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化け玉  作者: 津嶋朋靖


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95 桜の家・庭

こざくら「あたし、死ななくて済んだみたいですね」

桜「……(悲しげな顔)」

こざくら「よかったあ」

桜「でも……これからが辛いわよ」

  桜はポケットから金の鎖を出して見せる。

こざくら「これは!?」

  こざくらは自分の首に手をやり、化け玉の付いていた金の鎖を外して見比べる。

桜「化け玉の付いていた鎖よ」

こざくら「え? どういう事ですか?」

桜「私は十五年前、人間に変身したまま、元に戻れなくなった狸よ」

  桜はサングラスを外す。

こざくら「え?」

桜「化け玉を飲むとね。狸は変身した姿から戻れなくなるのよ」

こざくら「死ぬんじゃないんですか?」

桜「私も死を覚悟して飲み込んだわ」

こざくら「まさか!? あなたはあたしのおばさん!?」

桜「おばさん?」

こざくら「お父さんに聞いたんです。十五年前に、おばさんが化け玉を飲んだって」

桜「あなた!?……ハギの娘だったのね」

こざくら「なんで、帰って来なかったの!?」

桜「この前話したわね。大恋愛をしたって」

こざくら「ええ」

桜「相手はけんちゃんの叔父さんで、樹医をしていた人。

  業者の手から森を守るために戦ってくれていたわ」

こざくら「……」

桜「私は、人間に化けて、その人を手伝っているうちに恋に落ちたの」

  桜は遠くを見つめる。


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