表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/50

魂18◎中途半端を克服せよ!

 なんでもかんでも興味があれば首を突っ込んでしまう性格というのは実にやっかいなものです。やめればいいのにまたそんなことに、なんていうことがしょっちゅうあります。何でも屋さんになりたいわけではなく、結果としてそうなっているだけなのですが、実際外部からどう見えているのかはわかりません。物好きだとか目立ちたがりやだとか思われるのも仕方ないのかも。

 いくつも股にかけているという充実感があるのは間違いないとして、それをどの程度こなせるかという部分が腕の見せ所。持てる力はおのおの決まっているわけですから、如何に効率的に作業できるか予定を組めるのかということなのでしょうね。これは趣味の世界だけではなく、学業にも仕事にも通じることですが、自分はどの程度やりきれているかなんて考えることはないでしょうか。


 仕事や勉強のできる人は、その趣味も充実していると聞いたことがあります。こいつ出来るなって人が身近にいたら、趣味のことを聞いてみるといいかもしれません。普段は誰も知らないもう一つの姿を垣間見ることが出来るからです。

 前の職場の営業Sさんは、実は少林寺拳法やら空手やらの段持ちで、料理も出来て、銃ヲタでした。そういえば、書家でもありました。そんな趣味があるなんて見かけからは想像も付かないんですが、普段は色々やっているバイタリティのある方だったんですね。何でもかんでも知ってて、落ち着きあるから「オフは何やってるのかな〜」なんて思ってましたが。唯一女性との縁がないのが悩みの種のようですが、仕事だけじゃなくて他に色々やることがあるっていいなと思わせてくれる方でした。

 先日退職なさったKさんは、現役時代はバリバリの営業マンでファンも大勢いた方です。ご指名で電話がかかってくる、お得意様が名字でなく下の名前で呼ぶ……なんて、いったいどういう人付き合いをしているのだろうと思ったら、その方の送別会で意外なエピソードを色々伺うことが出来ました。子供が学生の頃はずっとPTA、労働組合役員を歴任の傍ら、とある自然保護団体でも活躍なさっているのだとか。市の役職や様々な市民団体にも顔が利き、その分野では彼を知らない人はいないのだということも、その日初めて知りました。

 先輩のSEさんも、仕事以外が忙しいとよく言っていました。毎日何かしら予定があり、土日は特に大変だと。聞いてみると、子供のスポ少の遠征や応援だとか、PTAや地域役員で暇無しとのこと、なるほど忙しいわけですよね。

 こういう例を見ると、仕事だけじゃなくて何かに打ち込めるという姿勢ももちろんですが、それをきちんと両立してるからこそ全てが上手くいっているとも言えるのではないでしょうか。どれかに偏ってしまうと大変ですが、バランスよく何でもこなすことで精神的にも強くなり、仕事も出来るようになっているのかもしれません。


 そういえば、公立出身で現役東大合格した我が弟も、学生時代はスポーツばかりしてました。夜八時頃帰宅して、勉強は朝方やっていたのだとか。インターハイに行くくらい部活にのめり込んでいたのですから、きちんと両立していた例であることに間違いはないようです。

 現役東大合格者に聞くというある雑誌の記事を読むと、勉強ばかりしていて他に何も部活や習い事をしていないという人は少ないようでした。何事もバランスよく集中して行うことで、それぞれの結果が自然と付いてくるということなのかもしれません。


 さてさて、ここまでよい例を書いていて、自分はと思い返します。

 やることなすこと中途半端な我が人生、そもそも全てを完璧にというのが難しいとわかっているものですから、ある程度まででやめてしまうことが多かったように思います。極めれば極められたのにということが実に多いですが、そこまで集中力が持たないと自分でもわかっているのですよね。

 小学校の時習っていた書道でもコンクールでは一回しか賞をもらえなかったし、中学で頑張っていた吹奏楽も部活自体の人数が足りなくて大きな発表会に出ることなくやめてしまいました。高校の美術部の時だって、油絵を習っていましたが、遊びまくりすぎてまるでまともな作品も描けないまま卒業してしまいました。中学から結婚直前までハマっていた同人活動にしたって、それなりの顧客はいたものの結局はただの趣味程度までしかできなくて、今は大手同人作家の友人を横目に才能のなさに嘆いたものです。

 大人になったって、中途半端さが抜けるわけがありません。こうして綴っている文章だって、どこまで行っても素人止まりなのですから世話がない。かといって、まともにその勉強をしようとは思わないのがまた困りものです。


 ただ、その中途半端さにストップをかけてくれているのではと思うのがこの「インターネット」という媒体です。自分の身近な人だけではなくて、不特定多数の目が自分を見ていると思えばこその緊張感は、過去には経験できなかったことです。このエッセイだっていつやめてもいいんですが、更新の度にアクセスしてくださる方、感想を残してくださる方がいらっしゃるからこそ続けられるんですよね。

 人と人との関わりというんでしょうか。自分だけならやめていたということが、見えないところでしっかりと結ばれた絆のようなものがあれば続けられる快感は嬉しいものです。

 プレッシャーってやつに打ち勝てば、きっともっと続けられる。今はなんだかそんな臭い言葉が頭を過ぎります。一つ一つ、自分に出来る範囲でこなしていくことで、先輩方のように「仕事だけではなく、色々出来る人」になれるのかなと。楽観的ですが、前向きすぎるくらいで行かないとへし折れますからね。やり過ぎない程度にバランスよく、かつ、中途半端にならないように。上手くいくかわかりませんが、コツコツやっていこうと思います。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ