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未来の君への贈り物  作者: 宮渡 暁
過去の君との出会い
7/41

7、康太くんは死んでません!

「ぎ、ギリギリセーフ!!」

「千紗!遅いよ!」

楓が私の机に落書きしながら待っていた。

「いやー、今日徹夜しちゃって…何書いてんの??」

「坂口の予想似顔絵図。」

「多分、そんなにヒゲとか生えてないし、髪薄くないし、短足じゃないと思うけど?」

「そうかなぁ?まぁいいんじゃない?」

「私は康太君のこと好きだけどなぁ。」

気付いた時には遅かった。口を滑らせてしまった。

「え?何々?あいつと何かあったの?もしかして徹夜もそれが原因?へぇ…親友に連絡もせず男と話してたなんて、これは取り調べの必要があるね…。おーい!真紀ー!ちょっとこっちきてー!」

私は真紀という人とは面識がなかったが、それらしい人物がこっちに近づいてきた。

「どーも、真紀です。楓がお世話になってます。」

お世話になってますって、、この子楓とどういう関係なのよ…。


「違う違う!私がお世話してあげてんの!」

そこは突っ込まなくていいから。


「この子は真紀。私のいとこなんだぁ。もともとこっちに住んでてねー。

「あ、もしかしてあなたが千紗ちゃん?」

真紀が口を開いた。

「ずっと話してみたいと思ってたんですー!なんかショートヘアの可愛い子いるからキャー!ってなってたんですけど、やっぱ恥ずかしいし、ずっと楓に話聞いてたんですよー!」


あー、いとこって似るもんなんだなー。てか、楓から今日真紀のこと聞いたし。


「あ、うん!よろしくね!」

「じゃなくて!真紀、聞いてよ!千紗、彼氏できたんだよ!しかも26歳!!」

「えー!10歳も年上なんですか!?千紗ちゃんやりますねぇ!」

「ちょ!楓ったら何言ってんのよ!26ってそんな人…」

「計算したらそうなるでしょ。」

あ、そうか。康太くん、こっちの世界では26歳なんだ…。

「じゃなくて!付き合ってないんだってば!!」

「でも徹夜して、電話してたんでしょー?」

「そ、それは…この電話が夢じゃなけりゃいいなーって…そしたら寝ないでおこうって思っただけで…。」

「もうそれ恋じゃん。」

「ち、ちが…」

「あ、あのー?」

黙っていた真紀が口を開いた。

「話の流れが掴めないんですが…。」

あ、そうか、真紀には何も話してないんだっけ。でも言っていいのかな…。

「あぁ、そうだったね。千紗、10年前の人に恋をしてるのよ。」

言っちゃったよこの人!しかも絶対にわけわからなくなってるよ!!


「ご、ごめんなさい!」

真紀が突然謝った。

「ど、どうしたの急に!?」

「まさか、亡くなっているとは思わなくて…でも10年前に亡くなった人をまだ好きでいるなんて、よっぽど好きだったんですね、その子のこと。」

「ち、違うから!死んでないから!多分今でもすっごく元気だから!!!」


楓には任せられないので、私は自分の口で全てを語った。


「まぁ、こういうことです。」

「へぇ、世の中不思議なこともあるもんですねー。」

「あんまり驚かないんだね、真紀ちゃん。」

「だって信じてないもん。」


さすが楓のいとこ。似てますな。

「その子の言ってること本当だよ、真紀。」

楓が口を開いた。

「その子の携帯、どこにかけても坂口康太って奴にしか繋がらないから…。かけてみれば?」

「あ、それいいね!」

そういうと真紀は私のカバンをあさり、携帯を取り出した。

…どこまで似てるんだ。この二人は。

そして真紀は123456780と数字を打ち込んだ。

「さすがにこれはかからないかな…。」

「…もしもし。」

「キャー!!」

真紀は私の携帯を上に投げた。それは運良く私の元に落ちてきた。

「な、何?今の悲鳴?」

「康太くんのせいだから大丈夫!」

「それって大丈夫じゃないじゃん!」

「てか、寝てたでしょ!授業は?」

「今自習中。まぁ、みんな遊んでるけどね。」

「そーなんだ。今から授業だから切るね。」

「お、おう。そんじゃー。」

康太は電話を切った。

「ほ、ホントだったんですね。」

「やっと信じてくれたんだ。」

「そんなの、信じる方がどうかしてるじゃないですか!」

確かにそうですね…。


授業のチャイムがなった。

「そんじゃ、また後でー!」

そういうと楓と真紀は私の教室から出て行った。

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