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化け玉  作者: 津嶋朋靖


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58 朱雀神社

  桜が御神木の幹から剥がした樹皮をルーペで観察している。

  賢治が幹に穴がないか探している。

  こざくらが心配そうに見ている。

こざくら「あのう。どうでしょうか?」

  桜は悲しそうに首をふる。

桜「もう、この木は助からないわ」

賢治「昨日警察に知らせたのに。あてにならないな」

桜「ケンちゃんそれは違うわ」

賢治「え?」

桜「除草剤を入れられてから木が枯れるまで、数日かかるわ。

 この穴は昨日、今日開けられたものじゃないのよ」

  桜は携帯を取り出して。

桜「いけない!! 電池切れだわ。ケンちゃん携帯持ってる?」

賢治「ごめん。忘れてきた」

桜「しょうがないわね。コンビニで電池を買ってきて」

賢治「うん」

  賢治は神社から出ていく。

桜「可愛い尻尾ね」

こざくら「え?」

  こざくらの尻から尻尾が出ている。

こざくら「こ……これは……その?」

桜「それ、コスプレでしょ」

こざくら「え? そ……そうなんです。コスプレなんですよ。あは……あは……あはは(笑って誤魔化す)」

こざくらМ「コスプレってなんだろう? やばい!! 怪しまれたかな?」

桜「ねえ、こざくらちゃん」

こざくら「は……はい」

桜「あなた、ケンちゃんの事が好きなの?」

  こざくらは真っ赤になりうろたえる。

こざくら「な……なにを……おっしゃってられてるのか……わ……わ……」

桜「好きなのね?」

こざくら「えと……ご……ごめんなさい……」

桜「別に謝ることじゃないわ。好きになってしまうのは、どうしようもない事だもの」

こざくら「そ……そうですね。あの……」

桜「大丈夫。ケンちゃんには黙ってるから」

こざくら「あ……ありがとうございます」

桜「でもね、好きになりすぎると、大事なものを失うことになるのよ。それだけは覚えといてね」

こざくら「え?」

桜「私ね、昔大恋愛の末に結婚した人がいるの。でも、そのために家族を捨てなければならなかった」

こざくら「はあ」

桜「その事は後悔していないわ。でも、時々家族と会いたいと思うのよ」

こさぐら「会いに行けばいいじゃないですか」

桜「無理ね。家族は、けっして私の事を許してくれないと思うわ」

こざくら「……?」



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