牛乳
牛乳を信じすぎる。
そんな牛乳命の男がいた。
しかしそれに根拠は全くない。
信じすぎる心は、様々なガセを生んだ。
それが周りを混乱の渦に巻き込んでいった。
「牛乳を飲めば背が伸びるらしいよ」
『そうなんだ』
「牛乳を飲めば美白になるらしいよ」
『そうなんだ』
「牛乳を飲めばお酒が身体に回らなくなるらしいよ」
『そうなんだ』
「牛乳でうがいすると菌が少しはいなくなるらしいよ」
『そうなんだ』
「牛乳を肌に塗ると肌にいいらしいよ」
『そうなんだ』
「牛乳をコップに入れて放置するといい加湿になるみたいだよ」
『そうなんだ』
「牛乳を全身に浴びればもう骨が折れないらしいよ」
『そうなんだね。でも牛乳を飲めば骨とかは強くなるかもしれないけど、飲みすぎたり信じすぎたりすると世間の目も強くなって、心は折れやすくなるかもね』
「はあ」