4/13
入学から必要になった物
「キクちゃん、おはよー!えいっ!」
「あ、可愛い~」
「昨日アルタで買ったのさ~」
さて、何が起こったのかというと"スカートめくり"だ。
高校に入って一ヶ月くらいだろうか。
「えいっ」とか「よっ」という言葉とともにスカートをめくるという行為が行われていた。
初めはびっくりした。
しかしこれも慣れてくる。
スカートをめくられるほうも
「きゃっ」とか「ヤダ―」
などと言わない。
手もスカートを押さえるでもなく、
ぶらりと横に下げたままだ。
不敵な笑みも浮かべる。
「ヒモパン?セックシィ~」
「今日彼氏と会うからね」
皆で「キャーー」
「やだ、それどこの?」
「やっすいメーカーのだよ~」
「色違い欲しいーーー」
こんな感じで日常茶飯事であった。
高校に入学して真っ先にお小遣いなりアルバイトで貯めたお金は、
こうしてパンツ?ショーツ?下着?パンティー?
どれでもいいがソレに消えていったのだ。
いま思えばこれもなぜ、と思うがパンツを見せたり見たりすることで、それぞれが自己を確立していっていたのかもしれない。
その形は滑稽であったかもしれないが。




