カナエ、古代の超文明の扉を開く!
「夢の中のゲームでは…… アンデッドの巣窟なんだけど…… 此方では、どうかな?」
光輝く首飾りから放たれた光が、重厚な扉を照らし出すと……
ガコン…… ズズズズズ……
「おお…… 夢の中の時とちょっと違う? ゲームじゃなくて現実だから? さて、問題の障気は……」
カナエが開いた扉の中を覗き込むと……
「あれ…… 来ない?」
夢の中のゲームでは、扉が開いた瞬間に溢れ出した障気が出て来ない。
「何で? まさか…… アンデッドも居れないくらいに中が崩壊してるとか……」
カナエは、恐る恐る扉の奥を覗き込むと……
「ええい! 此処でじーっとして居ても始まらない…… 行くよ!」
夢の中のゲームだと、邪神の配下の魔神ロデスが閉じ込められていた筈の扉の先に…… カナエは踏み出した。
「う~…… ゲームだと騎乗していたから、感じ無かったけど…… 歩きだと…… 広すぎ……」
しかも、夢の中のゲームでは〝あの人達〟が一緒だったから…… 安心して進む事が出来た。
「一応…… 対アンデッド感知装置と武装はしてるけどさぁ~…… 一人は…… 辛いなぁ……」
暗い都市の中を歩く内に…… どうしても、夢の中で供に冒険した〝仲間達〟の姿が浮かぶ……
「そう言えば……〝あの娘達〟との出会いも、此処だったね」
カナエは…… 夢の中のゲームでのカナエの愛機と男勝りの魔族娘を思い出す。
「流石に…… 居ないよね?」
カナエは、一瞬期待したが…… 流石に魔族とは言え、遺跡化した古代の超文明都市に閉じ込められたら…… 生きていないだろうし、そもそもカナエの様には、ヒント無しでは入れないだろうからと…… すぐに思い直した。
「いろんな子達が居たなぁ~…… ロッテにエミリーとエナ、ジュエリーズのみんなに…… 混沌族のチミコちゃん達…… チミコちゃん達は大丈夫かな……」
夢の中のゲームで、この古代空中城塞都市で供に過ごした仲間達の安否が気になったが……
「何時の間にか…… 居住エリアまで来てたよ…… う~ん、夢で見た面影がある♪」
カナエは、夢の出来事を思い出しながら…… 居住エリアの中央にある中庭を目指す。
「この先に世界樹が……!? こ、これは…… 闇の女神が封印されてたコックピットブロック…… しかも、たくさんある……」
それは、夢の中で邪神に騙されて、邪神の仲間にされた…… あの哀れな女神が封印されていた機神のコックピットブロックと酷似していた。
「これ…… 何か入ってるかな……?」
1番近くのコックピットブロックに、カナエが手を触れると……
『選定の首飾りを確認…… 装着者の魔力をサーチ…… 全属性の魔力を感知…… 封印を解除します』
「えっ、えっ!? ちょっ、ちょっと待っ!?」
カナエが触れたコックピットブロックから白煙が吹き出し、カナエの視界が奪われた……
『貴女が…… 私のマスターですか?』
カナエの視界を奪っていた白煙が晴れると…… バケツを被った様な頭の2メートルの人型のロボットが現れた。