2/3
わたしは、ずっと“ちゃんとした子”だった②
推薦に切り替えたのは、11月。
学校の先生も、家族も「それでいい」と言ってくれた。
でも、わたしだけが、納得できなかった。
“逃げた”って、どこかで思っていた。
大学の合格通知が届いた日、母は泣いて喜んだ。
わたしは笑った。
でも、心のどこかは、ずっと冷たいままだった。
(こんな自分じゃ、だめだ)
(もっと頑張らなきゃ)
(ちゃんとしなきゃ)
――その言葉を、わたしはこの先、何度も自分に言い聞かせることになる。
でもまだこのときのわたしは知らなかった。
この“ちゃんとしなきゃ病”が、
やがてわたしを壊しかけることも。
そして、立ち直るための出会いが、ほんの少し先で待っていることも――