始まり 弍
私は横目に男の子を見た。
中学生くらいで、頭に鉢巻きのようなものを巻いている。
独特な模様が入った服の上に、黒と白の半纏のようなものを羽織っている。まるで民族服にようだ。
コスプレか何かかな?そんなことを思っていると、
???「良かったぁ!こんな森に倒れてるなんてこと今まで無かったからびっくりしたよ。僕の名前は青明〔せあ〕。君の名前は??」
ここは森なのか。どうりで動物がたくさんいたわけだ。
「青明くん、助けてくれて本当にありがとう。私の名前はー、、、」
あれ?私の名前は……なんだっけ?
これはいわゆる・・・記憶喪失?
青明「大丈夫?汗がすごいけど…」
気が付くと汗をびっしょり掻いていた。
「思い出せないの…名前。どうして倒れていたかも。何もかも分からないの」
彼は驚いた顔をしていたが、すぐに真剣な表情になって
青明「僕が教えるよ!話せば何か思い出すかもしれないし、、、そんな心配しないで!」
と、私を元気付けてくれた。
少しだけど、不安な気持ちが薄れた気がする。
そう言って青明くんは何も分からない私に親切に教えてくれた。
青明「ここは【流森】(るしん)っていう森でね、僕たち【夷族】(えびすぞく)が古くから住んでいるんだ。流森は【朧黒町】(ろうこくちょう)っていう町の一部なんだけど、ここは奥地だから結構歩かないと町には行けないんだけどね」
聞いたことのない言葉を並べられて少し混乱する。
うーん、思い出せないなぁ。 地名を聞いてもピンとこないしー、、、。
いや、考えても仕方がない!今はとにかく思い出せるよう、青明くんに色々聞かないと。
そういえば、起きてから彼の両親にあいさつしていない。お礼を言わないければ。
「青明くん、ご両親は今いる?」
そう聞くと、彼は少し戸惑った顔をして
青明「僕、1人で住んでるんだ」
気まづい空気が流れた。
「ごめんね、思い出したくなかったよね」
怒らせちゃったかな…。でも彼は、
青明「僕のお父さんとお母さんは【烏天狗】さんの精鋭部隊に入ってるんだ。すごくカッコいいんだよ。だから僕全然寂しくないんだ!それに、ここには友だちもいるしさ!」
そう話す彼は笑っていたが、どこか寂しそうだった。
仕方ないと思っていても恋しくなるんだろうな。
でも私は、彼のことを知れて少し嬉しく思ってしまった。
私は罪深いでしょうか?
どうも、こーちゃです。
今回から…………
【ミニ・裏 設定紹介コーナー】
を書いていきたいと思います!
書ききれなかったことや、キャラクターたちの裏設定など、私が伝えられなかった部分を紹介できればな、と思っています。
こちらも何卒よろしくお願いします。
ではさっそく………
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青明くんの着ている服は、アイヌ民族の服をモチーフにしています。
私の語彙力では、あの服の良さを説明できませんでした(^^;;
すみませんm(_ _)m
興味があれば、ぜひ調べてみてください!
青明くんがイメージしやすくなるかもしれません(^^)