目覚めるとそこは草原
初投稿作品となります。週1程度で投稿。お気に召されて読者になっていただければ、私と作中の主人公が泣いて喜びます。
目が覚めた。
心地よい目覚め。爽やかな朝。
目の前に広がる、雲一つない青い空。
柔らかに頬を触れて去っていく、暖かい風。
今何時だろう?
そろそろ起きて学校に行かないと。
寝ぼけつつ、ベッドの枕元に置いてあるはずの目覚まし時計に手を伸ばす。
…あれ、空振り。
また、空振り。あれ?
当然である。
ここは昨夜まで寝ていた、私の部屋…ではなく
どこぞと知らぬ「草原のド真ん中」なのだから。
......
えええええええええええええゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!?!?!?!?!?
かくして、私の異世界冒険生活は幕を開けた。
私の同意なく、突然に。
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状況を整理しよう。
昨日、私は夕食をとって、自分の部屋でゴロゴロ。
入浴を済ませて、後は寝るだけの状態で。
確か最近ハマっていた冒険小説を、寝転がりながら読んでいたはず。
ん、タイトルが思い出せない。
なぜだろう。
そして、寝落ち。よくある事である。
寝落ちする時の気持ちよさ、これがたまらない。
最近わざと寝落ちしているまである。
無論、毎朝起きる時間に目覚まし時計が鳴るようセットしてあるので、寝坊の心配はない。
…と、話がそれてしまった。
こうして寝落ちをして、気持ちよく目が覚めた…と思ったら、この有様である。
草原のド真ん中に、私一人。
そして思わず叫ぶ。
何だこれ。
ここは山の中腹らしい。
この草原は、その山肌に沿って永遠と続いている様子。
眼下、向こうの方に小さな街らしきものを発見。
街並みを見る限り、ここは少なくとも外国、日本ではないらしい。
…いや、そもそも私のベッドは?私の部屋は何処!?!?
状況を整理しても、全く整理できていない私の元に、二人の人影が接近。
少し肌が緑っぽい人のようで、藁?で作った下着しかつけていない。
そして二人とも、手ぶらで何も持っていない。
ここの原住民族かしら。
得体の知れない人達ではあるが、ここはどこなのか、手掛かりがつかめるチャンスではある。
周りを見渡すだけでは、もはや、手詰まり。
二人とコミュニケーションを図るべく、私からも近づいていく。
「ハヒ?」
「ハ、Hi… マ、My name is ミズ…」
「「ハ...ヒャ、ヒャハハハハ!!!!ヒャハァ!!!!!!!!」」
こうして、その二人の原住民族は、私に襲い掛かるのであった。