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63 森の中(三日後・夕方)
獣道を歩くコザクラ。
後ろからボタンが追いかけてくる。
ボタン「コザクラ。当番か?」
コザクラ「そうよ」
ボタン「俺もさ、一緒に行こうぜ」
二匹はしばらく並んで歩く。
ボタン「もう三日目だろ? いつまでこんな事続けんだろ」
コザクラ「業者を追っ払うまでよ」
ボタン「でも俺達にできるのは化ける事だけだぜ。こんなんで守れるかよ?」
コザクラ「守れるかじゃなくて、守るの」
ボタン「そうだな」
分かれ道に差し掛かり、コザクラは右の道へいく。
ボタン「コザクラ。青竜神社は左だよ」
コザクラ「え? あたし今日は白虎神社の当番だよ」
ボタン「そうなの?(残念そう)」
コザクラ「じゃあね」
64 参道(夜)
ワゴン車が参道に止まる。
二人の男、狩田(32)と柿崎(30)が降りる。
65 白虎神社
二人の男が御神木の根元に立つ。
狩田が邪悪な笑みを浮かべる。
狩田「そろそろ、効果が出てくるな」
柿崎「念のため、薬追加するか?」
狩田はカバンから注射器を取り出す。
男達の背後から少女に化けたこざくらが声をかける。
こざくら「おじさん達。そこで何してるの?」
男達は振り向く。
狩田「なんだ、お前えは?」
柿崎「嬢ちゃん。家に帰んな」
こざくら「御神木を枯らす気ね」
男達は押し黙る。
狩田「おまえ、何を知ってる?」
狩田、こざくらに詰め寄る。




