表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒魔女は殿下の猫のお気に入り  作者: すみ 小桜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/30

第十八話★

 まさかの展開になった。

 調子が悪いと、彼を治せなかった聖女が俯いて目の前にいる。

 嘘をついているのがばればれだ。よかった。父上を直接診てもらわなくて。

 にしても、彼女の様子を見に行くと言ったけどビスナは、大丈夫か?


 「ただいま戻りました」

 「どうだった……って、起こして連れて来たのか?」


 驚く事に、リリナージュを連れて来た。彼女は驚いて見渡して、聖女をジッと見つめる。

 灰色の髪からちらつく、白いピアス。瞳は黒。

 確かに黒い瞳は珍しいが、ピアスの色が白とはな。ないだろうに。


 「えーと……」

 「彼女は偽物でした」


 戸惑うリリナージュに、そうビスナが告げると凄く驚いていた。


 「あれって嘘?」

 「はい」

 「はいじゃないですよ! 本気にしたらどうするのですか!」

 「信じてもらう為に一芝居打ったのではないですか」

 「え? 私達がよりを戻したと?」

 「よりを戻しただと!?」


 何の話だと聞いていれば、どういう事だ。


 「また面倒な事を言わないで下さいよ」


 ビスナがそうリリナージュに言っている。


 「面倒とはなんだ? どういう事か説明しろ」

 「はあ……。ですから、よりを戻した私達が私の部屋へ行ったと思わせたのです。彼女がこれで動いてくれればいいのですが」

 「あなた達は、お付き合いをされていたのですか?」


 俺が聞く前に、ジェールエイトが驚いて聞いた。


 「えぇ、まあ。でもおしゃべりな女は嫌いなのですよ」

 「ちょっと待って!」

 「この話は後にしましょう。今は彼女の動向でしょう」

 「な! 変な噂流さないでよ!」


 リリナージュが、ビスナと元から知り合いだった? だからあんなに反対していたのか?

 彼女を奪われない為に?


 「うん? あれ? 彼女ってもしかして、アルザンヌさん? ネツレスアさんではなくて?」

 「一番疑わしいのはアルザンヌ、その次がネツレスアさんですね」

 「うそ。なんで?」

 「あ! 待ちなさい!」


 二人の話しに没頭していたら聖女が逃げ出した!

 俺達は、彼女を追った。だが彼女は、廊下で倒れているではないか!

 辺りを見渡すも誰もいない。


 「キュア!」


 リリナージュの声が聞こえた。

 ジェールエイトもビスナも驚いていた。


 「今、何をしました?」


 ビスナが聞く。

 聞かずともわかるだろうに、彼女が毒を除去したのだ。と言う事は、この偽聖女は毒に侵されていたという事か! いつだ!


 「彼女も毒に……」


 そう呟くリリナージュは、偽聖女の耳に触れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ