登場兵器紹介 歩兵の兵器編3
神楽「というわけで前回に続いて歩兵の兵器。今回は車輌編」
一一式小型自動貨車
大戦中に使用された九五式乗用車や四式小型自動貨車の後継車輌として導入された四輪機動車である。アメリカから貸与されたジープを元に四式小型自動貨車を開発製造したト○タ自動車が受注し、1951年にジープのライセンス生産版を破り正式採用された。
ジープよりも強力なエンジンを搭載し、高い走破能力を持つ。民間市場にも販売され、その民生型の現地での転用も含めて日本で最も輸出に成功した兵器に数えられる。
装甲や固有の武装は無いが、荷台のフレームに必要に応じて銃架を取り付けて機関銃や小銃を搭載可能である。
数度のマイナーチェンジを経て、現在でも陸軍の主力小型車輌として現役である。歩兵部隊の本部や斥候部隊に配備され、連絡や偵察に利用される。
荻原「ランクルですか」
深海「史実でもト○タジープ(ランクルの原型)が保安隊に採用されていれば、こうなった可能性があったんだよな」
神楽「ちなみに最新型には史実の73式新型と同様にラジオと冷房がついているよ」
二六式装甲兵車テト
全長:6.1m
重量:14.2t
乗員:4名
兵員:8名
最高速度:61km/時(浮航5km/時)
兵装 7.7ミリ車載機関銃×1/12.7ミリ機関砲×1
第二次世界大戦時にアメリカやドイツは装甲ハーフトラックを利用して機械化歩兵の威力を各国軍に見せつけた。同時期、日本軍も一式半装軌装甲兵車ホハや一式装甲兵車ホキなど歩兵の機械化に取り組んだものの、予算の不足もあって少数生産に終わり機械化はほとんど達成できなかった。
そして時が経ち大戦後、国共内戦に介入する日本陸軍は共産党軍のゲリラ攻撃に対して歩兵に装甲防護力を与える必要があると考えた。一式装甲兵車やアメリカから貸与されたM3ハーフトラックが投入されたが、天蓋が無く防御に難があり新型装甲車輌の必要性が痛感された。そこで1952年に新型の一二式装甲兵車が採用された。
この一二式装甲兵車は戦車並の装甲を持ち重量は30tに達し、それ故に機動性が低かったが共産党軍のほとんどの武器を跳ね返し、対ゲリラ戦で威力を発揮した。
1962年に国共内戦が終結して陸軍は本国と朝鮮に撤退した。陸軍はこれを機に近代化を推し進めようとしたが、その時にネックになったのが一二式装甲兵車の存在であった。機動性が低すぎて戦車に追従できず、本格的な機動戦には投入できなかったのだ。そこで内戦終結の兆しが見えつつあった1959年より次世代装甲兵車の開発が始まった。そして1966年に採用されたのが二六式装甲兵車である。
二六式装甲兵車は戦車に追従可能な機動戦用の装甲車輌を目指し、装甲には重量を抑えるためにアルミニウムを利用して重量は半分以下にすることに成功した。反面、一二式に比べ防御力では大きく劣ることになったが敵砲兵弾の破片から歩兵を守るには十分と考えられた。その代わりに狙われにくいように全高が低い。また核戦争に対応するため対NBC能力を完備し、放射能に汚染された戦場でも行動することができる。さらに必要に応じて追加装備を施し河川を自力で渡ることができるが、結果的にあまり重要な能力にはならなかった。
改型をあわせて4000輌ほど生産された。後継車輌の四八式の配備が始まり、退役が始まっているが、それでも多くの車輌が現役である。
深海「帝國版のAPCか。史実の73式装甲車に近いようだね」
荻原「APCってなんですか?」
神楽「装甲兵員輸送車の略よ。説明にもあるとおり、戦車と突入する部隊が敵の攻撃でやられないように防御力を提供するための車輌」
深海「まぁ当時のAPCは歩兵の軽火器と大砲の弾の破片に耐えれればいいという程度の防御力しかないけど」
荻原「破片ですか?」
深海「そう破片。大砲の射撃には、目視できる目標を攻撃する直接射撃と、目視できない相手を友軍の指示を頼りに攻撃する間接射撃に分けられる。第二次大戦以後は大砲の射程が伸びたこともあって間接射撃が主流になった。ただ見えない相手を撃つわけだから直撃というのはあまり期待できない」
神楽「だから榴弾を使うわけ。火薬の爆発で相手にダメージを与える。爆風によって高速で飛ぶ鋭利な砲弾の破片をばら撒く事によってね。それなら一撃で広い範囲に被害を与えることができるから直撃は必要ない」
深海「生身の歩兵だったら一たまりもない」
荻原「だからAPCというわけですね。でも敵の戦車とか遭遇したらどうするんですか?」
神楽「いいところに気がついたじゃない」
二六式装甲兵車改
全長:6.1m
重量:17t
乗員:4名
兵員:8名
最高速度:60km/時
兵装 20ミリ機関砲塔×1/7.7ミリ車載機銃×1
二六式装甲車に20ミリ機関砲装備の砲塔を搭載した歩兵戦闘車型である。
機関砲は国産の二五式二〇粍機関砲で、九七式自動砲と弾薬に互換性がある。砲塔を設けたことで3t近く重量が増加したが、エンジン換装により機動力は維持されている。しかし装甲はそのままで重機関砲などの火器に対する防御力は無きに等しい。その為、ソ連のBMPシリーズに対しては劣勢である。
決して高性能とは言えないものの、比較的安価に配備できる歩兵戦闘車として重用され、78年から従来型に替わって生産され、既存の車輌も改仕様に改造された。
深海「自衛隊が検討していたとされる73式装甲車の歩兵戦闘車バージョンか」
荻原「歩兵戦闘車ってなんですか?」
神楽「簡単に言えばAPCの重武装バージョン。さっき貴女はAPCが敵の戦車と遭遇したらどうするの?って聞いたでしょ?実はAPCってのは、そういう直接戦闘に関わる状況ってのはあまり考慮してないの」
荻原「なぜですか?」
深海「あくまで歩兵を運ぶ車輌だからさ。歩兵ってのは敵と戦うときには地面に降りて徒歩で戦うわけ。だから敵と相対しているってことは歩兵は車から降りているんだから、APCはその後ろに居ればいいという考えなわけだ」
荻原「なるほど」
神楽「でも実戦ではそう思い通りにはいかない。APCが敵部隊と遭遇することもあるだろうし。それにせっかくキャタピラーで動く重装車輌なんだから、歩兵が携帯できないような重火器を搭載して支援をさせれば便利じゃない?って考える人がいた」
荻原「重火器ですか?」
深海「重機関銃とか。20ミリとか30ミリとかの機関砲を搭載すれば絶大な威力を発揮する。戦車は無理でも敵のAPCと遭遇した場合に独力で撃破できる。APCの装甲は前にも言ったように、決して厚くはないからね」
神楽「そして1960年代、ソ連で革命が起こる」
四八式歩兵戦闘車ホセ
重量:27t
最高速度:70km/h
乗員:3名
兵員:7名
兵装
90口径35ミリ機関砲
7.7ミリ車載機銃
対戦車ミサイル発射筒×2
四四式戦車と協同する装甲兵車として開発された帝國陸軍初の本格的IFV。
1967年、ソ連はBMP-1という歩兵戦闘車を公開して西側各国陸軍に衝撃を与えた。帝國陸軍もIFVの研究を開始して1978年には20ミリ機関砲を装備する二六式改の配備したが、装甲兵員輸送車を改造した応急措置的な車輌に過ぎず力不足は明らかであり防御も弱くソ連BMPシリーズに対して劣勢であった。そのため、後に四四式と形式番号が与えられる新型戦車の配備も決まったこともあって、それに追従可能な新型装甲車輌が開発されることになった。それが四八式歩兵戦闘車である。
1988年に正式採用されて配備が始まった四八式は主砲にはスイス製の90口径35ミリ機関砲KDEを装備してソ連のBMPシリーズを撃破するに十分な攻撃力を得た。また対戦車装備として三九式対舟艇対戦車誘導弾を2発搭載して戦車に対しても独立して戦闘を行なえる。防御力も大幅に強化され、正面であればBMP-2の30ミリ機関砲に耐えられると言われている。
偵察型の四八式重装甲車ともあわせて1999年12月現在の生産量は1500輌強で、20個歩兵大隊への配備を完了した。
神楽「さて。説明文にもあるようにソ連が開発されてBMP-1は世界に衝撃を与えた。それは何故か?!」
荻原「なぜなんですか?」
深海「それはね。さっきも言ったように、APCに乗った機械化歩兵部隊といえども、敵と戦うときには装甲車を降りて徒歩歩兵として戦う。だけで、これは現代の電撃戦を戦う上で大きな足枷となっていた」
神楽「なぜなら電撃戦とは機械化部隊の機動力を武器として戦う戦術だから。徒歩歩兵より自動車や装甲車に乗った兵士や戦車の方がずっと速く戦場を動き回ることができる。電撃戦とはこの機動力を武器に敵の弱点を突き、混乱させ、対処をする暇もなく粉砕する作戦」
深海「しかし、機械化歩兵部隊といえども装甲車を降りればただの徒歩歩兵。移動速度は大きく落ちる。戦車や他の機械化部隊もそれにあわせなくてはならないので部隊としても機動力が大きく損なわれる」
荻原「それは大問題ですね」
神楽「それに対してソ連が編み出したのが世界初の本格的歩兵戦闘車BMP-1。重武装した装甲車なら既に西側にもあったけど、BMP-1が優れていたのは歩兵が中から外を攻撃できるように銃眼を設けた点。73ミリ主砲などの重火器と銃眼からの射撃を組み合わせて、歩兵が車輌が降りずに戦闘ができるようになったの」
荻原「ということは戦闘の度にスピードを緩める必要がないってことですね」
*装甲車や戦車がずっとフルスピードのままで戦うとかそういう意味じゃありません。部隊全体の機動力という意味です
深海「そんなところだ。機械化部隊の機動力を維持できるというのは実に画期的なんだ。BMP-1のコンセプトは西側でも取り入れられたのさ。史実の89式戦闘装甲車やこの四八式歩兵戦闘車のようにね」
神楽「ただ銃眼を使って中から外を撃っても命中率は低いし、装甲に穴を開けたら防御力が低下するという問題もある。最近は正規軍同士の機動戦、電撃戦なんてあまりやらなくなったこともあって銃眼を塞いで防御力向上に力を注ぐ傾向なの」
VAB装輪装甲車
兵装 12.7ミリ機関砲
帝国陸軍では後方の治安部隊向けを除き最前線では装軌車両が使われるのが通例だった。これは第二次大戦後に陸軍が外征から本土防衛に戦略を転換したことにより長距離の戦術機動は無く、また日本の地形の特性から装軌車両が必要であると考えられたからだ。しかし近年の目覚しい道路網の発達と戦略機動力を必要とする第5師団の要望から本格的な装輪装甲車両の配備が考えられるようになった。
当初は国産化も考えられたが少数配備に留まると考えられたので、輸入及びライセンス生産した車両を配備することとなった。各国の装輪装甲車を調査した結果、フランス製のVAB装甲車がコスト面で有利であると判断され、選定された。
1990年から配備が開始され、第5師団と憲兵隊が合計300輌ほど導入予定である。さらに各師団捜索連隊の歩兵中隊や装甲化されていない全師団のうち1個連隊を本車装備の機動歩兵とする計画もある。また海軍陸戦隊では偵察用車輌としてVABの20ミリ機関砲装備型を導入している。というわけで当初の少数配備に留まるだろうという目論見は脆くも崩れ、国産開発を目指していた一部のグループは激怒したとか、しないとか。
深海「VABかよ。というか最初の計画の300輌って時点で96式装輪装甲車と生産数がほぼ同じじゃないか。なにが少数に留まるだ」
神楽「帝國的には4桁いかなきゃ少数だよ」
荻原「これはタイヤで動くんですね」
深海「そう。一部の人々が大好きな装輪装甲車だ。装輪装甲車には幾つかキャタピラと違った利点がある」
神楽「まず道路上では速い。タイヤだからね。それにキャタピラ式に比べると安く造れるし、整備も楽」
深海「自衛隊の96式みたいに足回りを豪華にしちゃうと安さも整備性も吹っ飛ぶけど」
神楽「その点、VABを選んだ陸助は冴えているな。あれは普通のトラックに装甲を被せたようなものだ」
荻原「それで欠点は?」
深海「まず道路以外の走行性能がキャタピラーに比べて極端に落ちる。障害物があってもキャタピラーならある程度は乗り越えられるが、タイヤだと難しい」
神楽「それに重く造れないから、装甲も薄くならざるをえない。まぁ戦車と一緒に機動戦とかは間違っても無理」
深海「フランスはIFVまで装輪化するらしいが、大丈夫なのかねぇ」
神楽「自衛隊だって他人事じゃないでしょう。89式装甲戦闘車の後継は将来装輪戦闘車輌を当てるようじゃないですか」
深海「言うなぁ!」
五八式軽装甲車ケソ
五八式は陸軍が歩兵連隊向けのランクルの後継となる偵察用小型装甲車両を求めたことに始まる。それに警備用車両を求める憲兵隊と基地警備用の装甲車を求める空軍の要求も重なり、小型の装甲ジープ的車両の開発が始まった。
1998年に正式採用された五八式軽装甲乗用車は、フランスのVBLをモデルにして設計・製作がされた。4人乗り(短距離なら5人も可)で、1個分隊3両で構成する。
装甲は7.62ミリ弾に耐え、特に前面は12.7ミリも防ぐとされる。固有の武装はないが、車体上面のハッチに銃架を取り付けて各種機関銃を設置できる。
深海「帝國版の軽装甲機動車か」
神楽「まぁ史実日本みたいにAPC代わりに大々的に配備しているわけじゃないけどね」
五三式中型自動貨車 全長:4.9m
重量:2.5t
最高速度:120km/h
乗員:10名
元々は海軍陸戦隊がアメリカ軍のハンヴィーをモデルにした高い機動力を持つ輸送車輌として発注した4輪機動車である。その後、陸軍が開発中の地対空ミサイルの搭載車輌として注目し、採用を決定した。
1993年に正式採用されて海軍陸戦隊では主に人員輸送車輌として使われる。陸軍では同年採用された五三式近距離地対空誘導弾などの各種機器の搭載車輌や、120ミリ迫撃砲や105ミリ榴弾砲などの小型火砲の牽引車輌として使われて、人員輸送車輌としては山岳部隊や空挺部隊など一部の車輌として使われる程度である。
深海「今度は帝國版高機動車か」
神楽「中型自動貨車ってネーミングはなかなかだと筆者は自分で思っているらしい」
深海「痛いな」
五五式四輪自動貨車
全長:5.4m
重量:3t
積載量:2t(人員16名)
五三式中型自動貨車のシャーシを使用した新型トラック。それまでの三三式四輪自動貨車に比べると機動力が向上している。三三式とともに主に軽歩兵部隊の移動に使用される。全国に配備が行なわれていて、歩兵にとって最も身近な車輌の1つとなっている。
荷台は剥き出しになっていて、幌を張って雨風は凌げるが銃砲に対する防御力は皆無に等しい。
派生型に荷台を改造した救急車仕様がある。
荻原「ところで自動貨車ってなんですか?」
神楽「読んで字の如く自動で動く貨車。つまりトラックだ」
深海「旧日本軍ではトラックのことをそう呼んでいた。で、今度は自衛隊の新型73式中型トラックの帝國版か」
一〇式十糎半自走無反動砲ムイ
重量:8t
兵装:105ミリ無反動砲×2/12.7ミリ照準銃
七式十糎半無反動砲を自走化したものである。
1940年代後半に105ミリ対戦車砲装備の五式砲戦車ホリならびに六式対戦車砲カトを実用化したが、どちらも恐竜的進化をした第二次大戦後期の戦車に対抗するために巨大な車輌となってしまい、それらの車輌は内地や朝鮮のインフラでは運用に支障をきたすと考えられた。そこで開発されたばかりの無反動砲に着目し、小型軽量の対戦車車輌を目指したのが本車である。
車体は少数のみ生産された五式軽戦車のものを流用し、待ち伏せを想定して低姿勢を重視された。車体右よりに七式無反動砲が連装して備えられており、必要に応じて砲手席とともにせり上がって、車体を隠したまま砲だけ出して敵を攻撃することができる。
機械化師団の対戦車部隊を中心に全国の歩兵連隊に配属された。後継の三〇式自走誘導弾の配備が開始されたが、今でも多くの部隊で使用され続けている。
なおムイ車からは多くの派生型が生まれている。
深海「今度は帝國版の60式自走無反動砲…って、さっきから自衛隊装備の帝國版ばっかりじゃねぇか」
神楽「オリジナル要素だってあるぞ。これだって史実にはない派生型がある」
三〇式自走対戦車誘導弾ユイ
兵装 二四式対戦車誘導弾×2 7.7ミリ機関銃
一〇式自走無反動砲の車体に二四式対戦車誘導弾を装備した仕様。機動歩兵中隊の対戦車小隊、空挺旅団、海軍陸戦隊の対戦車部隊に配備された。
自走無反動砲は砲手席が砲とともにせり上がる仕組みになっていたが、こちらはペリスコープが装備されていて、それを覗いてミサイルを誘導することになっている。
七九式対戦車誘導弾を装備する四八式歩兵戦闘車の配備により後継車輌も開発されず退役しつつある。
神楽「例えばこれ。自衛隊に装甲化された自走対戦車ミサイル車輌なんてねぇだろ?」
深海「まぁ確かに」
四〇式自走対戦車誘導弾ユロ
兵装 三九式対舟艇対戦車誘導弾連装ランチャー×1/7.7ミリ車載機銃
二六式装甲兵車を改良した対戦車車輌で、兵員室に代わり三九式対舟艇対戦車誘導弾を搭載したものである。照準用に高度な赤外線暗視装置を搭載しているので、対戦車攻撃だけではなく監視にも利用される。
おもに機械化師団や機甲師団の旅団対戦車中隊に配備されているが、七九式対戦車誘導弾を装備する四八式歩兵戦闘車の配備により後継車輌も開発されず退役しつつある。
深海「史実なら73式装甲車に79式重MATを載せたようなものか」
神楽「実在の車輌ならM901ITVが近いかな」
三〇式一二糎自走迫撃砲ハイI
兵装 120ミリ迫撃砲×1/7.7ミリ車載機関銃×1
二六式装甲兵車を改造した自走迫撃砲。おもに機械化師団や機甲師団の旅団重迫撃砲中隊に配備される。兵員室を改造し二〇式一二糎曲射歩兵砲を搭載している。五〇式一六糎自走迫撃砲に更新され、消えつつある。
神楽「装甲車に迫撃砲を載せた車輌」
深海「そんだけかい」
神楽「それだけの車輌だもの」
荻原「なんで装甲車に載せるんですか?」
神楽「1つは歩兵を装甲車に乗せるのと同じ理由さ」
荻原「小火器や砲弾の破片から防御するためですか」
深海「そして、もう1つ」
三〇式八糎自走迫撃砲ハイII
兵装 81ミリ迫撃砲×1/7.7ミリ車載機銃
おもに機械化師団や機甲師団の歩兵中隊軽迫撃砲小隊に配備される自走迫撃砲。ハイIと同様に二六式装甲兵車を改良したもの。
初期は二四式八糎迫撃砲を搭載していたが、後に歩兵部隊の迫撃砲が五四式81ミリ迫撃砲(イギリス製L16を国産化したもの)に転換したことから、同車に搭載されている迫撃砲も五四式に換装された。
神楽「砲兵の任務は敵の野戦部隊を攻撃するだけでなく、敵の砲兵を粉砕し友軍を守ることにある」
深海「敵の大砲が撃ってきたら、どこから撃ってきたかを計算して撃ちかえすんだ」
神楽「最近は対砲兵レーダーの発達で、瞬時に反撃できるようになったから、一度撃てば反撃を避ける為に素早く移動しなくてはならない」
荻原「それで装甲車に載せるのですね」
深海「その通り。自走式なら、撃ったらそのまま逃げられるからね」
荻原「だったらみんな自走式にすればいいのに…」
深海「…」
神楽「全ては貧乏が悪いのだよ」
五〇式一六糎自走迫撃砲ハロ
重量:32t
兵装:後装式160ミリ迫撃砲
三〇式一二糎自走迫撃砲の後継として配備された自走迫撃砲である。射程こそ短いが155ミリ榴弾砲並の破壊力を有する。
車体は二八式戦車のそれを流用し、砲塔部分に迫撃砲室が備えられている。五〇式一六糎迫撃砲は普段は水平に格納され、射撃時には屋根を開き砲身を上に向ける。射程は通常弾で9500メートルである。戦車の車体を流用しているので防御力は高く30ミリクラスの機関砲にも耐えられ、また機甲部隊に随伴するのに十分な機動力を有している。
機械化師団の旅団重迫撃砲中隊に装備が行なわれつつある。
深海「160ミリってすげぇなぁ」
神楽「イスラエルとかが使っているクラスだよ」
(改訂 2012/3/24)
実在の企業の名前が登場する部分を改訂




