獣人達の咆哮に応えるは…… 太古の猛獣!!
『これが……〝猛獣塚〟』
発掘場から湧き出る様に現れる採掘作業機神達を、他の突入した機神部隊に任せて、リン達6人の熊型機神が猛獣塚の奥に突き進む!
『だいぶ採掘されたみたいだけど…… まだ奥がある?』
『かなり深いな……』
『伝説の猛獣塚だもの…… この深さが積み重ねられた年月なんでしょうね……』
『こんなに昔に……』
『太古の祖先達を護ってくれた守護者…… その眠りを汚させる訳には、いかないわ……』
『この感じ…… なに? 呼ばれてるの?』
『ああ…… 近いな……』
『何かいるわね?』
『ええ…… わからない何かと何か嫌な者がいる……』
『うん? 最深部…… 出るぞ!』
6人が乗る熊型機神が突入した最深部には……
『ここが…… 最深部?』
『広いな……』
ドーム状の広い空間で…… その中心部には、社と巨大な石柱が見える。
『あの石柱は……!?』
『人…… 女性?』
「来たか? 獣王国の獣人どもよ……」
社から白装束の女性が現れる。
『その耳…… 狐族の獣人? でも……』
『ええ…… 嫌な何かを感じるわね……』
「ほぅ、〝神子〟の素質持ち…… しかも複数か? ペルティナとアピレスめ…… 逃がした魚がでか過ぎるな……」
『お前は…… 何者だ』
「ふん、所詮は獣…… 礼儀を知らぬ様だ…… だが、よかろう…… 我は【玄黯】。邪神機を生み出した者よ!」
『ギィシャアァァァァァ!!!』×8
『『『『『『!?』』』』』』
玄黯の後ろから大蛇型機神が8つの頭を現して、リン達に襲いかかった!
『蛇型の機神!?』
『違うわ! 胴体が1つよ!』
『まさか!?』
「そのまさかよ。猛獣達が戦ったとされる極東より現れし8つの頭を持つ大蛇……〝ヤマタノオロチ〟の身体と御霊は我が頂いた。大凶蛇神機【ヤマタノオロチ】として復活させたのだ」
『猛獣様達が命をとして倒した巨悪を!?』
『なんて事を!』
『貴様!』
「ふん…… 無礼な獣達よ。オロチにもてあそばれながら、猛獣達が我の物になるのを見てるがよい」
『待ちなさい!』
『くっ、オロチが邪魔で近付けないぞ!』
『ちきしょうが……』
玄黯が社の後ろに立つ石柱に近付くと…… ピキ…… 石柱にヒビが走る!
「ふっふっふ…… 見よ。今、猛獣の眠りが解かれる」
石柱に無数のヒビが広がって…… ガラガラと音を立てて崩れ始めた。
『『『『『『グウォォォォォン!!!』』』』』』
「な、何!?」
崩れ倒れた石柱から解き放たれた猛獣達は、咆哮を上げると……
『うわぁ!?』『えっ!?』『ちょっ!?』『うお!?』『きゃ!?』『!?』
光となって、リン達の機神に放たれた!?
・
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キュピーン!
「!? 今のは……」
「ええ…… 賭けに勝ったよ♪」
猛獣塚の外で、その事を直感したユメが振り返ると……
同じく直感したカナエが…… ニヤリと笑うのだった。