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魂13◎言い訳は作品で

 あんまりきつい言い方をすると読者が逃げそうな気もしますが、エッセイでは思ったことを正直に理論立てて書くようにしています。書いたからには自分も実行していないと説得力がありませんから、いくら苦しかろうが時間がなかろうが、やるべき事はきちんとやっていると自負しているつもりなんです。

 例えば並行しているSF企画はきちんと運営されているはずですし、今年こそ完結させると一部で語った長編書き直しもこっそりとではありますが続けています。もう少し書き進めたら何とかアップできるはずです。といって日常生活が疎かになってしまったらアウトですよね。そこは、普段モノカキである事をひた隠しにしていますから、何事もないように仕事やら育児やらしているわけで。何というか、隠れヲタ期間がものすごく長いので、その辺のバランスは自分でも上手い方じゃないかななんて思ったりするのですが。実はあからさまにヲタに見えていたらどうしようとか思ってしまいますね。実際、だんだん隠しきれなくなってますけど。

 それにしたって、日常生活やたらと忙しい今日、あっちでもこっちでもやりたいことをやりながら自ら首を絞めるように色々始めてしまうのは自分ではいかんともしがたいことなんだよなと感じています。だってやりたいことが多すぎる。やらないで後悔するくらいならやって後悔してしまえと思うようになってしまったんですよね、いつからだったか。だから、やるからには言い訳なんか出来るだけしたくないと思って、苦しみながらも続けています。

 でも、私だって聖人君子じゃないです、どうしても言い訳したくなるときだってあります。連載なんてもう一年以上放置してる物も。続けて書こうという気持ちはあるしプロットもあるんです。ただ、書いてないだけで。……説得力ありませんね。優先順位という物があるとしたら、今は企画だし、中途半端なSF長編の完結だよなと。とりあえず広げた風呂敷少しずつたたんでいこう、そうして「やると言ったからにはやる人間」であることを証明せねばと、どこにそんな義理があるか知りませんが律儀に頑張ってはいるんです。

 言い訳の割合が減れば、その人の発言の説得力が増します。出来ることなら有言実行のみでありたいと、誰もが願っているはず。好きな人の作品、好みの作者を見かけたら追いかけたくなる気持ち、誰でもあると思うんですよ。いつしか、作品や作風ではなくその人となりまで気にかけるようになって。尊敬できる人だったら嬉しいな、共感できるような人物像だったら嬉しいななどと淡い夢を抱いてしまうことが。そんなときに、「あれ?」なんて、読者を興醒めさせるようなことがあったらものすごく悲しいじゃないですか。――ふと、そんなことを考え始めました。

 作品にはどうしてもその人の性格が反映されてしまいますので、大体読めばどのような人物なのか想像できるものです。堅い話を書いている人は普段からそうなのだろうし、コメディを書いている人は楽しい人なのかも。また、文章の綴り方で普段の口調も読み取れますし、どの程度の学力なのかも想像できたりしますよね。作品内でどの描写に凝るか、どのような登場人物をよく出すのかなども考慮すれば、作者の生活環境も読み取れたりします。……まぁ、そこまで深く読み込む人は稀かもしれませんけど。


 普段の行動の言い訳を、どこでするか。例えば、更新の遅れ、投稿の遅れ。すみません、このエッセイも実は毎週末更新予定が、私用で次の週の初めにずれ込んでしまっています。これを、作品の後書きでお詫びしているのですけど、きっとそれだけじゃ納得できないと思い、推敲により力を入れてみたり、文字数を減らさないように心がけたりしています。遅れたことで手抜きをしただなんて思われたくないし、投げやりだと思われるのも心外。だって本当に、悔しい。

 内容が内容であるだけに心配りもしているはずだけど、どうしても日常生活外せない用事や行事ってものがあるんです。隠れモノカキとしては、そういうのを優先してしまうんですよね。困ったことに。だから、遅れたとしてもそれを挽回するような内容を書かなきゃならない。これって結構プレッシャーですよね。……勝手にそう思っているだけですが。


 競作企画に参加して、作品を出さないとか完結させられないとか、そういう人の言い訳をどう読者や周りの作者たちが受け取るか、考えたことはありませんか。私も企画を主催しているので、あちこち巡ってそのことについて色々考えたことがありました。

 参加申請・表明期間があって投稿するまで、ある程度きちんと練られた企画であれば無理なく執筆できるようなスケジュールが組まれているはずなんですよね。その中で作品を仕上げている人がいるからには、企画の日程に無理があったとは言えない、違いますか。なのに、参加申請だけしておいて、実際フタを開けてみたらその後連絡とれずだとか作品が間に合わない、完結できないだとか。

 いったいどんな理由があってなのか。私も一人の社会人として、暇がないのは一緒だけど、なんだかそうやって締め切りに間に合わない人は自分とは感覚が違うのかなと思ってしまうんです。それこそ、参加申請という期待をさせておいて、締め切り守れないという興醒めの原因を自ら作っているわけですから。


 ――この辺りで、じゃあお前はと言われそうですけど。ありますよ、一回。締め切りを守れなかったこと。WEBで小説を書き始めて、どこぞで行われた競作企画、締め切りギリギリに執筆に追われていたら、パソコンが大破して修理に一月近くかかってしまい、間に合わなかったことが。携帯しかない中、困り果てて携帯からメールしました。「今、パソコン修理中でファイル転送できないんです」悔しかったので、執筆は全部手書きで、パソコンが直ってから打ち直し、締め切り後数日過ぎてやっとパソコンが直って参加しました。

 それほど投稿ルールが厳しい企画ではなかったんですけど、足並みそろえられない原因を作ってしまったことに後悔し、せっかく参加したのに企画を楽しみきれませんでした。締め切りは大事、人との約束や連絡も大事なんだと思い知らされたのは言うまでもありません。


 パソコンが壊れたとか本人体調不良で入院、身内の不幸で執筆不能、そういうのは納得できる原因だと思うんですけど、それ以外で間に合わないって言い訳されるとなんだかもやもやするのは私だけじゃない――ですよね。

 本当に参加したくて手を挙げたなら、最後まで作品は仕上げなければならないと思うのは間違いじゃないと思うんですよ。学校祭の出し物で中途半端に尻切れトンボな出し物見せられるより、欽ちゃんの仮装大賞ばりの超気合いの入った出し物見せられた方が面白いに決まってる。これが文章に置き換わっただけで、あとは何にもかわりがないのに、小説になったとたん書き上げられないだの間に合わないだの言うのはなんか変。

 そういうのを周りは、普段の作品はさておき、企画内でどのように立ち回ったかを重点的に見てしまうから、信頼度が下がってしまうんじゃないですかね。忙しいとか、暇がないとか、みんなそうなのに。自分だけ特別みたいに間に合わないのって、言い訳としては足りない気がします。


 どうせ言い訳するなら作品でやって欲しい。きちんと作品を仕上げて、自分の言い訳に説得力持たせて欲しい。

 自分の行動や発言を覆すことができるのは自分だけだと言うことを肝に銘じれば、不適切な動きはできなくなると思うんですよ。できもしないのにやると言ってみたり、参加しますと言ってみたり。最終的に迷惑をかけているということなんて、きっとそういう人たちは考えても見ないんだろうなと思ってしまいます。

 一度そうやって何かしらの期待を裏切ってしまうと、それを修復させるにはそれなりに努力が必要なんですけど、もしかしたら感覚が麻痺して何でも途中で適当に言い訳すれば通じるって思ってしまうんでしょうかね。憶測ですけど。

 モノカキとしては、できるならば作品をきちんと仕上げて自分の軽率な発言に対して反省している態度を見せないと、周囲が納得しないのでは。毎度毎度約束を守れないやつだとか、あいつの書く作品ときたらだとか、思われたら面白くないですよね。

 モノカキだなんて自覚そのものがないのか、私が熱すぎるだけなのか、わかりませんけど。誰かと関わり合いながら作品を作っているのですから、できるならば自分の発言と作品のバランスだけは的確に保っていきたいものです。

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