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未来の君への贈り物  作者: 宮渡 暁
過去の君との出会い
8/41

8、タイムマシン作ればいいじゃん!


「疲れたー!」

授業の終わった私は自分の机にうつ伏せになった。

「てか、なんで高校生てこんなに勉強するんだろ?数学とか意味わかんないし。いや、計算とかなら将来使うかもしれないけどさ、二次関数とか三角関数とか、誰が使うのよ!研究者か!!」

そんなことをブツブツ言っていると楓が教室に入ってきた。

「何ブツブツ言ってんの?」

「楓ー!数学意味わかんないー!どうしよー!」

「は?あんなもん将来使わないから授業寝てたらいいじゃん。高校は遊ぶところなんだから。」

楓は高校生というものをわかっている。そうだよ!勉強なんかしたところで将来使わないんだ!

バカな私はそう思った。


「あれ?真紀ちゃんは?」

「真紀は部活だよ。陸上部の期待のエースなんだって。それよりさ、今日千紗のとこに人がめっちゃ来なかった。」

「やっぱ楓のせい?」


そーいえばそうだった。知らない子何十人にも声をかけられていた。でもなぜか全部男性についての話だった。

「もしかして、康太くんのことみんなに言ったの?」

「いや、真紀がみんなに、5組の千紗ちゃんって26歳の彼氏がいるんだよー!って話しまくってたから、多分それだと思う。」


道理でみんなやけに興奮していたわけだ。


「……帰ろっか。なんか疲れた。」

「ごめんね、千紗。」

楓は苦笑いしていた。



「てか、今日も坂口に電話するの?」

帰る途中、楓が口を開いた。

「え?う、うん。そう約束したし、彼意外と面白いから…。」

楓が顔を詰めてきた。

「千紗、それって恋じゃない?」

「じゃないです!」

「…認めなさいよ。」

「だって、まだあったことないし、もし楓の似顔絵図みたいな人だったらどうするのよ!?」

「……気持ちはわからなくもないけど。」

二人は黙り込んだ。


「そんじゃ、私こっちだから。」

「うん、また明日!」

楓と別れて歩き出した直後だった。


ピロピロピロ…ピロピロピロ…


この音、変えなきゃ。

「もしもし?」

「あ、千紗?今大丈夫?」

「うん、どうしたの康太くん、またなんか良いことあったの?」

私は疑うような声で聞いた。

「いや、今朝の話しようと思ってさ。」

「あ、そういえばそんな話あったねー。早く言ってよ!」

「わかったから落ち着けって。俺…タイムマシン作るよ!」



…………………はい?


「あれ?聞こえなかった?俺タイムマシン作るから!」

「な、なんで?」

「千紗の顔、見に行けるじゃん!」


あぁ、この人アレだ。やりたいことはなんでもやろう。たとえそれが宇宙征服であったとしても、的な感じの人だ。


「康太くん、残念だけど、私の時代にもタイムマシンはないよ?」

「?だから?」

「タイムマシン作る前に10年たって会えるじゃん。」

「いやいや、10年も待てないから。だから俺大学で研究する!」

「け、研究って、日本の大学は19からじゃなきゃダメじゃないの?」

「千紗はバカだなー。日本でタイムマシン作れるわけないじゃん。」

「はい?」



「俺、アメリカに行くことにしたから。」



「べ、別にそこまでしなくても!」

「やりたいことやらなきゃ後悔しそうじゃん?」

「そ、そうかもしれないけど…。」

「てか、もう学校やめてきたし。」

「あんたの行動力すごいね…。」

「こうなるからそっちのマンションに俺いなかったんだな。てか、もしタイムマシン完成してたら、千紗の世界には今は俺いないんだな。」

「あ、そうなるね。大人の康太くんにも会ってみたかったけど。」

「俺がそっちに行って成長するまでのお楽しみだな。」

「まぁ、来れるもんなら来てみなさいよ。期待だけしとくわ。」

「おうおう。度肝ぬかすから待っとけ。そんじゃ、今から最後のバイト行ってくるから、また後でな!」


そう言うと康太は電話を切った。


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