カナエ、フェアリエで初戦闘から、数ヵ月間…… リゾートコロニー群を秘密拠点化!?
『城塞都市の復元と改修が、7割り完了しました』
「思っていたよりも早い…… 何で?」
『マスターが改修した、リゾートコロニー群の建設用無人ユニットのおかげですね』
「あの子達かぁ…… さすがは、廃棄されてから約100年間、このリゾートコロニー群の建設と維持を頑張った子達だねぇ」
カナエの視線の先の宇宙空間で…… 城塞都市の外壁に取り付く、黒と黄色の多脚工作無人ユニットの姿が見える。
カナエが、夢の中のゲームで作った……〝スパイダー〟だ。
「【エミリー】と【エナ】のおかげだけどね」
「無人建設ユニットの改修は、主のアイデアだけどねぇ~」
「主様、無人建設ユニットの改修は6割り完了しました」
カナエ達の前に、白衣姿の180㎝の長身女性と作業着のつなぎ姿の140㎝の少女が現れてる。
(夢の時と…… 身長が逆転してるから、ちょっと違和感があるんだよねぇ……)
『どうか致しましたか?』
「いや、エミリーとエナは〝人の姿〟なんだなぁ~って……」
城塞都市の中庭に在った、あのコックピットブロックの様な複数のサポートユニット保存ポットから……
カナエは、バケツ頭のサポートユニットと相談して、エミリーとエナを目覚めさせたのだった。
『前マスターが、女性で機神発明家でしたので…… サポートユニットも様々な種族の女性の姿で作られました』
「そうなんだ…… エミリーはエルフで、エナは……」
『ドワーフをモデルに製造されました』
カナエは、ゲームの中では眷族だったが、違う二人の姿……〝見慣れない懐かしさ〟を感じていた。
この二人を選んだ理由は…… 今のカナエの〝姿〟に関係している。
「それで、主…… そろそろ、主の依頼が形になりそうなんだけど?」
「ほんと!?」
「ちょっ!? 危ないわ!」
「あっ、ごめん……」
「今の主様は〝少妖精〟なのですから、気を付けて下さい」
今のカナエの姿は……〝15㎝の少妖精〟の姿になっていた。
「自分が〝魔力生命体〟だと実感したよ」
妖精族であるカナエは、その身体を魔力が形成している……〝魔力生命体〟と言われる存在だった。
「主様の機神…… フェアリエは、その運用に乗り手の強大な魔力が必要ですからねぇ……」
「まさか…… 自分が操縦するロボットに、存在を消滅させられそうになるなんて…… 思わなかったよ」
乗り手に、強大な魔力量を必要とするフェアリエに乗った事で……
カナエは、体内の魔力の大半を失い……
本来の姿を保てなくなって……
小さな妖精の姿に…… なってしまっていた。
その為…… カナエは…… ある計画を立てる。
1つは…… カナエの魔力消費を軽減する為のフェアリエの改修。
2つ目は…… 城塞都市の修繕と改修強化。
3つ目は…… ロデスに破壊されたカナエの機神、量産型機神ポーンのデータをベースに…… 防衛用にオリジナル量産型機神の開発であった。
そして……
この廃棄されたリゾートコロニー群には…… カナエ達が必要とする資材が揃っていた。