陸軍師団史 その1
神楽美香「というわけではじまり、はじまり!」
深海真「な に が ?」
神楽「いやぁねぇ。我らが作者、独楽犬は2008年9月初めの時点で、日韓大戦、世紀末の帝國、鷲は舞い降りた、の3作品を連載いるのよ」
深海「只でさえ遅筆なのに、無 謀 だ な」
神楽「ついでに「小説家になろう」外部に2作品」
深海「マ ジ で ?」
神楽「マジ。しかも片方は一年ほど放置しておりました」
深海「ダメだな」
神楽「とにかく、そういった諸作品の設定などを解説していこうというのが、この「神楽学校」のテーマなのよ」
深海「なるほど。で第1回のテーマは?」
―世紀末の帝國 帝國陸軍師団編制史
深海「またマニアックなところを。こういう場合、まず兵器関係からいくものでは?「帝國」では空母とか原潜とか、「日韓大戦」では新戦車や新護衛艦も登場しているし…」
神楽「というわけで早速始めましょう。途中までは忠実に沿っていくので、資料代わりにも」
深海「無視かよ…」
1.創世記の日本陸軍 鎮台制から師団制へ
神楽「陸軍のはじまりは1871年(明治4年)に天皇陛下や政府を守るために薩摩、長州、土佐の各藩から献上された兵士から御親兵を組織したのが始まりです。この御親兵は各鎮台創設に伴って翌年には任務を宮城警護に縮小して近衛になり、1891年(明治24年)には野戦部隊たる近衛師団になったわけ」
深海「なるほど」
神楽「そして同じく1871年4月に東山鎮台(石巻)と西海鎮台(小倉)が設置され、日本陸軍師団の歴史が始まるの。8月には廃藩置県により全国が政府直轄になったのに合わせて、東山・西海の両鎮台は廃止されて、代わりに東北鎮台(石巻)、東京鎮台、大阪鎮台、鎮西鎮台(熊本)の4鎮台が新たに設置されたの」
深海「鎮西とは九州のことだ」
神楽「フォローありがとう。さらに1973年(明治6年)には新たに名古屋鎮台と広島鎮台が増設された。これに加え北海道を除く日本全土を6軍管区14師管区に分けられ、各軍管区をそれぞれ1個鎮台が配置され、各師管区には営所が設けられ、連隊が編制された。同年には徴兵制が始まり、かくして日本の近代軍制が始まったの。ちなみに北海道は徴兵制を施行するにはまだ人口が少なすぎたから、鎮台を置く代わりに警備と開拓団を兼ねる部隊を送り込んだの。それが有名な屯田兵」
東京鎮台 歩兵第1連隊(東京)、歩兵第2連隊(佐倉)、歩兵第3連隊(新潟)
仙台鎮台 歩兵第4連隊(仙台)、歩兵第5連隊(青森)
名古屋鎮台 歩兵第6連隊(名古屋)、歩兵第7連隊(金沢)
大阪鎮台 歩兵第8連隊(大阪)、歩兵第9連隊(大津)、歩兵第10連隊(姫路)
広島鎮台 歩兵第11連隊(広島)、歩兵第12連隊(丸亀)
熊本鎮台 歩兵第13連隊(熊本)、歩兵第14連隊(小倉)
深海「おぉ。上から順番に並んで、清々しいなぁ」
神楽「そうそう。これから連隊や師団がどんどん増えて、ぐちゃぐちゃになってくのよ。自衛隊師団の現状とか旧軍師団の終戦時における師団編制とか見てると、なんで数字がバラバラなのか?と思うところもあるけど、こうやってはじめから連隊単位で追っていくと、増強・変遷の様子が分かっておもしろいのよね。まさに編制オタ冥利に尽きるという話」
深海「あんたは砲兵オタクじゃなかったのかい?だいだい「小説化になろう」を訪れる一般的な読者はついていけないだろうに。需要あるのか?これ」
神楽「んじゃ続けるよ」
深海「また無視…」
神楽「その後、連隊はさらに増設され、1888年(明治21年)までに各鎮台に4個連隊、合計24個連隊までに拡大されたわ。そして同年、鎮台は師団に改編された。1891年には近衛師団も創設されたので、結果的に陸軍はこうなった。なお連隊はめんどくさいの数字だけで済ます」
深海「手抜き!」
近衛師団(東京) 近衛歩兵第1旅団(近衛1、近衛2)、近衛歩兵第2旅団(近衛3、近衛4)
第一師団(東京) 歩兵第1旅団(1(東京)、15(高崎))、歩兵第2旅団(2(佐倉)、3(東京))
第二師団(仙台) 歩兵第3旅団(4(仙台)、16(新発田))、歩兵第4旅団(5(青森)、17(仙台))
第三師団(名古屋) 歩兵第5旅団(6(名古屋)、18(豊橋))、歩兵第6旅団(7(金沢)、19(名古屋))
第四師団(大阪) 歩兵第7旅団(8(大阪)、9(大津))、歩兵第8旅団(10(姫路)、20(大阪))
第五師団(広島) 歩兵第9旅団(11(広島)、21(広島))、歩兵第10旅団(12(丸亀)、22(松山))
第六師団(熊本) 歩兵第11旅団(13(熊本)、23(熊本))、歩兵第12旅団(14(小倉)、24(福岡))
神楽「この体制で日本は日清戦争へと突入するわけ。とりあえず、今日はこんな感じで。また来週!」
深海「え!?週刊連載?無理だろ!」
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