求める世界
【あの人を守れなかった俺は、代わりにこいつらの命を死んでも守り抜く。それがあの人との最期の約束だ。】
これは全てを失った破壊神が別世界で冒険者となる話。
「やっぱり焼肉より寿司だな!」
「うわあぁぁぁっ!この世の終わりだあぁっ!」
そう叫ぶ声が聞こえる。
「お母さあぁん!」
泣き叫ぶ声が聞こえる。
「ハードディスクは消したよな…?」
これは多分関係ないな。
僕は破壊神。この星を破滅に陥らせた者。
ん?後悔?そんなものはしてない。このクズ共を焼き払うのには物足りない位だ。
原因は些細なことではあった。
この星めっちゃ戦争ばっかしてるんだもん。うるさくて不眠症になったわ。仕方なく止めるように言っても無駄なんだから!
いや、ね?実際少しやりすぎた感はあるけども…。
まあこれが1週間前の出来事。
ああ、申しわけない。僕は【ラディルス・ハイドラン】。略してラルだ。ん?性別なんてないよ?だってそもそも神様には性別なんて宗教とやらによるけど基本は無いからね。
いい加減この世界にも飽きてきた頃、僕の所に1通の手紙が届いた。普段なら消し飛ばすんだけど、これはちょっと特殊な魔力がかかってて読み終わるまで壊れないみたいだ。
内容は簡略化するとこんな感じ。
【暇ならこっち来い。】
ってね。
んで、移動先のビーコン置いたからさっさと転移魔法使ってこっち来いとの事。さて…何が起こるのかね?
期待に胸を踊らせつつ、僕は転移魔法を使った。
【ようこそ、この世界へ。】
…ん?
?「か…?」
蚊?いや、違うか。
?「だい…か…?」
よく聞こえないな…。
?「おい!しっかりしろ!」
ラル「うぅん…。」
やっと目が開いた。あたりを見回す。
ここはどこだ?明らかに他の場所とは違う。森…かな?
そして僕をとりあえず助けようとしてるこの人間達はなんだ?やけに僕を心配してるみたいだけども。
ラル「ここは…。」
男性「ここはローレンス近隣の森深部近くだ。気分はどうだ?」
ラル「…最悪だ。」
男性「なら結構。俺は【レン・R・フレイ】。そこの武器を研いでるのが【リヴ・R・フレイ】。俺の妹だ。そこの奥でガタガタ震えてるのが【U】。悪い奴じゃあないんだがな。今日は少し様子がおかしいだけだ。」
ラル「ラディルス・ハイドラン。聞いた事あるか?」
一応別世界の神様だしね。わからないと思うけど。
レン「ラディルス…。」
ラル「どうかしたか?」
レンが険しい表情で俯く。
ラル「何か悪い事でも言ったか?」
リヴ「アンタ知らないの?この世界の守護神よ?」
hahahahaha✩冗談はやめてヨシオくん。守護神なんて笑わせないでくれ。
ラル「だとしても、何でそんな暗い顔をするんだ?」
リヴ「その…最近そいつが暴れ始めてるの。」
ラル「ほう。」
レン「んで、俺らは王に命令されてそれについて調べなくちゃいけないんだが…。」
リヴ「メンバーが1人足りないの。他の調査隊は四人グループが完成してるんだけどね。」
なんか学校にいる3人だけの班みたいになってんな。
でも、やはりやる事は一つだろう。恩返しも兼ねて。
前はできなかった【助ける】が出来なかったんだ。今度こそ1歩踏み出して。勇気を振り絞り。
ラル「俺が力を貸そう。」
さて、今回の主人公は【ラディルス・ハイドラン】でしたね。
ちなみに今作ではタイトル回収の代わりに、はかもたメンバー4人と、敵キャラ、そしてバイ星メンバー3人と私を毎回入れ替わりでまえがきトークとあとがき+次回予告トークをしようと思います。
今回は私だけのむさくるしいトークですが、次回からは少し楽しくはなると思います。多分。
それでは次回、【前進】