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化け玉  作者: 津嶋朋靖
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43 同・御神木

  梯子の上で賢治は幹を調べている。

  梯子の下から桜が声をかける。

桜「ケンちゃん。虫食い穴はあった?」

  賢治は無言で首をふる。背後から人間に化けたこざくらとぼたんが近寄る。

ぼたん「何をされているのですか?」

  桜は振り返る。賢治も上で振り返る。

こざくら「……!!(はっと息を飲む)」

桜「御神木が枯れた原因を調べているのですよ。私、こういう者でして」

  桜はぼたんに名刺を出す。

ぼたん「これは樹医さんでしたか」

桜「ええ。玄武神社から依頼されまして」

ぼたん「私たちは青竜神社の者でして、神主である父から様子を見てくるように言われたんです」

桜「そうでしたか。(上を向く)ケンちゃんもう降りていいわよ」

  賢治が梯子を降りる。バランスを崩す。

賢治「うわ!!」 

  賢治が梯子から落ちる。

こざくら「キャー!!」

桜「ケンちゃん!!」

  こざくらと桜が駆け寄る。

桜「大丈夫? 怪我はない(助け起こす)」

  こざくらは賢治の腕をとり、頬を舐める。

賢治「え? うわわ!!」

  賢治は慌てて、こざくらから離れる。

賢治「な……な……何するの!?(赤面して)」

こざくら「え? 頬から血が出ていたから」

賢治「え?(頬に手を当てる。掌に血がついてるのを見る)本当だ。ありがとう」

こざくら「どういたしまして」

賢治「しかし、いきなり舐めるなんて。狸みたいだね」

こざくら「え? 狸?」

  こざくらは慌てて自分の尻に目をやる。

賢治「ああ、ごめん!! 悪い意味じゃないんだ。この前、狸に舐められものだから」

こざくら「そ……そうなの」

  賢治は胸のポケットから携帯を出す。

賢治「この狸なんだ」

  携帯の画面に狸姿のコザクラ。

こざくらМ「やだ!! これあたし」



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