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登場兵器紹介 航空機編2

 今回はヘリコプター編です。と言っても、登場するのはみんな既存の機体ばかりですが…

神楽「というわけで、今回は航空機編2で劇中に登場するかもしれないヘリコプターを紹介します」

荻原「登場予定じゃなくて、登場するかもしれないですか…」

深海「まぁ、予定は未定ということで…」




カ3/T3Be 二二式多用途連絡機<イロコイ>

 陸軍及び海軍陸戦隊が使用する多用途強襲ヘリコプターであり、アメリカのUH-1をライセンス生産したものである。

 第二次世界大戦後、陸軍はアメリカからベル47やS-55といったヘリコプターを導入し、中共軍との戦闘に使用して、連絡や軽輸送、弾着観測といった任務において固定翼機以上の働きをすることを知った。また小規模ながらヘリボーン作戦を実行し、その威力を確認した。

 戦闘機や爆撃機を独立空軍へと送り出した陸軍航空隊はヘリコプターを主要装備とすることを決定し、主力となる新型機を求めた。そして注目を集めたのは米軍が配備を開始したUH-1汎用ヘリコプターであった。

 UH-1は中型ヘリコプターの決定版と言える機体で、使い勝手がよく、また従来の機体に比べて搭載量が向上して武装状態の1個分隊をそのまま運ぶことができた。陸軍は三式指揮連絡機の後継として1962年に制式化し、同年より国内でライセンス生産を開始した。国共内戦には間に合わなかったものの、高い性能を示して陸軍航空隊主力機の地位を確立した。

 1972年よりエンジンを強化した新型の配備を開始し、1975年には海軍も陸戦隊用にそれまで使用していたS-58対潜哨戒ヘリコプターの輸送型の後継として配備を開始した。

 改良はその後も順次続けられ、1991年には米国と共同開発した最新型の配備が開始される。エンジンを三五式襲撃機と同様のものに換装され、各種の新装備を搭載している。

 後継機の四八式多用途連絡機の配備が始まったものの、四八式は高価であるため、陸軍は二二式の調達を併行して行っている。現在は専ら師団飛行隊に配備され、連絡や軽輸送、負傷者の後送などに使用される。

 また揚陸艦の格納庫のスペースに制限がある海軍陸戦隊も二二式を今後とも使い続ける予定である。


カ3-1 初期量産型。

カ3-2/T2Hu-1 エンジン出力強化型。

カ3-3/T2Hu-2 現行量産型。三五式襲撃機と同じエンジンを装備。


神楽「とは言っても、戦闘機と違って完全なオリジナル機体はないのよね」

深海「まぁだいたい史実通りって感じだね。これはUH-1の帝國バージョンか」

神楽「カ3-1がUH-1B、カ3-2がUH-1H、カ3-3がUH-1J相当になります。兄貴が大連へのヘリボーン作戦に使っていた機体だね」

荻原「ヘリボーン作戦ってなんですか?」

深海「ヘリコプターを使っての攻撃作戦のことだね。通常、陸軍部隊が前進する場合は自動車なり徒歩なり陸路を使う。でも、その場合は道によって行動が制限されるし、待ち伏せも容易い。それにスピードも速くない」

神楽「そこで考案されたのがヘリボーン作戦ね。ヘリコプターを使うことで地形や道の影響を受けず、素早く部隊を移動させることができる。空中だと待ち伏せも難しいしね」

深海「敵の前線部隊を避けて、後方に直接部隊を下ろすこともできるのもヘリボーン作戦の魅力だ。ヒット・アンド・アウェイの奇襲戦法こそがヘリボーンの真髄だ」

神楽「ただ移動や補給を全てヘリコプターに頼るから、あまり重装備を使えないのが欠点ね。戦車とか装甲車とか・・・」

深海「そういう意味でも奇襲戦法が重要なのさ」

荻原「なるほど」




カ4/L12Va 二五式輸送機

 陸海空の三軍で使われる大型輸送ヘリコプターで、アメリカのV-107(CH-46)を国内でライセンス生産したものである。前後に並んだ2つのメインローターを持つタンデム型ヘリコプター。

 まず1962年に海軍が空母への物資輸送機及び機雷掃海機として導入したのに始まり、1965年には陸軍に大型輸送ヘリコプターとして採用され、さらに1967年には空軍が航空救難機として導入した。陸空軍ではバートル、海軍ではシーナイトの愛称で親しまれている。

 1972年にはエンジンを換装した出力強化型の導入が開始され、皇軍の主力大型ヘリコプターとして長年に渡り使われていたが、後継機の登場により数を減らしつつあり、21世紀の初頭には完全に退役すると見られている。

 なお海軍が導入した時点で空海軍共通機種記号においてヘリコプターの規定はなく―1964年にTを付与することを決定―、Lをあてがって輸送機として扱われた。


L12Va-1 海軍の貨物輸送型。退役済み。

L12Va-M 海軍の機雷掃海型。退役済み。

L12Va-S 空軍の救難型。退役済み。

カ4-1 陸軍の人員/貨物輸送型。退役済み。

カ4-2/L12Va-2 人員/貨物輸送型。エンジンを換装。

L12Va-S2 上の救難仕様。


深海「次はバートルですか。こっちは自衛隊では姿を消した機体だね」

神楽「2000年時点なら自衛隊でも使っていたでしょ!ちなみに海軍では当初は輸送機扱い」

深海「海軍の場合、UH-1よりこっちを先に導入したんだね」




カ5/T2Hu 二九式観測機<カイユース>

 陸軍及び海軍で偵察、弾着観測及びヘリコプター搭乗員養成に使われるヘリコプターで、アメリカのOH-6をライセンス生産したものである。

 小型で運動性能は高く、また偵察だけでなく連絡や軽輸送にも使える汎用性を持つ。

 陸軍は主力偵察ヘリの座は四二式に譲ったものの、1980年より海軍陸戦隊ではエンジン出力を強化したT2Hu-2型を配備し、後に赤外線センサーを搭載して外付けの対水上レーダーを装備できるように改修された。陸軍も訓練及び特殊作戦用にT2Hu-2型と同様の機体を少数導入している。


カ5-1/T2Hu-1 初期量産型。OH-6A相当

カ5-2/T2Hu-2 エンジン出力強化型。OH-6D相当

カ5-3 カ5-2を改良した特殊作戦用。


神楽「今度は小型ヘリコプターの傑作ね。陸軍の偵察ヘリコプターがカイオワに移行しちゃったから、影が薄いけど」

深海「でも海軍陸戦隊じゃ、偵察ヘリの主力として頑張っているよね。劇中にも登場したし」

荻原「大連に向かう中国陸軍部隊を発見するシーンですね」




カ7/T4Be 三五式襲撃機<コブラ>

 兵装

  20ミリ機関砲

  TOW対戦車ミサイル、ヘルファイア対戦車ミサイル、ロケット弾


 陸軍及び海軍陸戦隊が地上部隊に航空支援を行なうために運用している攻撃ヘリコプターである。アメリカ軍のAH-1F攻撃ヘリコプターを国内でライセンス生産したものである。

 機首下部には3連装20ミリバルカン砲を装備し、機体側面のスタブウイングに兵装ステーションが4箇所あり、TOWミサイル4連装ランチャーか19連装ロケット弾ポッドを装備可能である。

 1978年より陸軍が配備を開始し、1990年より改良型になり、夜間作戦能力が向上するとともにヘルファイア対戦車ミサイルの運用が可能になった。それ以前の生産機も順次、同様の仕様に改良された。海軍も1984年から89年の間に20機を導入している。

 陸軍では方面軍飛行旅団の襲撃機大隊に、海軍では第510航空隊に配備されている。陸軍の機体は初期に配備した機体の更新時期が迫っているために、後継機としてアメリカ製のAH-64をライセンス生産したものを五八式襲撃機として制式採用した。


深海「今度は攻撃ヘリコプター。帝國陸軍では襲撃機の後継という扱いなのか…」

荻原「襲撃機ってなんですか?」

神楽「戦前の帝國陸軍が使ってた航空機の一種で、主に前線で敵の地上部隊を攻撃するのに使う機体」

深海「まぁ、確かに相応しい呼び方かもしれないけどな」




カ8 四二式観測機/直接協同偵察機<カイオワ>

 兵装:M2重機関銃(甲型)

    M2重機関銃、TOW、ヘルファイア、スティンガー (乙型)


 二九式観測機(OH-6)の後継観測ヘリコプターとして1982年に採用され、翌年より配備が開始された。アメリカ陸軍のOH-58を国内でライセンス生産したものである。

 二九式観測機後継機種として、500MDを基にした二九式改とOH-58Aの日本版、リンクスの日本版の中から選考することとされ、結果的にOH-58Aを選択した。理由は、米軍と消耗部品を共通化できるのと発展性があるというものであった。事実、アメリカではAHIP計画が進行中で1983年にOH-58Dが初飛行している。

 1983年よりOH-58Aを四二式甲として配備され、各師団の師団飛行隊に配備された。1990年より発動機と索敵システムをOH-58D相当に改良した乙型の配備が開始された。また同年から本機の類別が観測機から直接協同偵察機へと変更された。

 甲型は観測手段が目視頼りで、武装も自衛用の機関銃のみであったが、乙型は赤外線前方監視装置、レーザー測距・照準器などを備えたセンサーポッドをローター上に搭載しており、昼夜関係なく全天候下で活動できる。また各種対戦車ミサイルやロケット弾の搭載能力を持っており、軽攻撃ヘリコプターとしても活動可能である他、他機の発射したヘルファイア対戦車ミサイルやレーザー誘導爆弾の誘導もできる。

 ただ甲型が乗員2名の他に2名の搭乗スペースがあり軽輸送にも使用できたのに対して、乙型は偵察・攻撃に特化しており汎用性を失っている。


カ8-1 甲型。OH-58A相当。

カ8-2 乙型。OH-58D相当。


神楽「そして史実とは異なる唯一のオリジナル要素かもね。これは」

深海「アメリカ陸軍の主力偵察ヘリコプターOH-58カイオワの日本版ってわけだ」

神楽「ちなみに、これの後継として開発されていたのが有名なステルスヘリコプターARH-66コマンチ。だけど開発中止になっちゃった」

荻原「劇中だと、アメリカが配備を開始してましたよね」

深海「そして、コマンチの代替として廉価なARH―70偵察ヘリコプターの開発を進めていたけど、そっちも中止。米軍は今後もしばらくはOH-58を使う予定」

荻原「大丈夫なんでしょうかね?」

神楽「ARH-70は日韓大戦に出したかったらしいけどね…」




カ9/T5Bo 四四式輸送機<チヌーク>

 アメリカの大型輸送ヘリコプターCH-47チヌークを国内でライセンス生産したものである。積載能力は兵員なら55名以上、貨物なら8t以上になる。

 陸軍では各方面軍飛行旅団に配備し、方面軍間の輸送や空中機動作戦に使われる。空軍では航空支援空軍に配備され、僻地のレーダーサイトへの補給や救難活動、さらに特殊作戦の支援に使われている。

 1995年からアビオニクスを改良し、航続距離を伸ばした新型の配備が始まった。


T5Bo-1/カ9 初期型

T5Bo-M 特殊作戦用

T5Bo-2/カ9-2型 航続距離の延長した改良型


神楽「これはバートルと同じタンデム型の大型輸送ヘリコプターね。スペックはかなり向上してる」

深海「実は開発年度はバートルと大して変わらないのだけど…バートルで満足しちゃってチヌークの導入が遅れたってのは自衛隊と同じか…」

神楽「昔は貧乏だったからね。現在も生産中なり」




カ10/T6S 四八式多用途連絡機<ブラックホーク>

 陸海空軍が配備が進めている多用途ヘリコプターで、アメリカのUH-60ブラックホーク強襲ヘリコプターをライセンス生産したものである。

 まず空軍は1985年にL12Va-S(バートル)救難機の後継として航空救難隊に配備を開始した。陸軍も1988年に二二式多用途連絡機(UH-1)の後継である強襲ヘリコプターとして配備を行い、海軍は1991年から対潜哨戒機仕様のT6S-Qシーホークの導入を開始した。

 二二式に比べると搭載量、後続距離とともに大きく向上しており、陸軍では離島の多い九州、沖縄方面の部隊や、緊急展開部隊である挺身集団から配備が開始されている。

 その反面、高価であり陸軍ではより安価な二二式と併行して配備を進め、海軍陸戦隊では艦上における格納スペースの確保の問題もあり引き続き二二式のみを配備していく方針である。


カ10 陸軍強襲型。

T6S-S 航空救難型。空海軍が配備。

T6S-Q 対潜哨戒型。海軍が配備。

カ10-2/T6S-S2 特殊作戦型。陸空軍が配備。


神楽「そしてお馴染みのブラックホークですよ」

荻原「あぁ映画にもなってましたね」

深海「派生型も多いし、ヘリコプター史に残る傑作機だね。有名なのは対潜哨戒型で海上自衛隊にも配備されているSH-60シーホーク」

神楽「そっちの方は後述で」

荻原「でも高価で配備が進まないんですか?」

深海「帝國でも史実の自衛隊でもね。それでUH―1とのハイローミックスってわけだ」




カ11/T8Ka 五七式直接協同偵察機<忍>

 兵装:兵装ステーション×4

     連装五一式AAMランチャー

     ロケットポッド

     連装ヘルファイア対戦車誘導弾ランチャー

     増槽


 四二式直接協同偵察機の後継として配備された純国産の偵察用ヘリコプター。

 四二式のものと改良したセンサーシステムをコクピットの後ろ、ローター基部の前に搭載しており、昼夜問わず全天候下で偵察活動が行なえ、また他機が発射したレーザー誘導兵器の照準も行なえる。

 機動力に優れ、宙返りなどアクロバティックな運動が可能である。また操縦桿から手を離した状態でも安定してホバリングが可能であるなど空中静止能力も高い。

 機体の両側面に備えられたスタブウイングには左右に各2箇所、合計4箇所の兵装ステーションがあり、各種ミサイルや増槽を搭載でき、軽攻撃ヘリコプターとしても行動可能である。その為、海軍ではT2Huカイユース観測ヘリコプター―OH-6の日本海軍版―だけでなくT4Beコブラ攻撃ヘリコプター―AH-1の日本海軍版―の後継も兼ねる。


深海「これは史実のOH-1の帝國版ってことか」

荻原「OH-1の方は日韓大戦にも出てましたよね。ちょっとですが」

神楽「ちなみにこちらは史実のOH-1に比べると、最初からより高出力のエンジンを装備して、それなりの武装ができる。ヘルファイアーとか」

荻原「OH-1の方はどうなんですか?」

深海「OH-1の武装は基本的に自衛用の空対空ミサイルだけだからね。こっちは史実よりかなり強力な機体と言えるね」

神楽「それで師団飛行隊への配備を目指しています。OH-1の方は?」

深海「対戦車ヘリコプター隊の指揮官機を更新できるかって程度だね。師団飛行隊の更新まで進めるかどうかorz」

荻原「自衛隊は大変ですね」

深海「そういえば…四二式乙がOH-58D相当ってことは、帝國陸軍は師団単位で戦闘ヘリコプター保有してるのか!」

神楽「まぁ、あくまでも“軽攻撃”だけどね」

深海「羨ましすぎる!」




カ12 五八式襲撃機<ロングボウアパッチ>

 兵装:30ミリ機関砲、兵装ステーション×6(ただし両端は空対空ミサイルのみ)

    ヘルファイア対戦車ミサイル、ロケット弾、空対空ミサイル

 陸軍が三五式襲撃機(AH-1コブラ)の後継として導入を開始した攻撃ヘリコプターで、アメリカのAH-64Dをライセンス生産したものである。

 三五式に比べると攻撃力、防御力、アヴィオニクスなどあらゆる面で上回る機体であり、特に機体上部に備えられたロングボウレーダーは精密な観測が可能で、攻撃手順の大幅な自動化や新型ヘルファイアミサイルによる撃ちっ放し攻撃が可能になった。

 武装は機首下部の30ミリチェーンガンを装備し、機体側面のスタブウイングに左右3箇所ずつ設けられた兵装ステーションに各種ミサイル、ロケット弾を装備可能である。ただしスタブウイングの左右の端のステーションは空対空ミサイル専用で、スティンガーミサイルもしくは五一式携帯地対空誘導弾の空対空バージョンを装備する。

 1998年に米国より2機を導入し、翌年よりライセンス生産を開始した。2000年10月時点で10機が陸軍に配備されている。


深海「コブラの後継にアパッチ導入ってのも史実と同じだね。配備数は史実通りじゃないんだけど…」

荻原「あのぉ。なんだか深海さんが怖いです(小声)」

神楽「自衛隊だと10機で配備終了、そのせいで1機百億円以上に高騰。って酷い有様だもんね。一応、調達再開したけど、今後どうなることやら(小声)」

深海「時期的にはデータリンクシステムに対応していないブロックI型か。ちなみに自衛隊が導入したのはブロックII型で、アメリカがブロックIII型へ移行して部品を調達できなくなったのが調達終了の原因らしい」

神楽「武器の調達を他国に頼るといろいろと問題が生じるって一例だね」

深海「帝國バージョンは日本独自の空対空ミサイルが搭載できるあたり、史実の自衛隊向けアパッチみたいにいろいろと制限がきついわけではなさそうだね」

神楽「こっちはまだまだ冷戦中だからね。アメリカもいろいろとサービスしてくれるよ」




T1S-Q<シーキング>

 帝國海軍が艦載対潜ヘリコプターとして導入した大型ヘリコプターで、アメリカのSH-3シーキング対潜ヘリコプターをライセンス生産したものである。

 従来の機体がソナーを装備した捜索機と、魚雷を搭載した攻撃機に分かれてのハンターキラー戦術を使っていたのに対し、シーキングは機体から吊り下げるディッピングソナーと対潜魚雷の双方を装備することができ、1機で捜索と攻撃の両方をこなすことができるようになり、少数の機体で対潜作戦を効率的に行なえるようになった。

 当初は正規空母やコマンド空母に搭載する対潜哨戒機として導入され、Q6G-アメリカのS-2トラッカー艦上対潜哨戒機のライセンス生産機―とともに空母機動部隊の対潜の要となった。その後、陸上航空隊にも配備される。

 また1965年に策定された第一次国防力整備計画では対潜部隊の大型駆逐艦に艦載対潜ヘリコプターを載せることが決定された。最初はSH-2シースプライトのような小型ヘリコプターの搭載が考えられたが、カナダ海軍の実績からシーキングの駆逐艦搭載が可能であることが実証され、山雲型以降の駆逐艦に艦載機として搭載された。

 1979年から導入が開始された改良型のT1S-Q3では対潜システムが一新され、最新のコンピューターと投下式のソノブイが搭載された。

 後継機のT6S-Q哨戒機の配備が開始され退役が進んでいる。艦載部隊から姿を消し、一部の陸上航空部隊に残るのみである。

 

T1S-Q 対潜哨戒型。全機退役済み。

T1S-Q2 上の改良型。エンジン出力を強化。

T1S-Q3 上の改良型。新型の対潜システムを装備。陸上機のみ現役

T1S-L 輸送型。砕氷艦に装備し、南極観測支援を行なう

T1S-S 救難型。T6S-Sに更新中。


深海「次からは海軍機の紹介だね。これは史実のHSS-2の帝國版か」

荻原「対潜哨戒機ですか」

神楽「もともとはアメリカ海軍が空母に搭載する為に開発した機体で、かなり大型のヘリコプターね」

萩原「でも、駆逐艦にも搭載しているんですよね」

深海「日本とカナダはね。アメリカはSH-2という小型ヘリコプターを開発して搭載している。HSS-2は大きすぎるから」

神楽「LAMPSと言うんだ。軽空中多目的システムの略だよ」

荻原「日本とカナダって思い切ったことをしたんですね」




T6S-Q<シーホーク>

 長年に渡って帝國海軍において主力対潜ヘリコプターとして使われたT1S(シーキング)の後継機として導入された新型対潜ヘリコプターで、アメリカのSH-60シーホークをライセンス生産したものである。

 日本独自の改良が施され、アメリカでは空母搭載機はディッピングソナーのみを装備し、水上戦闘艦搭載機はソノブイのみを装備するという使い分けが行われているが、日本型ではディッピングソナー及びソノブイの双方を装備し、能力を強化している。

 1991年より艦載対潜哨戒機の主力として配備が開始され、2000年時点で空母部隊及び水上艦部隊への配備を完了した。主任務の対潜哨戒の他、輸送や救難など多様な任務に使用される。

 現在、後継機となる改良型の開発が進められている。


深海「そしてHSS-2の後継がSH-60シーホーク。史実の海上自衛隊やアメリカ海軍でも対潜ヘリコプターの主力を務めている」

神楽「アメリカ海軍ではSH-2の後継であるLAMPS機で、ソノブイ装備のSH-60B。それとHSS-2の後継で空母艦載機としてディッピングソナーを装備するSH-60F。この2機種を配備した」

荻原「ソノブイ…ディッピングソナー…」

深海「ソノブイはソナーとブイを組み合わせた造語で、空中の機体から投下して、海に浮かべて使うソナーだ。P-3Cのような固定翼哨戒機でも使われる」

神楽「複数のソノブイを投下して、網を張り、広い範囲を捜索できるのが特徴ね。艦隊の外周の広い範囲を警戒するLAMPSにはもってこいの装備ね」

深海「ディッピングソナーは機体からワイヤーで吊り下げて海中に垂らすタイプのソナーだ。専ら対潜哨戒ヘリコプターで使われる」

神楽「まぁホバリングできない固定翼機がワイヤーでソナーを海に垂らすなんて自殺行為だしね」

深海「ただ、1つ例外がある。海上自衛隊の哨戒飛行艇PS-1だ。着水して機体の底から海中にソナーを下ろすという飛行艇ならではの戦法を使うんだ」

荻原「なるほど」

神楽「さて、肝心のディッピングソナーだけど、ソノブイほど広い範囲を捜索できないけど精密な観測ができるのが特徴」

深海「空母艦載機は空母の直衛として比較的狭い範囲で活動するからね。そして敵を見つければ、空母を守る為にただちに攻撃をしなければならない」

荻原「ようするに状況に合わせてソナーを使い分けているんですね」

神楽「そうだね。日本以外のシーホーク採用国でも、ディッピングソナーかソノブイのどちらかを選択しているようだけど、日本の場合は両方を装備している」

深海「それは史実の自衛隊でも同じ。海上自衛隊のSH-60Jでもソノブイとディッピングソナーの双方を使っている。いかに自衛隊が対潜に力をいれているかが分かるね」




T7S スーパースタリオン

 海軍で輸送機及び機雷掃海機として使われる大型ヘリコプターで、アメリカのCH-53Eスーパースタリオンをライセンス生産したものである。老朽化したL12Va(CH-46)の後継として1989年より導入された。

 スーパースタリオンは西側最大のヘリコプターであり、貨物の搭載量は13t以上であり、武装状態の兵士37名を一度に運ぶことができる。


T7S 貨物/人員輸送型。

T7S-M 機雷掃海型。


神楽「いよいよ最後か…今度はアメリカのスーパースタリオンの日本版だね」

深海「西側最大のヘリコプター。史実の自衛隊でも機雷掃海ヘリコプターとして採用されているけど、帝國海軍の場合は海軍陸戦隊の輸送用にも採用しているのか」

荻原「西側以外だと、もっとでかいのがあるんですか?」

神楽「現役で最大なのは旧ソ連製のMi-26ヘリコプターね。ペイロードは20t以上。50人以上の人間が乗れるよ」

深海「歴史を通じて最大なのは、やはり旧ソ連製のMi-12。こっちは44tの荷物を乗せて2000メートルほど上昇した記録がある。まぁ試作機止まりで実用化されなかったけど」

荻原「凄いんですね」

 次回は陸軍地位向上委員会に復帰できるといいなぁ

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