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狂った世界に私はいらない、狂った私に世界はいらない  作者: 毒の徒華


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夢日記 2023.2.16(木)晴れ




 遠出をした先のホテルから女の人たちに連れ出され、渋々私は外に出たが、私の行きたい方向に向かって歩いているとあっという間に迷子になった。

 夢の中の町並みは私の住んでいる場所とは大きく異なり、アメリカのような雰囲気もありながらも、東京のようでもある。スラムのような場所もあった。

 私は川沿いの土手のところまできたところで、ここがどこなのか分からなくなっていることに気づいた。

 私についてきた20歳前半くらいの女の子は楽しそうにはしゃいでいた。花畑の中にスプリンクラーがあり、そのスプリンクラーのせいでびっしょりになっていたが、それでもはしゃいで笑っていた。

 私についてきて良かったと言いながら笑っていた。私といて何が楽しいのか分からなかった。




 ***




 水道のインフラがテロリストに乗っ取られた。

 従わないやつらへの報復として水道を乗っ取り、破裂させたりしていた。水道管がぐねぐねと曲がって破裂したりしていたが、破裂させている方法は分からない。

 どこも動いていない街を私は歩いて彷徨っていた。天気が良く、空が青いのにこの世界はテロリストに乗っ取られて終わっていた。誰もいない。コンクリートの間から草が生えているのが見えた。

 死んだ街を歩いているのは、天気と同じように晴れやかだった。

 やはり、滅んだ世界を我が物顔で歩くのは気分がいい。




 ***




 何かのレジスタンスに潜入し、カードゲームをしていた。

 ゲーム内容は大富豪だ。何かのレジスタンスは民族のような恰好をしていた。「エース」の発音が「アウス」だった。私が「エース?」と言うと、いかつい民族衣装を着ている男性は「アウス」と発音する。

 ルールは知っている大富豪と少し違ったが、私は最終的に大富豪になった。

 何のために潜入しているのか、何の対抗勢力なのか、何故トランプをしているのかは一切分からなかったが、私は勝利した。




 ***




 私は夢の中で眠くて眠くて眠りたいと切望している中、現実世界で無情にもアラームが鳴り、私は朝覚醒する。もっと眠っていたい。1日中は眠っていたい。現実など、夢の中の世界と比べたら全く楽しくないからだ。夢の世界に永遠にいたい。

 朝起きてぼんやりと夢を思い出し、私は朝一番にペンをとって夢の内容を紙に書き留めておく。全く思い出せないこともあるが、ぼんやりと覚えている内容をメモにとっておく。


 私のいる世界は現実ではなく、私の脳で作られている仮想世界の方だ。

 ときには神を殺し、ときにはゾンビと戦い、ときには襲ってくる人の目を潰す。

 ときには現実にはないゲームに没頭し、現実にはないおぞましくも美しい滅びた世界を歩む。


 現実の方はといえば、朝定刻に起床、定刻に寝癖を直し、定刻に食事、定刻にニュースを見て、定刻に車に乗り、ルートの決まった通勤ルートを通り、定刻に出社。

 仕事をして、定刻に昼食、定刻に退社。そしてときどき仕事帰りに病院に行く以外は定刻に帰宅、定刻に夕食、それから少しの自由時間、大体はパソコンに向き合って動画や映画やアニメを見ている間に眠る時間になり、睡眠薬を服薬して就寝。

 それの繰り返し。

 休日はずっと部屋にこもってパソコンと向き合っていることが多い。

 別段面白いことはない。

 それの繰り返し。


 夢の世界は毎日楽しい。怖いこともあるが、子供の頃よりは何かに追いかけられる悪夢を見ることは少なくなった。


 そして今宵も、サイレース1mgとトリアゾラム0.5mgが私の仮想現実に誘ってくれる。眠れないときはサイレース2mgにする。アメリカで禁止されている強い睡眠薬だ。長期的な服用で私の身体、あるいは脳のどこかが壊れるだろうが、これがないと眠れない。


 はやくこの現実ゆめから醒めたい。




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