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Dear Friend  作者: 橘 零
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エリ


午後になり雨はさらに強さを増した。それは、授業が終わり、帰る時間になっても変わらなかった。

エリは、美優と帰る為に下駄箱で美優を待っていた。美優は土砂降りの雨なのに傘を教室に忘れて取りに戻っている。教室を出る数秒前まで、「雨、全然止まないね」と楽しそうに話していたはずなのに、なぜ傘を忘れるのか、そして、なぜこの土砂降りの雨を見て楽しそうなのか、エリには意味がわからなかった。

「エリちゃんお待たせ。ごめんね」

傘を取りに行くだけでこれほど時間の掛かる美優に、今日3度目の嫌気が差した頃、ようやく美優がやってきた。トタトタと走ってくる美優を見たエリは、もしかしたらこれが美優の全速なのかもしれないと、本気で思ってしまった。

「早く帰ろ」

エリは、美優が横に並ぶのを待たず、雨の中に歩を進めた。


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