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71 青竜神社
狸達が神社に駆け込んでくる。
長老「まて!! 人間だ」
狩田と柿崎が御神木の近くにいる。
コザクラ「あの二人です。昨夜神社にいたの」
長老「よし。お前達はここで待っていろ」
長老は神主に化けて男達に近づく。
神主「どうかしましたかな?」
二人は振り向く。
狩田「これは、神主さんですか?」
神主「そうですが」
狩田は御神木を指さす。
狩田「立派な御神木ですね。樹齢はどのくらいです?」
神主「八百年ほどだが」
狩田「昔、この木を切ろうとした者が、祟りにあったと聞きましたが本当ですか?」
神主「さあな。誰に聞いたのかね?」
狩田「この近くの業者の間では有名ですよ」
柿崎「なんでも、この神社を潰そうとしたらブルドーザーに雷が落ちたとか」
神主「それは確かにあった」
狩田「でも、それは本当に神罰ですかね?」
神主「偶然、雷が落ちたとでも?」
柿崎「いえいえ。聞いた話では、このあたりでは狸がよく人を化かすとか」
神主「そんな事を信じているのかね?」
狩田「まさか。(腕時計に目をやる)おっと、もうこんな時間だ。それでは神主さん。あっしらはこれで」
二人は神社から出ていく。
狸に戻る長老。
隠れていたコザクラとボタンが駆け寄る。
コザクラ「御神木様は無事かしら?」
御神木様の声「私なら大丈夫だ」
ボタン「よかった」
長老「おそらく、奴ら夜になったら仕掛けてくるだろうな。コザクラ」
コザクラ「はい」
長老「樹医に知らせてくるんだ。御神木の周りに不審な人間がうろついていたと」
コザクラ「わっかりました」




