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第10話「姉上の婚約者」

 施設巡りも終わり、ついでに今日の授業も終了ということで校舎前の中庭て解散となった。

 部屋に帰ってゴロゴロするかと伸びをした時。

「ジェルーっ!」

 校舎から響く声。

 ジェル姉の目が見開かれ、スカートふわりと翻し振り返る。

「殿下――っ!」

 姉御の声に、一年生がざわついた。女子の小さな黄色い声。

 俺は姉御を追いかけた。

 校舎から出てきた。二人の男子学生。

 一人は、短めの金髪で爽やかイケメン。スラリとした体格で、背はジエル姉より高く175センチ以上はある。はい、これが「王子様」こと、エリオット殿下。この国の王族。属性は「聖」。言わずと知れた攻略対象者だ。

 もう一人は、少し癖毛の漆黒の長髪を後ろでまとめていて「王子様」より背が高い。おそらく180センチは優に超えている。体格は細身のように見えるが、制服の下の身体がっちりしている。目の色は黒。寡黙で真面目そうな面立ちで、「王子様」とは違う系統のイケメンである。左側に剣を携えているのは、 学園内でもあまりいない帯刀許可が出ている学生だから。彼は、デリック。子供の頃からエリオット殿下の御学友であり、今は護衛のお付きでもある。そして、こいつが「ポチ」。属性「無」。防御系や攻撃強化系魔法が主。やっぱり彼も、攻略対象者である。

 こいつらとは、数年前の新年会で初めて会った時からの付き合いだ。その時は、「王子様」は攻略対象者であると気がついたが、デリック が「ポチ」である事には、確証が持てなかった。

 毛色の違うイケメン二人に、女学生らは遠目で騒いでいた。

 しかも、王子様の婚約者も一緒となればなおさらだ。

 男子学生でも、「あれが、王子様と将来のお妃様かよ」と驚いている。

 上級の貴族出身者なら、お城の新年会でお見かけすることもあるので、それほど珍しいくもないのかもしれない。しかし、平民や下級貴族出身の学生からしたら物珍しのだろう。

 芝生の上で楽しげに話す姿は、我が姉ながら「皇◯アルバム」かよと。

 まぁ絵になること、絵になること。

 そのまま二人は仲良しでいてくれ、うん。

「今、お戻りですか?」

「うん、そう。城の方で野暮用が長引いてしまって、今日になってしまったよ。元気だった?」

「はい。とても。入学前にお見かけしなかったから、私、寂しかったですわ」

 いや、新年会で会ったやろ。

 婚約後、エリオット殿下がこの学園に入学する前は、我が家が王都にいる冬の間は、年始以外でオペラ観に行ったりして、ちょいちょい会ってたんだけどね。

 二人は自分の世界で楽しく話してる。

 こういう時、俺はデリックの顔を覗きこむが、彼は嫌な顔一つせず、主人が動くのを待つ。

 忠犬「ポチ」。お姉らがそう呼ぶのもなんとなく理解出来る。

「ここじゃなんだから、カフェテリアで話そうか」

「あら、素敵。行きますよ、カルヴィン!」

「はい、姉上」

 俺は、「ポチ」ほど忠犬ではないが、姉御のお供に付き合わされるのだった。

 自室でゴロゴロしたい……。

やっとゲーム上のスパダリ登場。

プロローグ2のあいつも登場。

長かった。

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