リゾートコロニー群に残された者と城塞都市の新型量産機神。
「ようやくかぁ…… やっと普通の生活が出来る」
リゾートコロニー群の最上級ホテルエリアで、ロイヤルスイートルームに泊まっているカナエは……
目覚めた時に、自分が〝本来の大きさ〟に戻った事に気付いた。
「これで広過ぎるこの部屋も…… 普通になっても、やっぱり広過ぎるわ……」
廃棄されたとは言え…… リゾートコロニー群の最上級ホテルのロイヤルスイートルーム。
寝室が30畳以上の広さで…… 天井までは、人族の通常住宅の5階分の高さがあった……
「一応…… いろんな種族が泊まれる様に…… 作ったんだよね?」
何故、カナエがこの部屋に泊まっているか? と言うと……
「お目覚めですか? オーナー」
リゾートコロニー群と一緒に破棄された…… 管理や接客など用のバイオロイド達が望んだからだ。
彼女達は、破棄された時から約100年……
人の訪れを待ち続けていた。
そして……
ついに…… 100年の時を越えて、カナエと言う彼女達の待ち人が来た。
そして、彼女達は自分達が破棄された事を知る。
「破棄されたのならば…… 今日この時から、私達は…… 貴女の所有物です」
リゾートコロニー群のメインシステムとバイオロイド達は、カナエの所有物になる事を望んだ。
(何処と無く……〝ジュエリーズ〟に、似てるんだよねぇ……)
それ以来…… 彼女達が気が済むまで、カナエは接待を受け続けていた。
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「おっ、それが主の本来の姿か?」
「私よりも、背が高いのですねぇ……」
「やっと戻ったよ」
連絡を受け、カナエが格納庫に向かうと…… エミリーとエナが待っていた。
「フェアリエの本格的な改修は、今のところ無理だから…… 追加で主の魔力消費を軽減する強化装甲を開発中だ」
「そう…… あの子は、かなり特殊な機体だからねぇ……」
「ですが、主様の提案して下さった…… 我等用の量産型機神の試作機が完成しました」
「ホントに!?」
「だ・か・ら、主を呼んだのよ。試し乗りして見て♪」
エミリーとエナの案内で格納庫を進むと……
「この子よ~♪」
新型の量産型機神の前に来たが、その機神の姿は……
「これは……〝ガールズ〟フレーム!?」
その機神は…… カナエが〝夢の中のゲーム〟で、完成した量産型機神【ガールズ】だった。
「ガールズ? 確かに、主のポーンよりは一回り程小さい14メートル級の機体で、少女の様に見えるかもね?」
「なるほど…… 確かに、その通りですね。主様の提案通りに追加武装ユニットも用意していますが、この基本フレームも中々の性能ですよ」
「うん♪ 楽しみだよ」
カナエは…… 初めての機神のコックピットで、操作レバーを〝懐かし気に〟握ると……
「此方では、初めてだけど…… 行くよ♪」
宇宙空間へ…… 飛び立つのだった。