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登場兵器紹介 艦艇編4

神楽「さぁて。今回は大連上陸作戦に登場する艦艇の紹介よ」


大鷲級

全長:284m

満載排水量:4万9800t

乗員:2600人

兵装

 20ミリCIWSファランクス×4

 短距離対空誘導弾八連装発射機×2

  RIM-7シースパロー×32(即応16発、予備16発)

 蒸気射出機(スチームカタパルト)×2

搭載航空機(2000年時)

 A14M旋風×20(最大36)

 T6S-Q(SH-60シーホーク)×4

 Q5G-U(E-1トレイサー)×2


 帝国海軍最後の通常動力空母である。

 1960年代、日本海軍空母機動部隊の主力は大戦期に建造された大鳳と戦後に建造された改大鳳型の3万トン級空母であった。しかし艦載機の大型化が進み3万トン級空母では手狭になりつつあった。次世代艦上戦闘機としてA14D(F-4ファントム)戦闘機の採用を決定した帝国海軍は同機を運用可能な大型空母の建造を決定した。それが大鷲級である。同艦は最大で30機のA14DとQ5G(S-2トラッカー)哨戒機4機が運用可能であった。

 一番艦の大鷲は1969年に、二番艦の天鷲の天鷲は1975年に就役し、1980年頃には三番艦が就役を予定していたが、オイルショックにより建造中止となった。

 カタパルトの能力やアングルデッキの長さの関係でE-2Cを運用できない為、艦載早期警戒機として固定翼対潜哨戒機Q5Gを改造したものを搭載している。ただし新型カタパルトの開発成功により天鷲はE-2C対応艦に改修予定。

 大鷲は湾岸戦争にも派遣されて輝かしい戦果をあげたが就役から30年以上が経ち、老朽化が進んでいる。代替艦計画が進められており2000年代後半には退役する予定である。

大鷲      /1969年   /第一航空艦隊

天鷲      /1975年   /第一航空艦隊


深海「通常動力空母か」

神楽「特に語るべき点はないね」

荻原「はい」




大隅型揚陸母艦

全長:210m

排水量:21000t(満載)

兵装

 20粍高性能機関砲(ファランクスCIWS)×2

 LCAC×2orLCU×1

積載能力

 人員約800名、戦車1個中隊(14輌)、装甲車両20輌、105ミリ野砲8門、中型ヘリ(CH-53クラス)2機、その他車両を同時に積載可能


 帝国海軍の保有するドッグ型揚陸艦。海軍陸戦隊1個大隊分の兵員、装備、物資を輸送する能力を有する。また短時間ならば1200人ほどの人員を輸送可能である。後部に飛行甲板を有し、ヘリコプターの離着艦が可能であるが、整備能力には限界がある。

 25メートル浮航運貨艇(LCAC)を2隻、もしくは40メートル特運貨艇―陸軍の超大発動艇(LCU)―を1隻搭載することができる。

 同艦は三隻建造され、第42戦隊は編成された。揚陸母艦は帝國海軍における狭義の軍艦に含まれ、艦長は大佐であり艦首には菊の御紋が備えられている。

大隈      /1993

下北      /1997

国東      /1997


深海「揚陸艦か」

神楽「いわゆるドック型揚陸艦ね」

荻原「ドック型揚陸艦?」

深海「簡単に言えば艦内にウェルドックがある揚陸艦のことだ」

荻原「ドックですか?」

神楽「ドックとは簡単に言えば船を造ったり、修理をしたりするところ。船が入ると外とは隔離されて水を抜くことができる」

深海「ウェルドックも同様に普段は普通の格納庫だけど、作戦時には水を入れてそこから船を発進させることができるんだ」

荻原「船を発進させるというと?」

神楽「揚陸艇ね。陸地に乗り上げて兵士や車輌を上陸させるための船よ」

深海「陸地に乗り上げるための船だから小型で船底は平らで喫水も浅い。だから航行能力が低く、外洋を長期間航海するには向いていない」

荻原「だから揚陸艦に載せて運ぶんですね!ところで帝國海軍における狭義の軍艦ってどういう意味ですか?」

神楽「それは後述」




栗駒型打撃巡洋艦

兵装

 三年式15.5糎連装砲×2

 八連装アスロックランチャー×1

 四連装誘導弾発射管(百合or沈丁花)×4

 二六式連装SAM発射機(石楠花)×1

 三連装短魚雷発射管×2

 二〇粍高性能機関砲×2

 艦載機×2


 栗駒型は帝國海軍が大戦型巡洋艦の後継艦として建造した巡洋艦である。ソ連水上艦隊の強化に対抗するため、火砲のみならず多数の誘導弾を装備して対艦攻撃能力を強化したのが特徴である。

 帝國海軍は欧米列国海軍と異なり大戦後も大型砲装備の巡洋艦の配備を継続した。日本は島国であるものの大陸に近く、しかも対岸を仮想敵国が占めているという状況である故に多数の小型艦による着上陸戦が想定され、それに対しては高価な誘導弾や航空攻撃よりも艦砲射撃が効果的であり、また陸戦隊の支援にも有用であると考えられたからである。

 その巡洋艦の後継として建造された栗駒型も現代の水上艦としては破格の15.5センチ連装砲を2基装備して、大和型戦艦とともに水上火力の根幹を担う。

 また帝國海軍の第二世代艦隊防空ミサイルである石楠花を装備し、防空艦としての能力も備えている。

 建艦当初はソ連軍の戦艦に対抗する為、8発の戦術核ミサイルが装備された。当時は通常炸薬の対艦ミサイルでは戦艦の装甲を貫けないと考えられていた他、極東ソ連海軍基地への強襲作戦が想定されたと言われている。1990年代になってから撤去され代わりに国産対艦ミサイルもしくは対地ミサイルが装備された。

 本来なら1980年までに4艦揃う予定であったが、石油危機の為に遅れ、最終艦<妙高>の就役は1984年になってからだった。

栗駒      /1976     /第1艦隊第2戦隊

穂高      /1979     /第1艦隊第2戦隊

阿蘇      /1981     /第1艦隊第3戦隊

妙高      /1984     /第1艦隊第3戦隊


神楽「またの名を“大艦巨砲主義者最後の悪あがき”」

深海「わお。言い切った(笑)」

荻原「でも、ちゃんとした理由があって配備されているんですよね」

神楽「作者が必死こいて考えた設定よ。口だけでも褒めてあげましょう」

深海「戦後海軍の在り方について設定が二転三転したこともあって苦労したらしい」

荻原「そう言えば兵器紹介艦艇編1で言っていた15.5センチ砲搭載艦ってこれですか?」

神楽「えぇ、その通り」




淡路級海防艦

全長:110m

乗員:120人

基準排水量:2300t

機関:ディーゼル×2 ガスタービン×2

兵装

 76ミリ単装速射砲×1

 八連装アスロックランチャー×1

 八連装シースパローランチャー×1

 20ミリCIWS×1

 三連装短魚雷発射筒×2


 1980年代に建造された対潜艦艇。海防艦としては初めて自衛用に対空ミサイルを装備した。また格納庫は無いものの、後部甲板にヘリコプターの着艦スペースを有する。淡路級が大量建造されるまで鎮守府艦隊は旧式化した駆逐艦や第二次大戦型の海防艦が主力になっており、本級の登場により鎮守府艦隊の近代化がようやく為された。

 対潜戦闘を重視しており、対潜ミサイルであるアスロックを主要装備としている。ソナーとしては浅瀬での探知能力が高い中周波ソナーを艦首に装備し、さらに艦尾に遠距離探知能力が高い曳航式ソナーを搭載して相互補完して対潜戦闘を行なう。淡路級は曳航式ソナーを最初に装備した帝國海軍艦艇で、1985年就役の天売、三宅に初めて装備され、以降の艦に標準搭載され、またそれ以前の艦にも後日搭載された。


淡路      /1980 呉防備戦隊

宮古      /1980 佐世保防備戦隊

御蔵      /1982 佐世保防備戦隊

奥尻      /1982 舞鶴防備戦隊

礼文      /1983 大湊防備戦隊

占守      /1984 大湊防備戦隊

天売      /1985 舞鶴防備戦隊

三宅      /1985 呉防備戦隊

利尻      /1986 舞鶴防備戦隊

佐渡      /1987 舞鶴防備戦隊

沖永良部    /1986 佐世保防備戦隊

対馬      /1988 佐世保防備戦隊

海豹      /1989 大湊防備戦隊

択捉      /1989 大湊防備戦隊

国後      /1990 大湊防備戦隊

渡島      /1991 大湊防備戦隊

奄美      /1992 呉防備戦隊

魚釣      /1992 呉防備戦隊


荻原「海防艦ってなんですか?」

深海「元々は旧式化した主力艦を転用した沿岸防衛用の艦艇だ。日本海海戦に参加した殊勲艦も多くが海防艦になった」

神楽「その後、第二次大戦を経て商船護衛や警備任務を担う小型艦として認識されるようになった。他国で言うフリゲートに相当する艦ね」

荻原「難しいですね」

深海「駆逐艦の1つ下の艦として覚えればいいよ」

神楽「現代だと諸外国でもそこらへんの定義は難しいからね」

深海「イギリスの場合は長射程対空ミサイルを搭載した艦が駆逐艦で、それ以外がフリゲートとして扱われている」

神楽「アメリカだとスクリューの数で区別してるのかな?一軸ならフリゲートで、二軸なら駆逐艦。まぁフリゲートが駆逐艦の上位艦種だった時代もあるけど」




与那国型海防艦

全長:135m

乗員:142人

基準/満載排水量:2900t/4200t

機関:ディーゼル×2 ガスタービン×2

兵装

 76ミリ単装速射砲×1

 VLS(16セル/シーランス・ESSM)×1

 Mk49RAM-CIWS×1

 Mk15ファランクス20ミリCIWS×1

 ボフォースL70単装40ミリ機関砲×2

 三連装短魚雷発射筒×2

 艦載ヘリコプター×1


 80年代に策定されたシーレーン防衛構想が背景となって建造された艦である。それまでの海防艦は沿岸防衛に重きを置かれていたが、与那国型海防艦は必要に応じて主力艦隊駆逐艦の補助戦力として洋上作戦にも投入することを念頭に設計されている。

 その為、船体は大幅に大型化され、燃料タンクを増設して航続距離を底上げしている。また外洋における遠距離探知及び攻撃のために海防艦としては初めてヘリコプターの搭載能力が付与され対潜能力は向上している。艦首ソナー及び曳航式ソナーとデータリンクで結ばれ、対潜システムの一体化・自動化が進められている。ただし艦首ソナーは淡路型と同様の中周波ソナーなので沿岸戦、浅海域での作戦にも対応可能である。

 また40ミリ機関砲が装備されているが、これは中国の高速ミサイル艇に対抗するための措置である。FCSと連動していて艦内から遠隔操作をすることができる。

与那国      /1993 呉防備戦隊

四季     /1993 高雄防備戦隊

七曜       /1995 高雄防備戦隊

白沙       /1997 高雄防備戦隊

沙弥       /1999 高雄防備戦隊

大東       /2000 横須賀防備戦隊

沖縄       /2000 横須賀防備戦隊

久場       /2002(建造中) 横須賀防備戦隊


荻原「作中の日本海軍だとどう区別しているんですか?」

神楽「連合艦隊に配備されて外洋で戦うのが駆逐艦、鎮守府に配備されて沿岸防衛を担うのが海防艦ということになっていたけれど、この与那国型の登場で曖昧になっちゃったかな」

深海「まぁ、どこの海軍もそれは同じだよ。昔みたいに大砲の口径が違ったり、装備に大きな違いがあるわけじゃないから類別を区別する意味がなくなっている。アメリカ海軍ではタイコンデロガ級巡洋艦が唯一の巡洋艦だけど、巡洋艦となっている理由は“大佐が艦長の艦”の数を維持するためと言われている位だしね」

神楽「後、第二次大戦中の海防艦が艦隊決戦用の魚雷を積んでいないように、現代の海防艦には対艦ミサイルを載せていない」




首里型砲艦

 全長:90m

 全幅:10m

 乗員:90人

 基準/満載排水量:1150t/1400t

 兵装

  76ミリ単装速射砲×1

  ボフォースL70単装40ミリ機関砲×2

  ボフォース四連対潜ロケット×1

  三連短魚雷発射管×2

  ハープーン連装発射機×2

  九一式対空誘導弾連装発射機×1

  爆雷投下軌条×2


 日本海軍が台湾海峡警備のために建造した哨戒艦艇である。主に中国の小型潜水艦や高速ミサイル艇に台湾沿岸で対処する事を想定していて、砲填兵装や浅瀬における対潜能力を重視としている。

 一方、対空兵装は貧弱で携帯式対空ミサイル―建造当初はアメリカ製のスティンガーを装備し、後に国産の九一式に換装された―用の発射機を備えているのみで、後は主砲の対空射撃に頼っている。

 対艦兵装としてハープーン対艦ミサイルを搭載しているが、バランスが悪くなるために搭載していない場合が多い。

 首里     /1989

 識名     /1989

 厳島     /1990

 宇治     /1990

 太魯閣    /1991

 阿里山    /1991


深海「これは自衛隊にはない艦艇だね」

神楽「一般的な分類で言えば対潜コルベットになるのかな?モデルはフランス海軍の植民地通報艦らしいけど」

荻原「またいろいろと混乱してますね」

神楽「現代の艦種類別は“言ったもん勝ち”だから、カオスだからね」

深海「その点、1万トン級のヘリ空母だろうが、1000トン強のコルベットだろうが“みんな護衛艦です”で通す自衛隊はある意味合理的だ。ともかく、台湾海峡を警備するための小型艦と憶えておけばよさそうだ」

神楽「ちなみに上述の与那国型とこれは40ミリ機関砲を装備していますが、これは台湾海軍に倣ってみました」

 注:台湾海軍の主要艦艇には中国の高速艇対策として40ミリ機関砲を装備している




金華山型敷設艦

排水量:4000t

兵装

 76.2ミリ単装速射砲×1

 20ミリ機関砲×2

 3連装短魚雷発射管×2

 機雷敷設装備一式


 帝国海軍の最新の敷設艦である。日本は長大な海岸線とソ連太平洋艦隊の太平洋への進出路を三海峡が領内に存在するため、その防衛・封鎖に適する機雷戦を重視しており列強海軍では特に機雷戦艦艇の整備に力を入れている。千歳型掃海母艦の準同型艦であり、こちらは日本海軍における狭義の軍艦に含まれる。

 1993年に2隻が就役した金華山型敷設艦は最新鋭の機雷戦設備を装備しており、宗谷及び津軽の両海峡封鎖の任に就いている。またある程度の武装も持っており医療設備も充実しているので、哨戒や護衛任務への投入も想定され、臨時の病院船としても利用可能である。格納庫は無いものの後部甲板にはヘリコプターの着艦スペースがあり、SH-60クラスなら2機、MH-53クラスなら1機が着陸可能である。

金華山     /1993

海馬      /1993


荻原「機雷敷設艦ですか」

神楽「その通り。文字通り機雷を設置するための船よ」

深海「自衛隊は掃海母艦に機雷敷設機能も付与して対応しているよ」

神楽「そして狭義の軍艦。ちなみに本編未登場だけど、準同型艦が登場するのでついでに紹介」




千歳型掃海母艦

排水量:4000t

兵装:

 76.2ミリ単装速射砲×2

 20ミリ機関砲×2

 3連装短魚雷発射管×2

 補給設備一式

 訓練機雷敷設装備一式

艦載機:掃海ヘリコプター×1


 帝國海軍が小型掃海艇支援の為に建造した掃海母艦。主要な任務は掃海艇、掃海艦に対する補給や乗員への休養の提供、さらに訓練支援など。また掃海用ヘリコプターと航空掃海具を搭載しており航空掃海作戦の中核として活用される。

 ある程度の武装も持っており医療設備も充実しているので、哨戒や護衛任務への投入も想定され、臨時の病院船としても利用可能である。特に機雷探知用高周波ソナーを備えているので浅瀬での対潜活動では駆逐艦以上に威力を発揮すると言われる。

 なお金華山型敷設艦とは準同型艦であるが、こちらは狭義の軍艦には含まれない。平時には鎮守府艦隊の旗艦を務める。

千歳      /1990

千代田     /1990


深海「そして、こちらが準同型艦か」

荻原「掃海ですか?」

神楽「敷設艦とは逆に、海に設置された機雷を除去するのが任務」

深海「自衛隊の掃海能力の高さは有名だね」

荻原「ところで狭義の軍艦には含まれないとありますが、どういう意味ですか?」

神楽「軍艦とは一般的には軍隊の保有する艦艇全般を指すけど、日本海軍の用語ではより狭い意味に使われるの」

深海「日本海軍は海軍の艦艇の中で特に格式のある主力艦について軍艦と称した。具体的に言えば戦艦、航空母艦、巡洋艦といったものかな」

神楽「ちなみに敷設艦も軍艦に含まれた。駆逐艦のような小型艦は軍艦には含まれない」

荻原「つまり“狭義の軍艦”というのは“日本海軍における区分”という意味ですか?」

深海「そういうこと」

荻原「それで掃海母艦は軍艦にならないんですか」

深海「うん、設定では。だけど史実の日本海軍にはなかった艦種だからな」

神楽「作者も迷ったらしいよ。母艦だから軍艦にすべきかと思ったそうだけど」

深海「史実だと母艦とつくものは原則として軍艦なんだ。潜水母艦とか水上機母艦とか」

神楽「だけど潜水艦も水上機も攻撃的な任務に主に投入される兵器だから、その母艦も軍艦扱いが適当だけど、受け身な掃海の母艦を攻撃重視の帝國海軍が軍艦扱いするだろうか?いやない!という判断で軍艦から除外されたそうな」




納沙布型掃海艦

排水量:1200t

 1970年代、ソ連が対潜水艦用の深々度機雷を開発していたことが判明した。当時の日本にはそれに対応できる掃海艇が無く、外洋で作戦行動可能な掃海艦艇を取得する必要が迫られた。

 一方、中東でイラン・イラク戦争が勃発すると、両陣営とも相手の経済活動を封鎖するために海上阻止作戦を開始し、互いのタンカーを攻撃して機雷敷設を行なうなどしたためペルシャ湾の海上交通は麻痺状態に陥った。俗に言うタンカー戦争の始まりである。80年代後半になるとさらに激化し、アメリカ海軍が本格的に介入した他、各国も掃海と護衛のために海軍艦艇を派遣した。日本もタンカー戦争への介入を決意して駆逐艦と掃海部隊を派遣したが排水量500トン程度の掃海艇による遠征は困難を極めた。政府は同様の事態が発生した場合に対応できる外洋型掃海艇の装備を海軍に要求した。

 かくして外洋航行可能な大型掃海艇として建造されたのが納沙布型である。その任務は外洋における深々度機雷の掃海、遠征部隊の前衛として遠征地沿岸での掃海の2つが想定されており、両者に対応できるように掃海具も装備されている。また磁気感知機雷対策として船体は木造であり、納沙布型は木造船舶としては世界最大級の大きさとなった。

 湾岸戦争時には1番艦の納沙布と2番艦の御前崎が就役しており、ペルシャ湾沿岸での掃海活動において大きな成果を収めた。

納沙布    /1989

御前崎    /1989

鞍埼     /1991

塩屋     /1991

早崎     /1992

白崎     /1992


深海「史実の自衛隊の<やえやま>型掃海艦に相当するのかな?」

神楽「そうなるね」




掃海艇122号型

全長:55m

排水量:570t

兵装:20ミリ機関砲×1 掃海器具一式

 帝國海軍の標準的な掃海艇で、1980年から10隻が建造された。機雷掃討用の自走型処分具を初めて搭載した。

 湾岸戦争時にはペルシャ湾に派遣されたが、当時の最新機雷に対して装備の旧式化が問題となり90年代後半に近代化が行なわれた。

122号     /1980

123号     /1981

124号     /1982

125号     /1983

126号     /1984

127号     /1985

128号     /1986

129号     /1987

130号     /1988

131号     /1989


深海「そして、こっちが主力の掃海艇」

荻原「納沙布型に比べると半分くらいの大きさなんですね」

神楽「納沙布型みたいなのが例外的に大きいの。本来はこれくらいが普通」

深海「機雷は基本的に浅瀬に設置されるものだからね。浅瀬で活動するなら小型の方が小回りが効く。それに機雷は水圧や騒音に反応して爆発するから、船を小型化することでそれらを減らす効果も期待できる」

荻原「でも、小さい船で本当に大丈夫なんですか?」

神楽「だからこそ、掃海活動を下から支えるために掃海母艦が必要なんだよ」


深海「それじゃあ、次回は陸軍の兵器、機甲兵科の兵器編だ」

(追加)

海防艦の隻数、記述を改訂

2011/11/22

(改訂)

記述の誤りを修正

2015/1/8

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