小説を書くと、賢くなる説
細々と小説を書いては、ムフフと気色の悪い自己満足に浸っているバカは私です。
……と、それはさておき。今回は小説を「書くこと」にまつわる付随効果について阿呆なりに、持論を展開しようかと思いまして。こうして、拙い筆を取っている次第であります。
皆様は小説を書いたことがありますか? 短編でも長編でも、ジャンルも問いません。とにかく「書いたことがある」のであれば、ちょっぴり共感していただけるのではないかと、前置きしているだけなのです。
と、申しますのも……小説を書く際に多分、大抵の人が「調べ物」をすると思うのですよね。別にWiki先生を頼るでも、Google先生を頼るのでも構いません。多かれ少なかれ、「これってどう説明すればいいかな?」「この事象は何て言うんだっけ?」「なんか、それっぽいカッチョイイ武器ないかな?」……などなど、書く上で疑問にぶち当たった時、インターネットさんの力を借りる方が多いと思いますし、場合によっては図書館に足を運ばれる方もいるかも知れません。
現に、おばちゃんは西洋建築学を齧るために図書館に行きました。えぇ、行きましたとも。そのついでにシャルトル大聖堂(所在はフランス)に行きたくなったりもしましたよ? コロナ禍なのに、旅行に行きたいだと? 何言ってるんだ、このボケババア。
……えぇと、それはともかくとしまして。おばちゃんに関して言えば、小説を書くことがキッカケで最近調べ物の量が格段に増えているのです。そして、大元が趣味ということも手伝って、張り切って興味津々で調べているせいか、意外と調べた知識が定着していたりするんですね。「あぁ、あれはゴシック建築の中でも、フランボアイヤン様式の……」なんて、迷惑な蘊蓄を垂れ流さないにしても、ちょっとした雑談の合間に「ドヤァ」な瞬間が増えたりもしているものです。まぁ、「ドヤァ」に関しては程々にした方がいい気もしますが。「それ、知ってる!」な事例がとっても増えているので、小説家効果(自己暗示)を変なところで実感しております。
それに……フフフン! 語彙力の補完も一緒にできるものですから、コミュニケーション能力も大幅にアップしているのですよ。きっと、皆様も気付かれていると思いますが、小説のセリフはどうしても「説明的」になり易い傾向は否めません。地文でも台詞回しでも、「普通、こんな言い方しないっしょ?」なものがとっても多い。でも、そこまで説明すれば分かってもらえるかも……とおばちゃんなりに、出来の悪い脳みそを絞るわけですね。それこそ、雑巾を硬く絞る勢いで。
この辺りは職業柄も絡んでくるのかも知れませんが、おばちゃんは意外と理詰めでシステム内容や構築情報を説明しないといけないお仕事をしております。「ここをこうすれば、こうなります」から始まり、「ここにこの命令文を入れることで、発報範囲を補強して、異常を見つけやすくしてあります」……なんて、そりゃもう、毎日説明し通しなわけです。何せ、筐体1台が数百万円単位ですからね……納品物が。そこに一切の妥協は許されないのです。意外とシステムエンジニアもコミュニケーション能力が求められます……ハハ。
で、以前のおばちゃんは専門用語を抜きにしても、「説明すること」が非常に苦手だったわけです。ちょっと突っ込んだ質問が飛んでくると、アワワとなっては冷や汗をダラダラ垂らしたりして、「しっかりしろよ」と言われちゃったりしてました。
ですが! 今のおばちゃんは一味も二味も違うぜ! 小説効果で説明チックな言い回しがスラスラとできるようになっちゃったのです! ……は、大袈裟かもしれませんが、以前よりもスムーズに「お喋り」できるようになったのは事実です。そのおかげで昇進も……あっ、役職は特に変わっていないでヤンすね。そこまでの劇的ビフォーアフターはないんですけれども。とにかく、小説を書くことで語彙力のトレーニングもできているのではないかと、思ったりします。ただ、妙に皮肉っぽくなった気も……。その辺はとある卑屈な登場人物のせいですね。うむ……これはこれで、考えものだぞ?
と、それはともかくとしまして。「小説を書く→調べ物をする→知識が増える!」なパターンと、「小説を書く→言い回しを考える→コミュニケーション能力アップ!」なパターンとがあると、おばちゃんは前向きに考えてみたりするのです。下手に退屈なお勉強をするよりも、格段に定着するものですから、気晴らしも兼ねて小説を書くのはいいトレーニングになるのではないかと思うのです。
皆様は小説を書いたことがありますか? もし、ないのであれば、思い切って書いてみましょう。分からない事や、煮詰まってしまう部分があれば、全力で調べ物をしてみましょう。全力で言い回しを捻ってみましょう。ちょっぴりあなたの日常生活がスマートになること、請け合いです。……ま、保証はしませんけども。折角、こうして気軽に発表できる場所があるのですから、ステイホームついでに「文章を書く」のも素敵な時間の過ごし方だと思いますですよ。