登場兵器紹介 艦艇編5
神楽「ここでコーヒーブレイク」
深海「今度は兵器紹介か…」
神楽「本編未登場の駆逐艦、海防艦を紹介します」
松型駆逐艦
基準排水量:2300t
兵装
連装3インチ高角砲Mk33×2
40ミリ機関砲×1(後に撤去)
ボフォース対潜ロケット×1
8連装アスロックランチャーMk16×1
二〇式空中水雷発射筒×4
3連装短魚雷発射管×2
20ミリCIWSファランクス×1(40ミリ機関砲と換装)
昭和40年代に連合艦隊水雷部隊の主力艦として建造された対潜駆逐艦である。
第一次国防力整備計画では対潜ヘリコプターを搭載して索敵、指揮を行う大型駆逐艦1隻と攻撃を行うアスロック搭載の中型駆逐艦2隻で1つの対潜チームを編制することが計画され、本艦はアスロック搭載艦に該当する。
海軍で初めてアスロック対潜ミサイルを装備した艦であり、攻撃可能な範囲は従来艦に比べると大きく広がった。また<萱>以降の艦には変温層より下に隠れる潜水艦を探知できるVDSを装備しており、索敵能力も向上している。
ヘリコプター搭載艦である夕雲型8隻とチームを組むために16隻の建造が計画されたが、オイルショックの影響により2隻削減され、不足分は旧式艦の近代化回収で補うことになった。
後に連合艦隊水雷部隊はアスロックとヘリコプターの双方を搭載する汎用駆逐艦を主力とする方針が決まり、昭和50年代後半から60年代にかけて後継艦が建造されると、松型は鎮守府艦隊に移籍して沿岸防衛部隊に配備されることになった。
与那国型海防艦の就役により退役しつつあるが、2000年1月時点でも9艦が海軍に配備されている。そのうち最終2艦は1980年代末に練習艦へと類別を変更した。
松 /1965 /1993年退役
竹 /1966 /1993年退役
梅 /1966 /1995年退役
桜 /1967 /1997年退役
杉 /1967 /1999年退役
樅 /1968 /横須賀防備戦隊、2000年退役予定
楡 /1968 /横須賀防備戦隊、2000年退役予定
樫 /1969 /横須賀防備戦隊
萱 /1970 /舞鶴防備戦隊
楢 /1971 /舞鶴防備戦隊
檜 /1973 /舞鶴防備戦隊
欅 /1975 /舞鶴防備戦隊
楠 /1976 /練習艦に類別変更
楡 /1979 /練習艦に類別変更
深海「スペック的には海上自衛隊の<やまぐも>型あたりに近いのかな?対艦ミサイルを載せているけど」
神楽「後述の山雲型とハイロー・ミックスで運用される予定だったけど、結局は汎用駆逐艦に主力艦の座を奪われて、鎮守府艦隊落ち」
荻原「でも山雲型より長生きですね」
神楽「鎮守府艦隊よりも主力艦隊の方が重視されがちだからね」
山雲型駆逐艦
排水量(基準/満載):3000t/4500t
兵装
八九式12.7センチ単装高角砲×1
40ミリ単装機関砲×2(後に撤去)
ボフォース対潜ロケット(後に撤去)
3連装短魚雷発射管×2
二〇式空中水雷発射筒×4(後に撤去)
対潜ヘリコプター×1
8連装シースパロー対空ミサイル発射機(近代化改修時に装備)
20ミリCIWSファランクス×2(近代化改修時に装備)
ハープーン四連装発射筒×2(近代化改修時に装備)
1960年代、海軍は日米同盟締結と兵部省設置にともなう陸海空軍の統合計画たる第一次国防力整備計画により従来までの対米戦重視から対ソへ転換した。そして主要目標をアメリカ水上艦隊から質量ともに増強をしつづけるソ連潜水艦隊としたのである。
海軍は連合艦隊の対潜海軍化を図り、強力な対潜掃討グループの編制を考案した。それは支那内戦後の予算増を抑制された中で数量を揃えるためにハイローミックスによる作戦グループであった。ハイにあたるのはヘリコプターと高性能ソナーを装備した大型駆逐艦で作戦グループの目であり対潜作戦の司令塔となる。ローはアスロック対潜ミサイルを装備した中型駆逐艦で攻撃を担当する。山雲型はそのハイに相当する艦として建造された。
特徴は駆逐艦クラスとして始めてヘリコプターを搭載したことである。カナダ海軍のサン・ローラン級駆逐艦を見本にしており、同国のベアトラップ着艦拘束装置も導入された。艦後部にT1S-Qシーキングを1収納できる格納庫と飛行甲板を装備し、海軍の艦載ヘリコプター運用の先鞭をつけた。
艦首大型ソナーの他、艦尾にVDSを装備しており、変温層より下に隠れている敵潜水艦も探知できる。
1980年代には近代化改修が実施されてボフォース対潜ロケットと40ミリ機関砲、二〇式空雷発射筒を撤去し、代わりに個艦防空用シースパロー短SAM、20ミリCIWSファランクス、ハープーン対艦ミサイルを装備した。またVDSはTACTASSに換装している。
夕霧型駆逐艦とともに艦隊の主力を担っていたが、後継の五月雨型駆逐艦と交代して退役が進んでいる。
山雲 /1970 /1998年退役、タイ海軍に輸出
巻雲 /1971 /1998年退役、タイ海軍に輸出
秋雲 /1972 /1999年退役
峯雲 /1973 /1999年退役
夕雲 /1974 /1995年、練習艦に類別変更
東雲 /1975 /第三駆逐隊
群雲 /1976 /第一一駆逐隊
雨雲 /1977 /第三駆逐隊
神楽「で、こちらがハイローのハイ」
深海「立ち位置的には海自のDDHなんだろうけど、船体そのものは汎用護衛艦からアスロックを下ろしたみたいな感じだね」
神楽「まぁ帝國海軍は空母持ってるから、駆逐艦に3機とか無茶なことはしなくてもいいんだね」
深海「羨ましいかぎりだ」
黒潮型ミサイル駆逐艦
基準排水量:3100t
兵装
九八式10センチ連装高角砲×2
二六式連装SAM発射機×1(雛菊×30or石楠花×30)
八連装アスロックランチャー×1
四〇粍機関砲×2
三連装短魚雷発射筒×2
黒潮は日本海軍が初めて保有した本格的ミサイル駆逐艦である。既に秋月級駆逐艦や防空巡洋艦の一部が<奮龍>改型対空ミサイルを装備していたが、限定的な能力しか有していなかった。そこで1960年代に米国のチャールズ・F・アダムス級を模範とした本格的防空ミサイル艦の開発が始まった。かくして日本初の本格的艦載防空ミサイルである二六式<雛菊>が装備した黒潮は、1966年に進水、1967年に就役した。
二六式艦対空誘導弾は<奮龍>と同様にビームライディング方式を採用している。これは電子ビームを目標へと照射し、ミサイルのセンサーがビームを探知してミサイルをそれに沿って飛行させるというものである。構造は簡単であるが、遠距離の目標に対する命中率が低いという欠点があった。
その後、レーダー波を目標に照射して反射を捉えて追尾するセミ・アクティブセンサー方式を採用した高性能な防空ミサイル<石楠花>が登場した。その為に<石楠花>システムと搭載する新型艦を開発することになったが、統合戦闘システムやオールドガスタービンなど様々な新機軸を採用したこともあり開発が遅れ、中継ぎとして<石楠花>を装備した改黒潮型が追加建造され、また<雛菊>搭載艦も順次、石楠花に換装された。
黒潮 /1967 /1989退役、韓国海軍へ売却、元山
親潮 /1968 /1989退役、韓国海軍へ売却、南浦
灘潮 /1969 /1997退役、2000年3月除籍
巻潮 /1970 /1998退役
渦潮 /1971 /1999退役
満潮 /1972 /1995年に練習艦へ類別変更
鳴潮 /1973 /1996年に練習艦へ類別変更
後期型
雨露 /1975 /2000/3退役
朝露 /1977 /第5艦隊
白露 /1978 /第56駆逐隊
霞 /1978 /第1艦隊
霰 /1979 /第1艦隊
神楽「帝國海軍第一世代ミサイル防空駆逐艦なり」
深海「登場が遅い気がするが。自衛隊の<あまつかぜ>が1966年就役だっと思うが」
神楽「そりゃ米英に比べれば遅いけど、フランスのシュフラン級と同年で、ドイツよりは早い」
深海「ドイツは陸軍国だけどな」
菅島型海防艦
全長:95メートル
基準排水量:1500t
機関:ディーゼル×4
兵装
連装3インチ高角砲Mk33×1
40ミリ機関砲×1
8連装アスロックランチャー×1
3連装短魚雷発射筒×2
菅島型海防艦は1970年代に建造された対潜艦艇である。新型海防艦が就役したのは実に25年ぶりのことであった。
1500tの小型艦でありながらアスロック対潜ミサイルやVDSを装備するなど充実した対潜能力を誇る。
当初は20隻程度の建造を予定していたが、石油危機に伴う経済危機により建造数を削減され、最終的には10隻が就役した。
西暦2000年現在、退役時期が迫っており、新型海防艦に代替されることになるであろう。
菅島 /1973 /佐世保防備戦隊
竹島 /1974 /佐世保防備戦隊
青島 /1974 /佐世保防備戦隊
初島 /1975 /佐世保防備戦隊
篠島 /1975 /横須賀防備戦隊
角島 /1976 /横須賀防備戦隊
沼島 /1977 /横須賀防備戦隊
向島 /1978 /横須賀防備戦隊
柱島 /1979 /呉防備戦隊
姫島 /1979 /呉防備戦隊
深海「最後は沿岸防衛用の海防艦か。モデルは<ちくご>型護衛艦?」
神楽「そんなところ」
荻原「今日は旧式艦ばかりですね」
深海「船が長く使うからね。下手すると40年くらい」
神楽「発展途上国だと、ちょっと前まで第二次大戦時の艦が現役だったりしたからね」
深海「台湾のギアリング級とか気合の入った改装をしていたものさ」
神楽「自衛隊も予算が減らされる方針の中で隻数維持のために寿命延長をしていく方針だからね」
深海「艦齢30年オーバーばかりになりそうだ」
荻原「大変なんですね」
これで劇中の帝國海軍が保有する大型水上戦闘艦はコンプリート