民族のコーナーがあった。そしてその民族の歴史書には……。
【ある時、「ニホン」なる国から来た蛮族が侵入した。静止を無視したため殺したが、彼等が持ってきたとされる謎のモノは不明。死体を遺跡に封印し、二度と厄災が起こらないことを願った】
日本国民は静止を無視し、侵入を続け殺された馬鹿。
日本以外の国ではその事実が既に広まってしまっていたのだった。そして日本人はその事実を知らないでいたのだった。
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※今作はGoogle翻訳を用いて「カザフ語」を使用しております。間違いを発見された場合はお知らせ頂けると助かります。
※この物語は完全なる創作であり、現実とは一切関係ありません。