表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/53

45:ダンジョン訓練?

 あああああああ!!腹立つこのダンジョン!!!魔物は強くないのに出てくるタイミングが質悪い!あからさま落とし穴を飛び越える瞬間に襲ってきて、そっちに対応したら上からたらいが降ってきて、それにあたって勢いが死んだら落とし穴に落ちてねちょねちょした謎の液体まみれになって気持ち悪いし、ねちょねちょした状態で穴を出るためにクライミングやらされて、つかみやすいでっぱりつかむとそれが罠でローションが大量に降ってきて今度はぬるぬるにさせられて!


 罠の踏ませ方も、踏んだ罠の内容も性格が悪い、初めて見つけた宝箱もワクワクで開けたら中身はスカの紙切れ一枚。人を馬鹿にすることに全力を注いだ構成してやがる!


「このダンジョン、罠は危険じゃないし、巧妙でもないくせに絶対に踏ませるっていう意思を感じるねぇ…」

「罠を!魔物と!地形で!無理矢理踏ませるんじゃねーよ!!罠じゃないだろそんなやり方したら!!」


 自分も初めてだからと一緒に行動していたマチルダと共にぐちゃぐちゃになりながら文句を言う。壁が迫ってきて落とし穴に落としてくる、飛び越える瞬間に床が立ち上がって壁になって落とし穴に落とされる、怪我した子供を見つけたと思ったらそれは魔物が化けた姿で、その目の前にはこれまでになくしっかり隠された落とし穴が設置されてる。なんでそれまではバレバレだったのにそういう所はちゃんと隠されてるんだよ。


 臭い汁の落とし穴、足つぼの落とし穴、熱湯の落とし穴、冷水の落とし穴、エトセトラエトセトラ、落とし穴だけでバラエティ豊かすぎるだろ。


「坊や、正直に言って私も戦闘用のテンションを維持するの疲れてきたよ…」

「魔物がいないわけじゃないから一応それで…、俺もめちゃくちゃ疲れたけど、それ以上に腹が立つ、フロアボスをぶん殴らないと気が済まない」

「それはその通りだねぇ」


 俺達の心は一つ、絶対に人をおちょくってるこのダンジョンへのイラつきを、フロアボスにぶつけると。そうだよ八つ当たりだよ。


「このダンジョンは危険度が低いくせに罠は性格悪くてなあ、偵察役はここを散歩をするかのように歩けて一人前だと言われてる」

「…私も最初は苦労した」


 後ろからついてきたガーランドは一切の汚れが付いておらず、朝の散策を楽しんでるかのように優雅に歩いてくる。サラは過去に潜ったことを思い出しているのだろう、死んだ魚の目をしている。


「ガーランド達はここまでどうやって歩いてきたの?」

「それを言ったら意味ねえだろ、自分で気づけ」

「…ヒント、アーくんたちは罠を踏んでる」

「罠を踏んでるというより踏まされてる感じすごいんだけど」


 罠を避けても避けても魔物なり地形変化なりで罠の元へ直送である。出荷か???


「罠にかかろうとも先に進めるのは悪かないんだけどねえ…」

「落とし穴にはまりながら言われても」

「坊や、済まないけど解毒魔法を頼むよ、これ腹下しの毒沼だ」

「うわぁ、ダンジョンの中で下痢になるとか嫌すぎる…」


 解毒は闇魔法の領分、光魔法で回復できないので俺の出番だ。というかここまで進んでから下剤浴びせるの酷すぎるだろ、引き返してもトイレ間に合わないって。


「坊主は浄化と解毒があるからいいけどよ、ないパーティーは地獄なんだよ。対応した薬がなければ、これまでの呪い、毒を受けっぱなしで進むことになるからな」

「宝箱開けたら恥ずかしいポエムを語りだす呪いとかもあったねえ」

「マチルダ?あれは既に俺の黒歴史なんだから思い出さないように」

「プリムの嬢ちゃんへの熱い想いを綴ったいいポエムだったぜ、坊主。ちゃんとサラが記録してるから安心しろ」

「…ちゃんとアーくんの想いは届けるから任せて」

「届けるんじゃないよ!!記録も捨てて!!」


 あの呪いはヤバかった、突然その場でミュージカルのように愛のポエムを語らされるのだ。それ以外の事を考えられなかった。プリムへの想いが止められず、なぜかポエムにしたためたくてしょうがなくなった。


 そうしてダンジョンからおちょくられながら辿り着いたフロアボスの部屋、ボス部屋前には魔物が現れないらしいので俺とマチルダの体を服の上からお湯で洗い流し、温風で乾かす。やっとこのぬっちゃぬちゃな不快感ともおさらばだ。


「ここのフロアボスはドッペルゲンガーだ、フロアに入ると水晶が置いてある。それを触ったやつのドッペルゲンガーが出てくるから、そいつを倒して出てきた帰還の魔法陣で帰るぞ」

「わかった」

「戦うのは坊主一人だ、せっかくだから同じ戦闘スタイル相手の経験をしとけ」

「6属性の魔法戦闘なんて出来る人いないからね、頑張るよ」


 そして入ったフロアボスの部屋、中央に台座があり、そこには言われた通りの水晶がただ一つ置いてある。他には何もなく、いっそ寂しい印象を受ける部屋だ。


「この水晶を触ればいいんだよな?よし、やるか」


 意を決して水晶に手を触れる、その瞬間水晶から光が溢れ、俺達の周りにプロジェクターのように映像が流れ始める、なにこれすごい!そうして映し出されるのは見たことがないのに見覚えのある光景、女装してゴブリンにやられあられもない姿になっている俺、落とし穴を登っていたらローションに流され水面から足だけを出している俺、宝箱を開けた瞬間に愛のポエムを語りだす俺。うん、第三者視点から見た俺の恥ずかしいシーン集だこれ。そりゃ見たことないのに見覚えはあるよ。


「私はルゥ!スティング伯爵が街の女性に産ませた私生児の女の子!一生懸命練習した魔法の力で!街の女の子を狙うわるぅ~いゴブリンたちを懲らしめちゃうんだから!」


 映像が一つに集まりいつぞやのフリフリの服をきた俺の姿を取る。そしていつぞやの台詞を言いながら俺に剣を突き付けてくる。


 うん、よし、殺す(やる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ