また徹夜…。
……。
………。
ね、眠れなかった。
そーいえば一晩中康太くんの返事考えてた気がする。が、今はそれどころではない。
2日連続で徹夜とか……私は研究者?漫画家?いっそのことそっちの道に進んじゃおうか?
まぁ、そんなことは多分ないわけで、多分平凡な生活を送るのだと思います。
そんなことを1人でブツブツ言いながら、私は家を出た。母に学校休むか聞かれたが、さすがに2日徹夜で体調不良と言えば絶対キレる。だから私には学校で寝る以外に選択肢が残されていなかった。
「おはよー!」
楓がアニメの主人公のように私の方を叩く。私はサブキャラのようにちゃんと返答して話題を作らなきゃならないのだが、今はそんな気力もあるはずはなく、そのまま道路に倒れこんだ。
「きゃー!!千紗が死んじゃったー!どーしよー、真紀ー!?」
近くに真紀もいたのか?
「とりあえず千紗ちゃんの携帯から救急車呼ぼう。私ら携帯家に置いてるし。」
「そ、そだね!」
楓は真紀の案に乗ると、私の携帯をカバンの中から探ると119番にかけようとした。
………………っておい!?
私はあまりの驚きに目を覚ました。
「千紗!?生き返ったの?」
「いや、その前に、なぜ私の携帯で救急車を呼ぼうとする!?」
「あ、そっか!千紗ちゃんの携帯、康太くんにしか繋がらないのよねー。」
真紀がわざとらしく答える。
「てか、どしたの?」
楓が顔を詰めてくる。
い、言えるわけないでしょう。
「多分あれじゃない?例の康太くんに告白されて、時間差恋愛という名の遠距離恋愛に私は耐えられるんだろうか…的な感じでしょ?」
真紀がさらりと答える。
「な、なんでわかるの!?」
「顔に書いてあるけど?」
私は顔を手で覆った。
最悪だ……。まさかあのまま気絶するとは…。
目を覚ました時、私は保健室にいた。保健の先生言わく、楓と真紀に担がれてここまで運ばれてきたらしい。
「とりあえず1時間目は休みなさい。」
そう言われた私は保健室で2日分ねるつもりだった。そこに真紀と楓が来るまでは…。
「先生ー!お腹痛いんで休ませてくださーい!」
「…同じく腹痛です。」
平気そうな顔をして2人が入ってきた。これが世間一般に言われるサボりというやつだろうか。
「仮病2名…先生に連絡するけどいいかしら?」
「はい!オッケーです!」
平然という真紀。
この子には怖いものがないのだろうか。
「さすが常習犯は違うわね、真紀ちゃん…。今日は千紗ちゃん休んでるから静かにね?」
「わっかりましたぁ!」
たぁ、そんなこんなで静かになるはずもなく…話題は康太の話にのぼる。