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第33話 その2 「姉御を守るための夏休み計画」

 親父と豪農さんを説得した。

 ジェルトリュードと二人で来年の夏、豪農さん家に泊まりたいと。

「うちは構いませんが……」と豪農さんは言うが、親父は難しい顔をした。

 父親と二人になった時、頑張って俺は説得にかかった。

 俺自身が、将来治める領地の生活水準を知っておきたいから。

 ジェルトリュードと母親を離す期間が、双方に必要である。でないと、二人ともおかしくなる。(実際、おかしくなってゲーム上では闇落ちしてドラゴン化してるからな)

 そして、「もし国家が戦争や内乱等で混乱した場合、貴族令嬢丸出しでは逃げ切れない可能性があります。今のうちに、田舎の人間に擬態出来るようにしておいた方がいいです!」

 五歳児の発言とは思えなかったのか、目を丸くする親父。

「大事な姉上を守る為のことです。どうか許して下さい!」

 俺の必死の訴えに、父親はなんとか納得してくれた。

 ヨーロッパ史、特にフランス革命からナポレオン辺りの時代って、日本人は好きだからね。うちにもおかんが好きで買ってきた歴史系の本がいっぱいあった。歴史教科書で字面でしか書かれてない内容も、ネットで調べたら、漫画やらガチ解説やらの動画いっぱい出てきたから、サブテキストとしてはうってつけやった。こっちの世界にネットみたいのないから調べ物は難儀してる……。

 こっちの世界でも、暴徒化した庶民全員相手にしたら、魔法使っても無理やろな。

 そんなヤバい情勢ではなさそうではあるが、一番の心配は俺の死亡フラグだから。

 豪農宅から帰還して。プロジェクト【田舎へ泊まろう!】は、母親に猛反発にあう。

 下級貴族とは言え、都会生まれ都会育ちの人。なんでそんな所に行かねばならないのかと。

「お前の付き添いはいらないから」と、親父殿。

 てっきり自分も行かねばならないのかと思ってたようで、少し安堵していたが、やはり大反対してくる。

 親父殿の説得でなんとか折れてくれて、翌年の夏、豪農さんとこに遊びに行けることになった。

 使用人さんらの古着をリメイクして、思いっきり汚しても良い服を何着か作ってもらった。

 俺のは普通のズボンとシャツ。ジェルトリュードの服の色は紺とか灰色。でも、デザインは、お嬢さまらしいエプロンドレス。

 向こうで過ごす為の物は、下着も含めて中流程度の平民並みの物で揃えた。

 あまりに用意周到に俺がリクエストするので、両親他大人達は感心していた。

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