助けた中には…… あの子達も居ました。
『マスター、彼方の檻は別の様です』
セバスチャンが発見したのは、アニマニアの獣人とは別にされていた檻だった。
その捕らわれていたのは……
「まさか…… この子達は……」
『生体データ収集…… 該当する種族DNAを多数検出……〝混血種〟の様です』
(間違いない…… 初めて見た時と同じ姿……【チミコ】だ)
カナエは、檻から運び出されたチミコを優しく撫でながら外傷が無い事を確認し、救護用スパイダーに預けた。
(スレイブの護送船に居たと言う事は、〝奴隷狩り〟の被害者……)
砂漠の惑星スレイブ国…… 元は、犯罪者達の流刑地だった星だ。
国としての歴史は、カナエが眠りに就いた10年前に始まった…… 地下資源採掘に駆り出されていた一人の犯罪者が、反逆したのが始まりだった。
当初は、一人の犯罪者の男を鎮圧すれば終わると思われていたが……
その男は、砂漠の惑星に流された犯罪者達を纏め上げると…… 砂漠の惑星に独立国家と宣言し、惑星国家連合に独立戦争を仕掛けたのだ。
砂漠の惑星スレイブの王となった男…… その男は、地下資源採掘で…… 古代に封印されし超古代兵器の持ち主となっていた為に、惑星国家連合は停戦を条件に国と認めた。
しかし、元は犯罪者達の集まりで…… 他の惑星国家などで、非合法な薬物や人員を売り買いしている犯罪惑星国家である。
その国民の7割りは…… 非合法な手段で奴隷にされた者達だった。
『優れた見た目や能力持ちの種族を、掛け合わせた様です』
「この世界でも悪党のままか……(と、なると…… スレイブの地下には、古代の超戦艦と邪神の力がある可能性が高いね……)要注意国家として、情報を集めましょう」
『了解しました』
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「あなた方は?」
カナエは、スレイブの者と思い攻撃されない様……
治療後、メイドロイド達にある程度の事情を説明してもらい、捕らわれていた獣人達の代表者と会う事にした。
「今は、このコロニーのオーナーかな?」
『私達の所有者のカナエ様です』
「かなり凄い御方の様だが…… 我等をどうなさる気か?」
「どうするとかは、考えて無いんだけど…… 帰れる様になるまでは、此処に居ても良いよ」
「よろしいので?」
「事情は知っているし、戻っても同じ事になるでしょ?」
「確かに…… 我等に抗う術は無いですなぁ……」
「とにかく、身体と心を休めて行くと良いよ。子供達にも…… 必要でしょ?」
「ありがとう…… 何時までになるか解らぬが、世話になります」
(後は…… リンちゃん達だけど……【デンライ】君の居場所を探る方が速いかな?)
カナエは、獣人達を助けた事で…… 夢の中のゲームで仲間の一人、獣王【デンライ】の行方を探る事にした。