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第54話「競技の内容」

 会長らとの約束の日。会議室にて。

 今回は、参加は俺だけ。後は、学生会の人らが書記で参加してる。

「それで、競技の内容は固まったかしら」と、セレスタ現会長。

「ええ。一つは男女混合リレー。北と南に別れてと考えてましたが、時間がかかりすぎます。それで東西南北に四ヵ所に別れて待機し、男子女子男子女子の順で走るのはどうでしょう?」

「それならいけそうだな。実行委員はどうする?」

「前半後半に別れて、前半の人が走って実行委員に戻り、後半の人は前半の人が戻ってきたら走者として参加ってのはどうですか? 一部先生らにも協力してもらうことになりますけど、全員参加でいけると思います」

「なるほど」

 ケイリー前会長が、机に頬杖ついて俺を見つめる。

「で、もう一つが、借りもの競争です」

「借りもの?」「何それ?」

「システムはリレーと変わりません。バトンかリング状のたすきを次の走者に渡していくだけなので。違うのは、コース途中に置かれた指示書に従って、そこに書かれた物とか人を借りてゴールを目指すゲームです」

「ゲーム性はリレーより強いわね」と、銀髪を指でくるくるする現会長。

「物を借りると返す手間が掛かるので、指示書には人の属性だけにします。例えば『眼鏡をかけた人』とか『風魔法の人』とか。走者は指令書に書かれた人物一人を特定のエリアから抽出し、一緒に次の走者エリアに向かいます。バトンを次の走者に渡したら、指示書内容と連れてきた人物が一致したか確認。一致したらポイントを付与。最終ゴールの順位にもポイント加算して、合計を競うって形です」

「リレーみたいに四ヵ所で?」

「バトンエリア、指示書エリア、人物エリアが必要になるので、南北二ヶ所です。走行距離があるので、走者は各チーム男女六名ずつくらいが望ましいと思います。そして、この競技は学年混合の三チームが面白いんじゃないかと」

「学年毎の鉢巻きは既にあるけど、新しいのを用意しないとね」

「難しいですか?」

「マリオン商会に発注すれば、なんとかなると思うけど」

「色は、学年の色の中間色。緑、紫、橙なんてどうです?」

「布だけ用意してもらって、授業の一環で三年裁断、二年仮止め、全学年の女子で縫うなら間に合いそうだな」

「男も参加ですかね。俺は構いませんが」

 女子も男子も裁縫の授業があるが内容が違う。男は、軍服が破れたりボタンが外れた場合の補修が目的。ついでに、傷口の縫い方も含まれる。魔法が使えなくなった場合、いざとなったら取り敢えず自分で傷口を縫えと。 なんかの映画の元帰還兵が傷口を縫い針で縫うシーンあるから不思議ではないんだが。

「女子だけで十分よ。職人でないなら男子の裁縫なんて当てに出来ないもの。間に合わなかったら、紅白戦用の鉢巻き使えばいいわ」

「今回は野営訓練前に済ませたい。カルヴィン様は今週までに、リレーと借りもの競争のルールと必要な道具等の指示書を上げてくれたまえ」

「了解しました」

「ところで、士官学校組に絡まれたそうじゃないか」と、前会長。

「絡まれたって程ではないですけど……。新規イベントなら、女子と絡めるのにしてくれとかで……」

「相変わらずアホだな……」

 ケイリー先輩がため息ついた。

「なんで士官学校組が女子に避けられているのか分かってないわね」

「あの人ら一部を除いて、イケメンじゃないからですか?」

「女子への扱いが酷いからよ!」

「士官学校って、騎士家系の人が多いですよね。なら騎士道とか持ってるんじゃ……」

「何故に騎士道に『女子や弱者を守る』なんて要素がワザワザ入ってるか解るかい?」

「えっ、格好いいキャッチコピー?」

「あいつら、『女子や弱者を守る』なんて概念が乏しいからだ!」

 なんて酷い言われよう。

「二年と一年は、殿下と君の姉上の関係で、厄介な学生が少ないんだよ。入学前の選別で落とされてるんだ」

「お姉様から上の先輩達の学年は、士官学校組が男子の三分の一以上いたから……」

 苦虫噛み締める黒髪先輩と、姉に同情的な銀髪先輩。

 言われてみたら、同じ学年の男子の士官学校系性格大人し目だったし、人数も十人ちょいくらいだった。

前回が絵面の鬱陶しい回でしたから、今回は爽やか回と思いきや、少々鬱陶しい回でした。(字しかないけど、頭の中には絵面が浮かぶ)


読み返して、「異世界恋愛のカテゴリーなんだろうか?」としみじみしますが、みんなまだ内規フラグ立ててるところだから……。多分……。

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