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エリ

エリは電話を掛け続けていた。相手は美優だ。

ネットカフェの机に突っ伏したまま、何も考えられなかった。いや、考えたくなかったの方が正確だ。それでも時間が経つにつれて、これから何が起きるのかが徐々にわかってきた。そして、それを考えたのが自分だと気付いた。その瞬間、背筋が凍るような戦慄を覚えた。それからずっと、電話を掛け続けているのだった。

時計は9時半を指している。待ち合わせ時間は10時だからまだ間に合うはずだ。しかし、電話を何度掛けても美優は出なかった。もしかしてもう。そんな考えが脳裏に浮かぶ。その考えを必死に打ち消して、もう一度電話を掛ける。が、やはり誰も出なかった。

電話を切り、エリは最悪の結果と必死に闘う。もう間に合わなかった。取り返しのつかないことをしてしまった。エリがその考えに負けそうになっていた時、エリの携帯が着信音を発した。急いで携帯を見ると、美優からであった。