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毒魔女は殿下の猫のお気に入り  作者: すみ 小桜


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第十話

 さて、どうしよう。暇になった。王宮内を歩き回ってみるかな?

 聖女様もこっそり見てみたいし。って、こちら側に来るわけないか。同じ建物内だけど、調合室は奥にある。私達の出入りも王宮職員用があって別。見学にでも来ないと見れないわよね。


 バタン!

 突然何かが倒れる音が聞こえた。

 何事? 音の方へ行ってみると男の人が倒れている。


 「だ、大丈夫ですか?」


 私は、慌てて近づいた。


 「ネ……」

 「ネ? ……話さなくていいわ!」

 「……ア……」

 「キュア」


 私は凄く驚いていた。たぶんシルーが侵されていた毒と同じだと思われる毒に彼も侵されていたから。慌てて魔法で治す。

 彼は気を失ったようだけど、もう心配ないわ。


 「どうしました? 物音が聞こえたようですが……まあ! 誰か!」

 「私が見た時には倒れていて……」


 現れたのは、薬師副長のネツレスアさんだった。知っている人でよかった。

 うん? 濡れている?

 ネツレスアさんが歩いて来たところの一部がうっすらと濡れていたようで、ネツレスアさんが歩いた足跡がくっきりついている。べっちょりじゃないからすぐ乾くわね。でもなぜ、あんなところが?


 「何がありました?」


 とそこに、息を切らしたビスナさんが登場。

 そして続々と人が集まり出したのです。


 「レ……シルー様をお見かけしませんでしたか」


 突然、隣に来たビスナさんが小声で聞いて来た。なるほどシルーに逃げられて、探していたから息を切らしていたのね。


 「見かけてないけど、いいの? 猫にかまけていて。聖女様が来るのではないの?」

 「だから急いでいるのではありませんか!」


 もしかして猫好きの聖女様!? 珍しい色の猫だもんね。それにしても、猫係のビスナさんも大変ね。仕方がない。私もシルーを探してあげますか。

 あ、もしかして!


 部屋に戻ってみると、シルーがいた。

 やっぱりここだったわね。


 「え!? シルーも?」


 驚く事にシルーも毒に侵されていたのです。


 「キュア」


 シルーが私をジッと見つめている。


 「大丈夫よ。あれ? 少し足先濡れている? もしかしてあそこにいたの?」


 狙われたのはシルーなの? あの人は巻き添えを食っただけとか? 聖女様に渡したくないのかしら? それともシルーに特別な何かがあって……話せるのがレイサード様ではなくてシルーだったりして。


 「ねえ、何があったの? もしかして話せる?」

 「やはりここでしたか! 保護ありがとうございます……どういうおつもりです?」


 シルーを受け取ろうと手を伸ばすビスナさんから私は遠ざかった。シルーが怯え、私に抱き着いたから。

 まさかと思うけど、シルーをこんな目に遭わせているのって、ビスナさん?


 ムッとしてビスナさんは、私を睨み付けていた。

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