あたらしいお兄さま、みつけた。
年齢の離れた兄姉達が結婚適齢期を迎え……いたずらに余念がない末っ子。
と思いきや。
ちゃんと意味があったようですよ。
お父さまのところに、マーサ姉さまかハンナ姉さまをうちの息子の嫁にってお手紙がたくさん来てるんだってレベッカが言ってた。
失礼な話よね、伯爵家の娘ならマーサ姉さまでもハンナ姉さまでもどっちでもいいですって言ってるみたいで!
だからあたし、伯爵邸に来た人でお父さまお母さまお兄さま達お姉さま達に聞こえないところで失礼な事を言ってた人に……カエルやヘビをあげたの。
ごさいがてきとうに育てた娘をもらってやるんだから感謝してほしいなんて陰で言ってた人には、カエルとヘビのセットをあげたわ。
悲鳴あげて逃げてった。
ざまみろーーー!……って言ってたら兄さま達に見つかって怒られちゃったけど。
シャルル兄さまとクロード兄さまには、あたしがお客にヘビやカエルをプレゼントしてる理由をちゃんとお話ししたわ。
そしたら「失礼な奴にはどんどんやれ」っておすみつきもらっちゃった……。
だいたいの失礼な人は男の人でも悲鳴あげて逃げたけど、あたしのヘビ・カエル攻撃にも悲鳴ひとつあげない失礼な人もいたわね。
そういう人はみんなそろって「こんな娘は将来いきおくれで間違いない」って捨てゼリフ吐いてってった。
いきおくれってなーに?って訊いたら、お父さまは笑ってたけどお母さまは頭かかえていらした……いきおくれって、何?
そんな中でも、ちゃんとした人だっているの。
シュミット伯爵家ランドルフ・マクラウド様はマーサ姉さまに会うために来られた時、「何か言われたらカエル投げてやる」って思ってたあたしのところに来て
「服の背中に入れるのだけはやめてもらえるかな?子供の頃、兄にいつもやられてたんだ……でもお返しにヘビを寝台に入れてたけど」。
仲良くなれそうな気しかしなかったわ。
スコット伯爵家アレクサンドル・キャラウェイ様もそう。
ハンナ姉さまに会いに来られたはずなのに、まずヘビの準備してたあたしのところに来て。
あたしからヘビを取り上げて、何だかよくわからない手順でヘビを結んで……「こうやって渡すと、普通に渡すより効果ありますよ」。
もう「ヘビ結びの弟子にしてください!」って言っちゃった。
え。
これからはランドルフお義兄さま・アレクサンドルお義兄さまってお呼びしていいの?
やったぁ!
末娘、順調に(?)理解者を増やしていますw