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第114話「それは多分……」

 しかし、よくわからんのは漫画版や。

 ゲームは、画質というかアニメ絵のはずのキャラが、俺が見ている人物らと雰囲気というか声までそっくりだ。

 でも、漫画版はやっぱり似てない。画風が線の薄い少女漫画だったからか……。

 俺が見たのはあの二人だけ。お姉らのはまってたゲームにそんなに興味なかったから意識してなかった。ただ、R十五の素敵な内容が見れるとワクテカしてただけ。

 あまり考えたくないので、キャラを男女としておこう。

 宿の部屋。前段階で二人のやり取りがあったのだろう。

 俺が読んだのは、ベッドインした二人。男が「愛しています、なんとか嬢」って言った後。キスして抱き合って、首とか胸とか舐めて。布団で隠れてるから結合してんのかもわからない状態。

 事が終わった後。髪の毛乱れた女が「純血散らしても、これは消えないんですね」って、左肩に手を当てて絶望した顔してた。

 こんなん一個も抜き処がない。今日日の小学生でも、もっと刺激的なの見てるぞ。

 おひぃさんにしろ、ポチにしろ、あんなことやこんな事するとは考えてにくい。

 デリックは生真面目や。いざとなったら、ほんまに部屋の外で寝ずの番するつもりだろう。

 ブルジェナ嬢に至っては、そういう事に疎そうだ。 俺が指でいけないジェスチャーしたのに、ピンクちゃんに教えてもらうまで理解してなかったし。知ったら知ったで、お顔真っ赤にしてた。どんだけおぼこいんだか。

 引っ掛かるのは、あいつの台詞。「愛しています」の後、「ずっと貴女を探してました」みたいな事言ってたんだ……。

 ポチは恩人の女の子に会いたかったのは確かだ。

 助けてもらったから、「泣き虫さん」って言われて恥ずかしかったから、強くなりたかったんじゃない。

 違うだろ!

 デリックにとって、初恋だからだろ。

 ちくしょーっ。

 リア充爆発しろ!

 初恋……。

 こっち来てそんな余裕あるかよ。

 前世思い出してから、姉のジェルトリュードに殺されんようにするにはどないすればええんかで、頭いっぱいやのに。

 かと言って俺に初恋が無いわけではない。

 前世。俺の身近な世界は、俺をよしよししてくれる母親と、俺の世話をしてくれるけれど時々俺をいじめる謎の二人しかなかった。謎の二人は俺をいじめるので、母親に殴られてた。時折、遠くの部屋から、謎の二人どっちかが泣きわめく声が聞こえていた。俺に代わって成敗してくれていると思ってた。

 そして、幼稚園に入園。担任の先生のお胸が素晴らしかった。母親のお胸が全てと思っていた俺からすると叡智だった。俺は幼稚園に行くとまず担任の先生に抱きつき、その叡智な広がりにお顔をスリスリした。

 年中さんになって、叡智な先生は担任でなくなったが、自由遊びの時は必ず叡智な先生を見つけ「だっこ!」をねだって、スリスリしてた。

 そんな幸せな日常も終わりを迎える。

 年中さんの終業式後。春休みになって、我が家は引っ越した。親が家を買ったから。

 転園先には、叡智な先生はいなかった。絶壁だったけど、可愛い先生だったし、同じ組の女子には可愛い子が多かったから問題なく卒園出来た。

 小一になり、叡智な先生が結婚するので幼稚園を辞めると母親に教えてもらった。卒園生が集まってお別れ会をするからと、電車に乗って、懐かしい幼稚園に行く。

 一緒に写真を撮る時に、「先生、元気でねー」と、抱きついてどさくさに叡智な谷間にスリスリしたのが最後だった。

 あの先生も何歳なんだろう。

 十+十五で二十五年か……。もう五十歳くらいなんかな……。

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