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其の参



  「世界を支配する方法」



【其の参】



――36時間前


俺は仕事を終え、家路を辿っていた。


時間は、もうすでに夕方から宵の口へと入るところだった。


久しぶりにこんな時間に仕事が片付いたこともありどこかで酒でも飲もうかと思ったが、一昨日から仕事が徹夜続きでまともに風呂なんて入る余裕もなかったので、『まずはお風呂』という欲求が『アルコールの欲求』を上回り、家路をまっすぐに辿る俺がそこにあった。


近くのスーパーで「タイムセール」の弁当と惣菜、そしてビールを3本ほど買い、俺は足早にアパートへと向かう。


アパートに着き、俺は鍵を取り出し、ドアを開けようとした。すると……、


「!?……開いてる」


俺は警戒した。


仕事柄、こういうことには一般の人よりも「大袈裟」に警戒をしている。


理由は当然、命が大事だからだ。


そのため、ドアノブに手をかけ、回して中に入ろうとした動作を一旦止めて、俺はゆっくりと音を立てないようにドアノブを戻した。


そして、そのまま気配を消し、一旦、この場を離れようとした……が、その時、ドアが開き、開いたと思った瞬間、俺は……気絶した。




男:「お目覚め……ですか?」


俺:「?……ここは?」


男:「ここは、あなたのアパートの部屋の中です」


俺:「ア、アパート……部屋……俺の……?」


男:「そうです……手荒なマネをしてすみません、でした」


俺:「……!?」


俺は「我」に返り、飛び起きた。


確かに、そこは「いつもの見慣れた自分の部屋」の中であった……が、そこには「見知らぬ男性」が一人、俺の横に鎮座している。


俺:「な、な……あんた……何者……?」


男:「どうも、はじめまして。名前は言えませんので私のことは『A』と呼んで下さい」


俺:「は、はあ……」


その正座した男は、自分のことを「A」と呼ぶように言った。


見た目は、何と言うか……「素晴らしい好青年」という言葉がピッタリな感じの人物だった。


一般の人なら、すぐに心許してしまいそうな……そんな感じのオーラを纏っていた。


しかし、職業上、その辺の「耐性」は持ち合わせているので、俺の中の「警戒モード」を解くことはなく、気絶する前と同じレベルを維持しつつ、話を切り出した。


俺:「あ、あんた……俺に何をした?」


A:「すみません、あなたが玄関の前で『部屋の中を警戒した気配』を察知したので、あなたがそこを離れる前に、その……何と言うか、少し眠ってもらいました」


俺:「……過激だな」


A:「申し訳ありません。しかし、こちらとしては『時間』が無かったものでして、致し方なく……本当にすみませんでした」


Aという好青年の男は、俺に深々と頭を下げて謝った。


俺:「……わかりました。あなたの誠意は伝わりましたので頭を上げてください。それよりも、どうしてそんな『手荒なマネ』をしてまで俺に接触してきたんですか? 目的は何ですか?」


俺は、まどろっこしい話をする主義はないので、単刀直入に聞いた。


A:「ありがとうございます。そう言ってもらえると助かります。では単刀直入に言います……私の目的は、あなたに『あるリーク情報』を渡すためです」


俺:「リーク情報?」


A:「はい。我々は勝手ながら、あなたの仕事内容をこれまで拝見させていただきました」


俺:「えっ? 仕事内容を? それって……つまり『監視』してたってことか?」


A:「まあ、そういうことです」


好青年Aは「あっけらかん」と認めた。


俺:「な、何のためにストーカーを?」


A:「それは、これからお渡しする『リーク情報』を『渡しても良い人物かどうか』を判断するためです」


俺:「……何なんだ、その『リーク情報』ってのは?」


A:「はい。この『リーク情報』とは……『世界の仕組みそのもの』の情報です」


俺:「『世界の仕組みそのもの』……? 話が見えないな」


A:「まあ、そうでしょう……でも、ご心配なく。これからその説明と証拠をお見せします」


俺:「何か、勝手に進めているみたいだけど俺に拒否権はないのかい?」


A:「ありません」


俺:「……」


好青年A……彼は物怖じしない性格であることはわかった。


A:「すみません……時間がないので」


俺は、「拒否権発動」することを諦めた。


理由は「そんなことをしても無駄だ」と直感で悟ったからだ。


俺は覚悟してAの要求どおり話を聞くことにした。


それが、今回の「不幸のハジマリ」になることを「薄々」感じてはいたが、それ以上に記者としての「好奇心」が勝った。


A:「ありがとうございます。では、早速話をさせていただきます」


そう言って、Aは話を始めた。



A:「あなたには『この世界の真実』を知ってもらいます」


俺:「『この世界の真実』?」


A:「はい。この世界に存在する、政治・経済・歴史・科学……その他すべての『常識』は『ある組織』が長い時間をかけて創り上げた常識であり、それは現在も『計画どおり』に進行しています……それが『この世界の真実』です」


俺:「『ある組織』……? 『計画』……? い、一体何の話だ?」


俺は、Aの言っていることの意味がすぐには理解できなかった。


――が、しかし。そこからAは俺に『この世界の真実』の詳細を具体的に説明することとなる。


それにより次第に俺はAが渡したいという「リーク情報」の「価値の大きさ」と、同時に「身の危険の大きさ」を否が応にも知ることとなる。



週一投稿ができるように頑張ります。

よろしくお願いします。


m(__)m

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