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未来の君への贈り物  作者: 宮渡 暁
過去の君との出会い
6/41

徹夜で遅刻

現在の時刻は午前五時。あのあと私は一睡もしてない。よくよく考えれば、こんなに自分の意思があるのに、夢であるはずがなかった。


……寝よう。


私は布団に潜り込んだ。


ピロピロピロ…ピロピロピロ…

なんなんだろうこの着信音は……。携帯にまたもや異常事態か!?


「おっはよー!!起きろー!朝だぞー!」

康太だった。さっきまでバイトだったのだろうか…。


「お、おはよう…。じゃなくて、一睡も寝てないんですけど……。」

「あ、俺も俺も!今帰ってきたところだし!」

「その割には元気だけど、どしたの?」

「え?聞きたい?聞きたい?」

「いや、別に」

「聞いてください、お願いします。」

「…どうぞ。」

「よくぞ聞いてくれました!」


いや、特に聞いてはいないんだが…。


「なんと!バイト先の女子大生のメアドゲットしちゃいましたー!


………………。


……………………。


「おやすみなさい。」

「じょ、冗談です…。ごめんなさい。」

「で?ホントは何なの?」

康太は黙り込んだ。

「おーい、切るよー?」

「なんでだよ!?まぁ、この話はまた今度な!」

「な、なんでよ!?」

「とけい、見てみ?」

私は机の上にある時計を見た。時刻は午前7時半。


……遅刻する!!!


「か、帰ったらまた電話するから!」

「お、おう!待ってる。」

私は電話を切った。


「お母さんおはよー!」

「何がおはよーよ!」

なぜか母が切れている。

「な、なんで怒ってるの、お母さん?」

「怒ってはいないけど、あんた今日寝てないでしょ。」


ギクゥ…

「な、なんでわかったの!?」

「あんた、声大き過ぎなのよ!それに楓ちゃんにも迷惑かかってない?」

「あ、大丈夫!楓じゃないから!」

「え?あんた他に友達いないでしょ?」


…………!!しまった。


「もしかして男!?男なの!?お母さん何も知らないわよ!?なんで言ってくれないのー?お母さん応援するのにーー!で、どんな子なの?カッコイイの?身長は?体重は?好きな食べ物は?今度ウチに連れていらっしゃい。お父さんと四人でご飯食べましょう!あ、でもまだ高校生なんだから、不純な行為はしちゃダメよ!わかった!?」

「わかった!わかったから早くご飯作って!!」

こうなると母は止まらない。そんなに私を嫁にやりたいのだろうか。

「今日お父さん早く帰ってくるから、今日食べる?彼氏に聞いてみなさい!」

「ま、また後でするから!」


こうして、康太は私の彼氏になったのであった……。というのは、私がかわいそうだからやめておこう。


「それよりあんた遅刻じゃないの?」

「母さんがうるさいからでしょ!!」

私は身支度を済ませ、家を飛び出した。

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