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未来の君への贈り物  作者: 宮渡 暁
二つの日常
22/41

連れて行かれた場所は

「あー美味しかった!ありがとね千紗!私の悩み解決してくれて!」

「あ、うん……。」

痛い出費だった。まさかただお腹が空いていただけとは……。楓の考えに乗った私がバカだった。

「ホンットにごめんね千紗!またちゃんと返すから!」

おまけに楓の分も払わされた私なのであった。

「ねぇ、ちょっと行きたいところあるんだけどいいかな?」

突然真紀が私たちに聞いた。

「え?まだ明るいしいいけど、どこ行くの?」

「それは行ってからのお楽しみだよ。ちょっと遠いけど、まぁ話しながら歩いたらすぐだから。」

そんなこんなで私と楓は真紀についていくことになった。

「でも今日はホントにとんだ災難だよ。まさかお腹空いてるだけだなんて……。」

「ごめんねー。お腹空いたらちょっと機嫌悪くなるみたいなんだぁ。」

知り合って半年も経ってるんだから、その間に教えてほしかった。

「ちゃんと明日学校で先生に謝りなよ?」

「え?なにを?」

相変わらず真紀はノーテンキである。もう先生も慣れていたらいいのだが。

「あ、着いたよ!」

「はやっ!てかなんでアキバなのよ!」

「いや、ふと気付いたんだけど、帰りアキバ寄ってもいいんじゃないかって!私って天才じゃない!」

「うん!真紀ちょーヤバい!」

あ、そうだ。真紀の他にももう一人この場所に、憧れを抱いてる人物がいたんだっけ?

「あ、あの私帰るわ……。」

「何言ってんの?千紗も行くに決まってんでしょ!」

私は両腕を真紀と楓に掴まれると、無理やり店の中に連れ込まれた。

このシチュエーション、一度あった気がするのだが……。


「あ、これ良くない?」

「あ、うん、そだね……。」

「千紗ノリ悪いよ?」

「だってー……。」

アニメわかんない女子高生にアキバでどうしろっていうのよ!?

「仕方ないなぁ、ちょい待ってて。」

そう言うと真紀はレジに商品を持って行った。

「はいこれ!」

真紀が手を差し出す。その手にあったのは高そうなネックレスだった。

「な、何これ?」

「さっきパフェおごってくれたからそのお礼!後ろ向いて。」

そう言うと真紀は私の首にそのネックレスをつけた。

「今日はありがとう!」

「そんな、またおごるから!また、秋葉に連れてきてよ!」

「うん!」


「それじゃまた明日ー!」

帰り道、私と楓は真紀と別れた。

「アキバ楽しかった?」

「ま、まぁそれなりには楽しめたかな。」

顔を背けながら考えた。

「あ、そのネックレス!」

「あ、うん。真紀がアキバで買ってくれたんだ。」

「千紗、それアキバのガチャガチャであるやつじゃない?私もこないだ似たようなやつもらったけど?」

「へ?」

私が混乱している様子を見かねて、楓が真紀に電話した。

「真紀!あんた楓に何あげたの!?」

「え?ネックレスだけど?」

それが何?とでも言わんばかりの口調で答えた。

「どこで買ったの?」

「お店のガチャガチャ。」

これが真紀。これが真紀なんだ。そう自分に言い聞かせるが……無理だ。だれが友達へのお礼にガチャガチャあげるのよ!?

そんなこと思っているうちに、楓は真紀との電話を終わらせたようだ。

「なんて言ってた?」

「一つじゃ物足りないならもう一つあげるって。」

うん、これが真紀……なんだ。

半年たってもまだ慣れない。これは私が悪いのだろうか?

「楓、私が悪いのかなぁ?」

「そ、そんなことないと思うから落ち着いて!!」

「じゃあ、私こっちだから……。

「え、あ、送って行こうか?」

「いや大丈夫。」

そう言うと私は楓の方を振り返ることなく自分の家の方を向いて歩き出した。

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