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其の七



  「世界を支配する方法」



【其の七】



老人:「なるほど……」


老人はゆったりとそう呟いた。


老人:「つまり、君は……その『A』という男から『世界の仕組み』『我々の組織』『我々の正体』を知ったということだね?」


俺:「あ、ああ。俺は『A』に協力をすることにした。そして俺に与えられた仕事は……『あんたを殺すこと』だった」


老人:「ほう……私を」


俺:「ああ。そしてその方法は……『A』から渡されたこの『ペン』でお前に向けてボタンを押すだけ、ということだった」


そう言って、俺はその『ペン』を懐から出して、老人に渡した。


老人は、それを受け取り眺めながら、


老人:「なるほど。だが……」


俺:「……」


老人:「どうして『A』を裏切ったのかね?」


老人は、より眼光を鋭くして俺に問いかけた。


俺:「それは『無理だ』と思ったからだ」


老人:「わたしを殺すことが……か?」


俺:「もちろん、それもあるが……それよりも、あんたら『組織に』ってことだ」


老人:「……」


俺:「俺は『A』に宇宙船まで案内されたし、それなりのテクノロジーの話も聞いた……それでも、あんたら『組織』には『到底勝てない』、そう思ったんだ」


老人:「……」


俺:「当然、あんたは信じないだろうが、それが俺の『本音』だ。それ以上もそれ以下も無い『本音』だよ」


俺は老人の眼光に負けそうになりながらも、踏ん張って目を逸らさずにそう答えた。


老人:「……君」


俺:(ごくっ……)


老人は、ゆっくりの動作で俺の目の前に顔を近づけ、こう呟いた……、


老人:「嘘だったら、君…………食べちゃうよ?」


俺:「!?」


老人の顔が近づいたとき、その目を見た……すると、


俺:「そ、その目……」


老人:「君は知ってるだろぉ~? 私たちが『何者』であるかを?」


老人のその目は……「爬虫類」のあの「縦の目」をしていた。


俺:「ウ、ウソなんてついてねーよっ! 俺はあんたらには『勝てない』と思ったから、こうやって……」


俺は硬直していた。


まさに「ヘビに睨まれたカエル」状態とは、まさに、まさに……このことだろう。


まったくもって笑えない。


老人はずっと俺を見つめたまま、ゆっくりと呟く。


老人:「ああ……いい、いい。私にはわかるから……君が『ウソをついているかどうか』なんて、ね」


俺:「えっ……?」


老人:「いいかい? 爬虫類はね、『体温』を感じ取って相手を認知するんだ。それは『存在の認識』だけじゃなく、相手の『感情』も……だ。特に人間のような『規則的なバイオリズム』であればなおさら、ね」


俺:「こ、こえーよ……」


いやマジで。


だが、しかし……。


老人:「ふむ……なるほど。どうやら、ウソでは……無いようだね」


そう言うと老人は、後ろに下がり、自分の席に座り直した。


そして「ヘビに睨まれたカエル」こと俺は、おかげで身体の硬直が解けた。


老人:「いや~疑ってすまない、すまない」


俺:「い、いえ……ま、まあ、そりゃあ疑いますよね」


老人:「わかってくれるかい? ありがとう。いや君はやはり……かしこい」


老人はそう言って「ニヤッ」と笑った。


背筋がゾッとした。


老人:「これまでにこういったことが何度も、何度も、それは何度も、何度も……あった。そうしてそれらはすべてウソをついていたのだ」


俺:「てことは、これまでの奴らはあんたらの『組織』を壊滅しようとしていたってことか?」


老人:「まあ、そういうことだ。しかし、我々『レプティリアン』からウソをつくなんてことは絶対にできない。まあ、Aの組織の奴らはそれを認めたがらないだけなのだろう……なので、何度も何度もいろんな奴を送り込んできていたのだ」


俺:「俺には考えられないな。あんたらみたいな『おっかない連中』に逆らうなんて」


老人:「ほう、そうかね?」


俺:「ああ。そりゃそうだろ……あんたらのやっていることをAから聞かされたらからな」


老人:「ふふ、何が怖いかね?」


俺:「全部だよ、全部……『地球植民地化計画』」


老人:「……」


俺:「『地球植民地化計画』……俺は最初は『俺たち人間を奴隷にしてこき使って地球を……人類を支配する』そう思っていた。だが……」


老人:(ニタァァァ)


老人は、「縦目」の眼光を鋭くしながら、身の毛のよだつ笑顔を押し出した。




投稿が遅れてしまい、申し訳ないです。


週一ペースで投稿できればと思っています。

よろしくお願いします。


(*´д`*)

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