第1目標達成…… その後のついて話し合う?
~ フェアリーガーデンに転移直後…… ~
「くっ……」
「ちょっ!?」
「だ、大丈夫…… ちょっと魔力を使い過ぎ…… ジノさんとデンライ君の治療を…… たのむ…… ね……」
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「で、起きたら…… いつもの〝小妖精化〟してるし…… ねぇ、私…… 私、どのくらい寝ていたの?」
「4~5時間かな? ジノさんとデンライ君は、検査を終えて治療しているところ」
「容態は?」
「デンライ君は、魔薬といじられた身体と呪いの治療だけど…… さすが獣王ねぇ、呪いの後遺症以外は自然に治癒しているわ」
「それなら獣呀も安心ね…… ジノさんは?」
「ジノさんなんだけど…… 思ったよりも深刻な状態だったわ」
「!? ジノさんは…… 大丈夫なの?」
「今は大丈夫。一時的に私と同化した事が良かったみたい…… 体内の力が安定したわ。だけど、今までの不安定な変身のダメージと…… 安定した力がジノさんの肉体に作用し始めたから…… 今は、二人とも自力で目覚めるまでは絶対安静ね」
「そう…… とりあえずは、良かった……」
「それよりも、私…… あの時、何が起きたの? あのベルの姿…… それに…… その髪に…… その〝胸〟…… まさか……〝神化〟したの?」
「たぶん……」
今のカナエの姿は…… 小妖精化しているものの、カナエとユメが知っている〝夢の中の混沌神〟と同じ様に…… 濡れた鴉の様な黒髪が光の加減で七色に輝き、その胸は…… 夢の中と同じ様に豊かに揺れていた。
「これは……」プニ……
「やん! ちょっ、ちょっと!?」
「本物の弾力…… くっ、自分に私がこんなに悔しく感じるだなんて……」プニプニプニプニ……
「ちょっ!? あん…… ちょっと!? やん…… ボタンみ、あぁん…… たいにれん、うん…… だ、ひゃん…… しないで!」
「これ…… ヤバイわ…… ちょっといけない気分になりそう……」
「はぁ…… はぁ…… はぁ……」ビクビク……
「あっ…… ヤバッ! やり過ぎた!?」
ユメに玩ばれたカナエは、ユメの手に掴まれたまま荒い呼吸で痙攣していた。
「しかし……(柔らかいのに…… ちゃんと特有の張りと弾力があるわ……)着せかえ人形で再現して、無限プニプニちゃん…… で、売ってくれないかしら?」
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「ひどい目に…… あった……」
「ちゃんと、天使と悪魔の翼も増えてるのね…… 夢の中の混沌神の姿だわ。大きさ以外は…… と、とりあえずの第1目標だった獣王の奪還は達成…… 次は、どうするの?」
ジト目になったカナエに睨まれて…… ユメが話題を変える。
「私がこんなんだし…… ジノさんとデンライ君も動けないからね…… とりあえず、フェアリエの改修かな?」
「やっぱり改修が必要?」
「今のままだとね。夢の中で初乗りした時くらい…… 魔力燃費が悪いの」
「それは…… 問題ね。乗るたびにカナエが小妖精化していたら、いつか魔力枯渇で…… カナエが消滅の危機があるもの……」
「この世界では、私の種族は魔力が無いと生きられないからね…… 身体が安定するまでには、フェアリエの魔力消費を軽減したわ」
「なら、その間に……【ウィザード】と【ブレイブ】を捜してみる?」
「そうね…… 帝国に魔人達が潜んでいる以上…… あの2機も必要ね。頼むわ」
「了解♪」
こうして…… ジノとデンライが寝ている間に、フェアリエの姉弟機の捜索が開始された。