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第23話「えっ!? あんたが攻略対象者?」

 翌土曜日。

 室内訓練所等数ヶ所で行われた予選会終了後の夕方。

 給品部に向かう。

 行商のマリオさんと一緒に背が高い若い男がいた。

 赤茶色の長い髪を後ろに結わえて、つま楊枝みたいなのを口の端に咥えている人物。猫みたいに人懐っこい感じのチャラ男……に俺は見えた。

 他学年の女学生らが「珍しいーっ!」と黄色い声をあげてチャラ男にキャーキャー言っている。

 俺はすごーく嫌な予感がした。

「この方は?」

 不安げに俺がマリオさんに尋ねる。

「こいつはワタシのせがれです」

「新一年生っすか? 初めましてジョセフ・トニー・マリオンっす! トニーって呼んで下さい」

 糸目のチャラ男は、ニコニコしながら手を振った。

「あんまり似てないんですね」と、パトリシア嬢。

 イケメンチャラ男と某配管工似のおっさん。身長も体型も似てない。

「えっ!? でも目の色一緒ですよ」と、自身の目の脇指差して、ぐっと身を乗り出してパトリシア嬢に見せつける。

 ピンクちゃんに近づかんといて、フラグ立つと困るから!

 俺はやきもきしながら、二人の間に割って入る。

「注文したやつ取りに来ました」

「はいはい。なま物系っすね」

 保冷箱からパラフィン紙に包まれたハムやらキュウリ等を取り出すと、大きめの茶色の袋に詰めて寄越す。

「お見かけしませんよね?」

 ジェル姉が珍しそうにチャラ男に話しかける。

「今学期初めてですね。臨時品とかある場合なんかはオレの出番すね。今日は、この為だけに来たんすよ」

「あっ、ありがとうございます」

 俺か? 俺のせいか!?

「なま物なので、早く冷蔵棚にしまって下さい。部屋に冷蔵棚あるんすか?」

「カフェテリアの借りることになってるんで」

 俺は紙袋を受けとると、皆を急かせて給品部を後にした。

「毎度ありー!」

 後ろで上級生の女共が「便箋下さい」「筆記具かわいいやつ」と、チャラ男に群がっていた。

 やっべーよ。攻略対象はマリオさんやと思ってたのに、息子が難関攻略キャラ「行商さん」やった!

 やっぱりイケメンだよ、ちくしょー!

 お姉達は「本編に関係ない」とは言ってたけど……。

 俺カルヴィンより難関攻略キャラらしいから、ピンクちゃんに会わせなければなんとかなるかもしれないが。ピンクちゃんの行動制限なんて出来るか!

次回、第24話「お弁当狂騒曲」その3

よろしくお願いします。

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