登場兵器紹介 艦艇編3
神楽「来週更新の約束、果たしたぞー」
深海「やりとげましたね」
神楽「というわけで今回は前回に引き続き、第5部その4に登場した艦艇を紹介するよ」
<五月雨>型汎用駆逐艦
全長:152m
排水量:4500t(基準)/5000t以上(満載)
機関:ガスタービン×4
速力:30kt
乗員:147名
兵装
OTOメララ62口径76.2ミリ砲スーパーラピッド×1
Mk41VLS/32セル(前甲板に集中/RIM-7シースパロー、RUM-125シーランス)
四連装誘導弾発射機(四九式艦対艦誘導弾<百合>)×2
三連装短魚雷発射管×2
20ミリCIWSファランクス×2
搭載航空機
ヘリコプター×2(通常は1機)
帝国海軍の現主力駆逐艦である。1970年代に建造された<山雲>型対潜駆逐艦の後継艦のための第二世代汎用駆逐艦として計画された。
<五月雨>型は様々な新機軸が採用された野心的な艦である。船体は海軍では初めてステルス性を意識して設計され、外見は平明的で艦橋側面には傾斜がかけられている。しかしマストがレーダーに探知されやすいとされる従来型のラティスマストを採用するなど不徹底な点もある。
また武器システムには対空・対潜ミサイルの発射機として垂直発射システム(VLS)が装備された。従来は発射時に発射機を攻撃方向に向けなくてはならなかったが、VLSではミサイルが真上に射出されミサイル自身の姿勢制御で敵に向かっていくので発射までの時間を短縮することができる。また発射機が格納庫を兼ねているので装填作業を必要としない。
さらに対艦ミサイルは<ハープーン>に代って国産の<百合>ミサイルが搭載された。
艦載機として<夕霧>型に続く対潜ヘリコプターを搭載する。2機搭載可能であるが、通常は1機のみを搭載する。
艦名 就役年
五月雨 /1993年 /第一駆逐隊 現役
春雨 /1993年 /第一駆逐隊 現役
霧雨 /1994年 /第一駆逐隊 現役
曙 /1994年 /第二駆逐隊 現役
夕立 /1995年 /第二駆逐隊 現役
秋雨 /1998年 /第二駆逐隊 現役
雷 /1998年 /第五駆逐隊 現役
稲妻 /1999年 /第五駆逐隊 現役
野分 /1999年 /第五駆逐隊 現役
時雨 /2001年(ぎ装中)
有明 /2002年(予定)
夕暮 /2002年(予定)
深海「帝國版<むらさめ>(注1)すか」
神楽「まぁそんなところ。さて次」
深海「えぇ?もう?」
神楽「平凡すぎて特に言う事もないしね。<むらさめ>そのままだし」
深海「いや。そのままじゃないだろう。主砲は<むらさめ>と同型の76.2ミリだが、VLSの搭載のしかたは<たかなみ>型(注2)みたいだ」
神楽「別にいいじゃん、そんなこと」
<夕霧>型汎用駆逐艦
全長:137m
排水量:3500t(基準)/4900t(満載)
機関:ガスタービン×4
速力:30kt
兵装
OTOメララ62口径76.2ミリスーパーラピッド砲×1
八連装<RIM-7シースパロー>艦対空ミサイル発射機Mk29×1
四連装誘導弾発射機(<RGM-84ハープーン>or<百合>対艦ミサイル)×2
三連装短魚雷発射管×2
八連装アスロックランチャーMk16×1
20ミリCIWSファランクス×2
搭載航空機
ヘリコプター×2(通常は1機)
1960年代に導入された対潜駆逐艦の後継として就役した駆逐艦。1980年代の日本海軍を代表する駆逐艦であり、対潜、対空、対水上にバランスよく対応可能な汎用駆逐艦として16隻建造された。
ソ連海軍はキューバ危機における敗北以来、海軍力の増強・充実に努めていた。1970年代にはソ連海軍は外洋艦隊を志向し大型艦の充実を推し進める一方で、Tu-22M爆撃機を開発し空中から日本艦隊を脅かすようになった。こうして空中・水上・水中の三方向からの脅威に直面した帝國海軍の回答が<夕霧>であった。
<夕霧>は従来の対潜一辺倒だった駆逐艦計画を見直し、ソ連艦隊の強大化した水上艦隊に対抗する為の充実した対艦能力、ソ連海軍航空隊のミサイル攻撃から自艦を守る為の対空能力を与えられた。
対艦攻撃能力としてアメリカから<ハープーン>ミサイルを導入し、その後に国産の<百合>ミサイルに換装している。
対空自衛能力として、それまでの駆逐艦は砲填兵器のみを頼りにしていたが<夕霧>は初めて自衛用の短距離対空誘導弾<シースパロー>を搭載した。
さらにヘリ運用能力を持ち、対潜ヘリコプターを搭載することで広い海域を哨戒し、自艦から遠距離にある敵潜水艦を攻撃することができる。アスロック対潜ミサイルや短魚雷と組み合わせて、縦深のある対潜攻撃能力を得た。またヘリコプターにより自艦のレーダー索敵圏外の敵水上艦を探知し、その情報を基に艦載対艦ミサイルで攻撃することが可能になった。
艦名 就役年
夕霧 /1982
山霧 /1983
朝霧 /1985
雨霧 /1986
不知火 /1986
響 /1987
沢霧 /1988
瀬戸霧 /1988
海霧 /1989
川霧 /1989
波雪 /1989
山雪 /1990
浜霧 /1990
狭霧 /1991
陽炎 /1991
暁 /1992
深海「今度は帝國版<あさぎり>型(注3)かぁ」
神楽「史実の海上自衛隊は<くも>型(注4)から排水量が不足気味だった<はつゆき>型(注5)を経てから<あさぎり>型に移行したのだけれども、帝國海軍の場合はいきなり満載5000t近い艦艇からはじめたのよ。だから<夕霧>型は帝國版<はつゆき>でもある」
<足摺>型補給艦
排水量:19500t(基準)/36000t(満載)
機関:ガスタービン×2
速力:25kt
兵装
20ミリCIWSファランクス×1
帝國海軍最新の補給艦である。従来の補給艦に比べ補給能力が大幅に向上した他、機関としてガスタービンを搭載して速力も上がった。
片舷3箇所ずつ、合計6箇所の補給ステーションがあり、うち中央の2つが弾薬・食糧などのドライカーゴ用で、残りの4箇所で燃料(航空燃料含む)を供給する。
後部甲板には飛行甲板があり、ヘリコプター2機が着陸することができるが格納庫は無く通常は艦載機を搭載しない。
最新艦の<能登呂>は阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて医療区画が拡張され、戦時・災害時には病院船として使用することも可能である。
艦名 就役年
足摺 /1991
塩屋 /1993
間宮 /1995
能登呂 /1999 /改<足摺>型。医療区画を拡張。
神楽「というわけで、今回の目玉よ」
深海「補助艦艇が目玉とは独楽犬らしいね。しかしデカイ。補給艦<ましゅう>(注6)は海上自衛隊最大の艦艇だけど、それでも基準13500t、満載25000tだからね。一回り大きいのかな?」
神楽「見た目はサプライ型AOE(注7)に近くて、艦橋の後ろに補給ステーションがある。まぁサプライは満載49000tの化け物だけど」
深海「何かモデルにしたものはあるのかい?」
神楽「スペックデータはイギリス海軍の<フォート・ヴィクトリア>型(注8)を参考にしたそうよ」
深海「しかし、一週間のノルマを達成するとは思わなかった…」
神楽「まぁ作者もやればできるってことね」
深海「それにしては肝心の小説の更新が…」
神楽「次回は戦闘機編をお送りします。さらにその次は陸軍歩兵の兵器編。お待ちくださいね!」
深海「無視かよ…」
注1―<むらさめ>型護衛艦―
海上自衛隊の第3世代汎用護衛艦。基準排水量は4550t。<こんごう>型に続くVLS搭載艦であり、前甲板にアスロック用のMk41VLSを16セル、艦中央にシースパロー用のMk48VLSを16セル装備する。9隻が建造され21世紀初めにおける海上自衛隊の主力となっている。
注2―<たかなみ>型護衛艦
海上自衛隊の第4世代汎用護衛艦。基準排水量4650t。<むらさめ>の発展型で、76.2ミリ主砲を127ミリ砲に換装し、VLSをMk41に統一して前甲板に集中した。5隻が建造され<むらさめ>とともに護衛艦隊の主力を担っている。
注3―<あさぎり>型護衛艦
海上自衛隊の第2世代汎用護衛艦。基準排水量3500t。排水量不足の問題があった<はつゆき>型護衛艦の拡大版である。8隻建造されて<はつゆき>とともに海上自衛隊八八艦隊の中核を担った。
注4―<くも>型護衛艦
1960年代から70年代にかけて就役した<やまぐも>型及び<みねぐも>型を指す。基準排水量は2100t前後のほぼ同型艦。対潜を重視した艦で<やまぐも>型は護衛艦として初めてアスロック対潜ミサイルを装備し、<みねぐも>型は無人対潜ヘリDASHを搭載した。しかしDASHは後にアスロックに換装されている。
注5―<はつゆき>型護衛艦
海上自衛隊初の汎用護衛艦である。基準排水量2950t。八八艦隊の中核として整備が開始されたが排水量不足の問題があり12隻で建造を打ち切られ<あさぎり>型に移行した。現在では後継の<むらさめ><たかなみ>型護衛艦の配備によりかつての地方隊部隊である二桁護衛隊に配置されている。
注6―<ましゅう>型補給艦
海上自衛隊の補給艦。基準排水量13500t、満載排水量25000t。<しらせ>型砕氷船を抜き海上自衛隊最大の艦となったが、基準排水量では<ひゅうが>型護衛艦に抜かれてしまった。
前級の<とわだ>型補給艦が基準排水量8100tであることを考えると驚くべきほど大型化しているのが分かる。海上自衛隊の任務の変化を象徴するような艦である。同型艦に<おうみ>がある。
注7―<サプライ>型高速戦闘支援艦
アメリカ海軍の補給艦。満載排水量は49000t。空母戦闘群の必要な物資を一通り搭載して25ノットの高速で艦隊に随伴できる。11隻が計画されたが冷戦終結の影響により4隻に削減された。
注8―<フォート・ヴィクトリア>型補給艦
イギリス海軍の補給艦。満載排水量36580tで2隻建造された。高い航空機運用能力が付与されていて大型ヘリコプター5機を収容可能な格納庫と2機同時の離着艦が可能でシーハリアーの離着艦にも耐える飛行甲板を装備していて、ヘリコプター作戦の拠点としても活動可能である。
(追加)2011/11/22
海軍の設定変更により駆逐艦の隻数、紹介文を改訂




