楽しいガチャ品評会(なお、主人公を襲うのは虚無感)
アイテム説明の部分は興味無い方は飛ばして貰っても本筋に影響はないです。
「グハハハハハハハ!!!ガフッ……ガハハ……ゴホッ!ヒィーヒィー!」
龍神が、威厳など全く感じさせない姿勢。
つまり、腹を抱えて寝転がって笑っている。
「おま……そんな……無駄な……グハハハハ」
俺はと言えば、ただただ虚無感に包まれている。
少しでもこの悲しい現実から逃避するかと、ひたすら笑い続ける竜神サマを無視しつつ、これまでの流れを整理する。
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大笑いの発端は、世界の説明は受諾するが出たものを全部見せろという要求からだ。
龍神の爪という槍は、神器と呼ばれるに相応しい魔力量を秘めているらしく、竜神曰く「下手をすると戦争が起きる」程の物らしい。
他に危険な物が無いか検めておいてくれるとの言葉に甘えてガチャで出た物を一つずつ見せていった。
竜神山脈のおいしい水
「この山で沸いておる水じゃな。麓の人間は有難がっておるぞ」
効果とかないんだ。まあレアだしな。
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ライトエッジ
光神の加護を受けた剣
光線を放って攻撃できる
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「槍の1分にも満たん力じゃな。明かりには使えるかもしれん」
百分の一ですかそうですか。まあレアだしな。
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竜巫女の短刀
竜神の加護を受けた短刀
遠くの敵を攻撃できる
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「儂こんな加護した覚えないんじゃがなあ。まあ魔力の帯で攻撃できる感じじゃな」
割と使えそう。
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メリオ帝国大金貨
メリオ帝国で流通している大金貨
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「山脈の北東の国で使われとるのう。」
価値がわからん。まあレアだから期待しないでおこう。
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竜酒
龍神の巫女が加護に使用する神聖な酒
魔力を回復する
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「儂の巫女が毎年奉納してきておる物と同じじゃな。うまいぞ」
酒のまないしなあ。
でも魔力が回復するならガチャ回せるし試してみるか……?
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甘味の指輪
唐辛子が苦手な魔導士が作った指輪
辛みを甘く感じさせる
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「わけがわからんのう。何の意味があるんじゃこれ」
SSRでコレか……
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竜巫女の杖
龍神の加護を受けた杖
祈りに呼応して傷を癒す
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「これも儂の知らん加護じゃなあ。まあちょっとした傷なら癒せそうじゃ」
よし、これも使えそうだ。竜巫女シリーズは当たり枠っぽいな。
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術法酒
魔力を帯びた水を使って仕込んだ酒
魔力を微量に回復する
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「北東の国から奉納されとるのう。味はそこそこじゃ」
竜酒は5本セットだったけどこれは50本セットだったからなあ。
回復量は期待できなそうだ。
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おいしい棒
おいしい棒
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「なんじゃこの木の棒、本当にうまいのう」
ボリボリ……木の棒だけどポリポリ食べれておいしい。
なんだこれ、めんたいこ味?
50本セットなのがうれしい。
龍神に頼まれて10本あげた。
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竜神の爪
竜神の爪を穂先に使用した槍
あらゆる物体を貫く
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「儂の爪にこんな効能ないんじゃがなあ。」
え、そうなの……?
なんなんだろうなこの能力。
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フリンツ王国大金貨
フリンツ王国で流通している大金貨
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「こっちは山脈の北西の国で使われとるのう。」
だから価値わからんて。
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聖なる土
龍神の聖域の土
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「土じゃな」
土だね。所詮レア枠さ。
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虫よけテント
むしが近寄らないテント
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「只人には便利なんじゃないかのう」
只人ってなんだ?
他の人種がいるのか。後で聞こう。
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旅神の羽帽子
旅をする際の不運を避ける
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「旅神の加護ならかなりの不運まで避けてくれそうじゃな」
龍神の爪と同じレアリティだからなあ。
期待できそう。
そして、「UR/たんすの角の加護を受けた聖石」を取り出した時に問題が起きた。
そもそもこいつは何か?
ゴミだ。
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たんすの角の加護を受けた聖石
元は別世界でたんすの角に小指をぶつけた人間たちの怨念の結晶。
世界を渡り悪しき存在として顕現する事を防ぐために旅神により性質を変化させられ、加護として聖石に封じられた。
投げるとどのような対象であろうと足の小指にぶつかり手元に戻ってくる。
対象の足に指がない場合は飛ばない。
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そう、当たってもちょっと痛い思いするだけの物体だ。
こんなもの別世界から持ってくるな。
そして、これに込められた魔力量は竜神の爪の10倍程あるらしい。
つまり、大当たり枠がこれだ。
山を削る一撃が打てる槍の10倍の魔力量が込められてはいるが、小指に当たるだけの存在だ。
どうにも、神を含めたあらゆる存在に絶対に当たるという点にとてつもない魔力量が充てられているらしく、それが竜神サマには笑えて仕方ないらしい。
俺は虚無感に襲われる一方だが。
「ふぅー……はぁー、これ程笑ったのはいつぶりかのう。ここ千年程は無かった事じゃ。」
……まあ、千年に一度クラスの笑いを取れたならヨシとするか。
「まあ、神聖なる力こそ働いてはおるが、当たっても暫く痛みで悶える程度じゃな。問題は無かろう。」
結局、やばい武器は竜神の爪だけだったか。
まあ、あんな威力だせる武器が2本あっても使い道ないからいいけど。
「さて、説明するだけなら巫女でもできるからな、儂の神殿に行くとしようか」
そう言うと、景色が一転した。
「えっ……ナニコレ」