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2:我が魂!

「アルク様、気を取り直して魔法講習を行いましょう、6属性全てを行うことになるので時間がかかります。お父様にも事情をお伝えしてきますので」


 気を取り直してと言ったそばから気が滅入ることを伝えてくる大司教。そうだよね、全属性持ちってことはそうなるよね…


「アルク、全属性だったと聞いたが本当か?」

「はい父様、そのせいで講習に時間がかかるそうです」

「そうだろうな。初級とは言え使い方を間違えれば一大事だ、明日の予定をキャンセルしておくからしっかりと講義を受けておきなさい」

「わかりました」


 2日がかりの講習が決定した瞬間である。魔法の基本に加えて各属性の計7講習を受けるため2日がかりでも時間はないそうだ。中級以上は使えないが全属性を楽しめると心を切り替えていこう。


「ではアルク様、最初に魔法基礎ですが最初に魔具を出してみましょうか」

「魔具ですか?」


 魔具とは魔法使いの魂がそれぞれ魔力を用いて形作る武器や防具でどうなるかは人それぞれ、その人に適した戦う力が魔具となる。といっても杖となる人がほとんどで次いで剣、それ以外は稀だそうだ。


「では講義の通りに魔具を出してみてください」

「はい」


 目を閉じ、自分の魔力と魂に意識を集中させる。戦うためにはなにが必要なのか、自分が求めるものはなにかを考え意識を研ぎ澄ませていく。今世の目標はめいっぱい人生を楽しむこと、そうなると旅もしたいし、どんな状況にも対応できたほうがいいだろう。自由に、いろんな経験をして、できるだけ楽に人生を楽しんでいきたい。


 ふと、右腕に違和感を感じる。見てみるとそこにはいつの間にかブレスレットが出現していた。


「ほう、最初からアクセサリーとして出てきましたか」

「武器や防具が出てくるのではなかったのですか?」

「稀に最初からアクセサリーで出てくる方もいらっしゃいますよ、魔具を戦うたびに出し直していたら大変なので普段はアクセサリーに変化させて携帯するのです」


 なるほど、どんな状況にも対応したいとか考えていたから最初からアクセサリー状態で出てきたのだろう。


「魔具に意識を向ければどのような形になるかも頭に浮かんできますよ」

「ではやってみます」


 魔具に意識を向ける、俺の魔具は何になるのか、どのように使うのかが頭に浮かんでくる。なるほど、これは俺らしい能力を持っていた。自由を愛し、さまざまなことを楽しみたい俺向けだと言えるだろう。


「魔具を変形させてみますね」

「はい、どうぞ」


 魔具を武器に変えていく、それは自分が意識をすると剣、弓、槍、棒、薙刀、果ては盾と変幻自在に姿を変えていく。そう、俺の魔具は思い浮かべた武器、防具にある程度自由に変化することのできるものだった。


「これはまた珍しい魔具ですね…」

「ふっふっふっ、これなら相手に合わせて使用武器を変更して、どんな敵でも楽に相手できますよ!」


 剣道三倍段という言葉がある、簡単に言えばリーチの短いほうが長い方に勝とうとしたらめっちゃ実力が上じゃないと無理だよということである。つまり相手が自分より倍強い剣士!ぐらいだったら槍を使えば勝てるのである!ビバ相性差!楽をしたい自分にとってこれほど適したものはないだろう。


「そうですね、使いこなすにはかなりの訓練が必要となりますが、その分どのような相手にも対応できるでしょう」

「え?かなりの訓練がいるのですか…?」

「すべての武器、防具を使いこなさないとならないのですから当然でしょう?」

「あっ…」


 そう、いくら1/3の強さで勝てるといっても1/3はなければ勝てないのである。剣士が剣を10やる間に槍を4はやらないといけない、それがすべての武器に適用されるのである。そこに加えて全属性の魔法。あれ…?やることが…、やることが多い…?


「アルク様でしたら伯爵家ですから講師を雇うに資金面の問題はないでしょう、運がよかったですね」

「立派な父上を持って僕は幸せ者です!(泣)」


 大量の訓練をすることが決定したようだ。大司教に見せてしまった以上、魔具のことを隠すことはできないだろう。おかしい、楽に生きたい魂を具現化したはずの魔具でなぜ楽に生きられなくなっているのか。本末さんが七転八倒している。


「楽しかったけど…、疲れた…」


 2日間、教会の用意した各属性の講師から講義を受け終わり、以降は家で魔法の訓練をしていくことになる。初めての魔法に魔具と好奇心が満たされ、ワクワクと楽しめたが座学中心な上に講義数が多いため流石に疲れた。


「お疲れさまでしたアルク様、これで講習は終了となりますので、学んだことに気を付けて訓練を続けてください」

「はい、お世話になりました、大司教」


 アニメや漫画では宗教家には腹黒なのが定番だったがこの人は普通にいい人だった。屋敷を抜け出して街で遊んでいた時も思ったが平和な国民性なのだろう。街の人たち結構平和ボケしてたし。


「アルク様、お迎えに上がりました」


 教会でお世話になった人たちに挨拶をしているとリースが迎えに来た。


「リースお姉ちゃんありがとう!」

「お姉ちゃんですので当然です」


 リースはちょくちょくお姉ちゃんアピールをしてくる、他メイドたちもお姉ちゃん呼びをしていたらこうなってしまったので専属お姉ちゃんとして確固たる地位を築こうとしているようだ。専属メイドなのだが…


「父様、母様、兄さん、ただいま帰りました」

「よく帰ったな、大司教から話は聞いている。魔具、魔法どちらもやらないとならない訓練は多いが魔具の講師の方は用意したから明日より励むように」

「おかえりなさいアルくん。ご飯をたべながら、講習はどうだったかお話を聞かせてちょうだい?」

「おかえり、アル。全適正なんてすごいじゃないか、一緒に訓練頑張ろうね」


 家族に帰りの挨拶をすると三者三様に返してくれる。そしてやはり訓練は多いようだ、あわよくば講師が準備できないとかないかなと思っていたがしっかり用意されている。伯爵家の力ってすごいなぁ!スティング家に産まれた幸運に武者震いが止まらないよ!

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