表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不可思議少年和田智玄  作者: おこめi)
7/55

7.狂いだす人生

新キャラが出ます。ここから長い話になると思います。

「ただいまーっと。」


 下山げざんして帰宅きたくした。一人暮ひとりぐらしでも何故なぜかただいまとってしまう。子供こどもころからのくせというものなんだろうな。


「さて、なにべようかな。あ、ヤバイ今日(きょう)ものしてかえってくるつもりだったんだ。」


 せっかくかえってきたのに、つかれもてるけどはらはかえれんいにくか。


(おれ)()かけてくる。」

「ん、わすものか。」

ものがなかったんだってるつもりだったのわすれてた。」


 あらためていえかぎをかける。財布さいふったし大丈夫だいじょうぶだろ。時刻じこく午後ごご7スーパーもまだやってるし、もうめんどくさいからどっかでってしまうのもありだな。そうおもいながらあるいていた。何故なぜ貞時さだときいてている。


何故なぜ?」

何故なぜって今更いまさらだな。おれはおまえさんにいているんだ。おまえさんの部屋へや地縛霊じばくれいじゃないんだぞ。よっぽどのことがないかぎいてくぞ。」

「ん、あ、まあそうか。」


 ナチュラルに貞時さだときとしゃべってしまった。まわりにひとがいなくてかった。さっきまで普通ふつうはなしていたからな。をつけなくてはいけないな。


「さて、もうつくるの面倒めんどうくさいし、ここでいいか。」


 おれ牛丼ぎゅうどんのチェーンてんにて夕飯ゆうはんませることにした。


「いただきます。」


 うまい、チェーンてんとはえど牛丼ぎゅうどんはうまいなたれのみたごはんだけでもうまいのに、そこに牛肉ぎゅうにくもあるためがつがつとえる。また、定食ていしょくとはちが主食しゅしょく主菜しゅさいひとつのうつわおさまっているので、よりいっそう食事しょくじ牛丼ぎゅうどん集中しゅうちゅうできるというのもやはりうまいとかんじるひとつの理由りゆうなのかもしれない。紅生姜べにぢょうが一味(ひとあじ)()えるいいアクセントとなっている。貧乏学生びんぼうがくせい身分みぶんだと放題ほうだいというのがまたい、そなけの容器ようき半分はんぶんくらいの紅生姜べにしょうが牛丼ぎゅうどんべる。

 まだ、つかれがのこっているからだ牛肉ぎゅにくのタンパクしつとごはん炭水化物たんすいかぶつながよろこびをかんじている。また、ふゆさむさに生姜しょうが効果こうかからだねつかんじる。


「ごちそうさまでした。」


 父親ちちおや教訓きょうくん食事しょくじつね食材しょくざいとなったいのち感謝かんしゃわすれてはいけないとおしえられ、いただきますとごちそうさまは自然しぜんてしまう。外食がいしょくときまわりに迷惑めいわくにならないように小声こごえになる。だが、食材しょくざいへの感謝かんしゃはしっかりしているつもりだ。


「さて、明日あしたのために食材(しょくざい)()ってかえりますか。」


 時刻じこく午後ごご8よくかんがえると朝食ちょうしょく食材しょくざいもなかったのでスーパーにはかなくてはいけない。まあまだ時間じかん余裕よゆうはあるし、ゆっくりとくか。おれはスーパーにあるきながらかった。


「いやぁったった。」


 時刻じこく午後ごご9時半(じはん)(ごろ)、スーパーでもの帰路きろについていたころだった。

 人気ひとけのない場所ばしょ女性(じょせい)二人(ふたり)あらそいをしているのをかける。一人ひとりうつくしい着物きものつつみ、もう一人ひとり作業着さぎょうぎ携帯けいたいっている。

 着物きものひとは、ながかみかんざしみじかくまとめ、172くらいのたか身長しんちょうではっきりとはわからないが全体的ぜんたいてきうであしながうつくしさをかんじる。かおととのっておりかなりの美人びじんだ、どことなくこころおくやみめているようでそこもまたうつくしいかおたせているよう印象いんしょうだった。

 作業着さぎょうぎひとは、黒髪くろかみながめのポニーテール、灰色はいいろ作業着さぎょうぎていて、うえからくろ上着うわぎている。身長しんちょう着物きもの女性じょせいよりもすこひくく168くらいかな、かなりきたえているのかしままっている、しかしているところはているといったかんじだ。もキリッとしており姉御的あねごてきオーラをかんじる。


なに目的もくてきなの、ちまたでもここのうわさひろまっているのよ。」

なに目的もくてきいただここに居座いすわっているだけであろう。」

「それがまわりに影響えいきょうおよぼぼしていることはかってるんです。できるだけ協力きょうりょくしますのではないましょう。」

「あなたたちなにができる、わたしのことなんてだれもわかるはずないであろう。はないなど時間じかん無駄むだであろう。」


 なんだかよくない雰囲気ふんいきだな。住宅街じゅうたくがいからはなれた人気ひとけのないところだけどどうしようか。でもらちきそうにもないし、いまにもしそうだしめにはいるか。おれはしし、二人ふたりほうかう。


「まあまあまあまあ、お二人ふたりさんいて、よるだしあんまりあつくならないで、ね。」


 スッとあいだはい二人ふたりをなだめる。


なんはなしかりませんけど、あつくなってたらすすむものもすすみませんよ。ここは一度(いちど)()いて、第三者だいさんしゃであるわたしはなしていませんか。」


 あれ、なん二人ふたりともしずかだな。だれだおまえはとかわれそうながしていたんだが、なにわれないな。あらためて二人ふたりるとしんじられないものをるようなでこちらをていた。


「おい、せっかちだなおまえさんはよく片方かたほう霊体れいたいだぞ。」

「なにっ。」


 しまった流石さすがいまどきわかひとがしっかり着物きものてるのはおかしいとおもったんだよな。

 貞時さだときわれ自分じぶんおろかさにづかされる。まさかこんなにはやくほかの霊体れいたいにエンカウントするとはおもっていなかった。完全かんぜん油断ゆだんしていた。

 灰色はいいろ作業着さぎょうぎ女性じょせいこえをかけてくる。


「あなたえているの、霊体れいたいとも仲良なかよくしゃべっているしあなたいったい何者なにもの?」


 ヤバイ。


えるひとでこんなに霊体れいたいいろつよひとはじめてた、あなた一体(いったい)何者(なにもの)なの。」


 やったね、仲裁 《ちゅうさい》にはいってけんかをめることは大成功だいせいこう、とかかんがえている場合ばあいじゃないなこれ、どうやってけようか。いやあせ体中からだぢゅうながれてくる。いったいどうしたものか。


「おっと、うつくしい女性(じょせい)二人(ふたり)のけんかをめようとおもったら、ぼく魅力みりょくしまってけんかをわすったようだ。ぼく仕事しごとはこれでわりだね。ではお二人ふたりさん平和へいわよるを、グッドナイト。」

「おい。」

てい。」


 くそ、イタリアじん(イメージ)作戦さくせん華麗かれいろうとしたけどダメだったか。

 女性(じょせい)二人(ふたり)がすごいつきでこちらをている。あやしいものをるようなでかなり警戒けいかいされている。もういいかげられそうにないしあきらめよう。


「いやーじつ先日(せんじつ)()にかけまして、きたら霊感れいかんつよくなったのかれい姿すがたがはっきりとえるようになってまして、ああこのひとわたし一番(いちばん)最初(さいしょ)れいかた色々(いろいろ)おしえてもらっていたところなんですよ。」


 営業えいぎょうスマイルをかましながらぶりをまじえて説明せつめいする。自分じぶんでもなにってるのかわからなくなってきた。これ以上(いじょう)色々(いろいろ)かれるのも面倒めんどうくさいので、話題わだいをあちらのはなしえる。


「ところでお二人ふたりはどうしてこんなところでもめていたのですか。」

「ああ、最近さいきんこのあたりをとおると元気げんきがなくなるというかからだおもかんじてくら気持きもちになると相談そうだんていてな。原因げんいん調しらべたところこのれい原因げんいんだったので説得せっとくというか交渉こうしょう?にていたんだ。」


 作業着さぎょうぎ女性じょせいこたえる。


「ここのとおりは人通ひとどおりはすくないかもしれないがだれとおらないわけでもないし、遠回とおまわりもちかくにあるわけじゃないからな。

 んで、どうして成仏じょうぶつできないんだとかはなしてみたららくになるんじゃないかとか、カウンセリングまがいのようなかんじで説得せっとくしていたらまったはなしてくれなくて、あつくなってしまっていたというわけだ。」

成程なるほど。」


 作業着さぎょうぎ女性じょせいはなしわり、着物きもの女性じょせいほうける。


大体だいたい、そのものはなしながれはあっておる、わたしあつくなってしまった部分ぶぶんもあったであろう。だが、わたしはまだすこしここにいるつもりだ。なんであれころしているわけじゃないであろう、わたしすこ居座いすわったところで問題もんだいなかろう。」

べつ場所ばしょでもおなじようなことになる可能性かのうせいがあるんだからここだからダメというわけじゃないんです。成仏じょうぶつしたいなら協力きょうりょくしたいですし、したくないならしたくないで迷惑めいわくにならない方法ほうほうかんがえるので、わけはなしていただきたいのです。」

千何百年せんなんびゃくねんまえからこの人間にんげん人間(にんげん)(あつか)いされなかったわたし今更(いまさら)人間(にんげん)なにしんじればいいのだ。いい加減かげんしつこいとわたしるぞ。」


 からだたこともないひかりつつまれてほうへと集中しゅうちゅうしていく。いや予感よかんしかしない。


「!?あれにれるな。」

「む、妖術ようじゅつたぐい厄介やっかいな。」


 作業着さぎょうぎ女性じょでいさけび、貞時さだとき反応はんのうした瞬間しゅんかん着物きもの女性じょせいからひかりたま広範囲こうはんいこまかく分裂ぶんれつして放出ほうしゅつされる。弾幕だんまく三人さんにんおそかる。ひかり弾幕だんまくにある程度(ていど)予想(よそう)ができた二人ふたり同時どうじ弾幕だんまく射角(しゃかく)範囲(はんい)からのがれる。おれだけが完全かんぜん出遅でおくれたかたちになった。しゃがみこまれるのも想定そうていしてか左右(さゆう)上下(じょうげ)全体的(ぜんたいてき)はなたれたため、あし反応はんのうひだりうごす。


「ぐおぉ」


 おれひかり弾幕だんまくけきれずに、右半身みぎはんしんに5,6(ぱつ)弾幕(だんがん)ける。衝撃しょうげきとも視界しかいがぐらつく、ってひざかずに着物きもの女性じょせい見直みなおす。


「ほう、えるか。5,6(ぱつ)()けたようにえたが、ちゃんとったはずだからひざをつかずにてるとはおどろきであろう。」

「あなた大丈夫だいじょうぶ。」


 作業着さぎょうぎ女性じょせい右手みぎて大丈夫だいじょうぶ合図あいずおくる。


「いったん退くわ、あなたのことあきらめたわけじゃないから。」

何度(なんど)()てもわたし意志いしわらんであろう。」


 おれ作業着さぎょうぎ女性じょせいはそのからげるようにはなれていく。ある程度(ていど)距離(きょり)をとったところで女性じょせいはなしかけてくる。


「あなたすごいのね。あ、自己紹介じこしょうかいがまだだったわね。」


 女性じょせいはポケットから名刺(めいし)()れをし、名刺めいしおれわたしてくる。


株式会社かぶしきかいしゃブラックカンパニーの伊東冷衣いとうれい。あんまりいたことない会社かいしゃだとおもうけど、最近(さいきん)()えてきたれいやオカルトみたいなものをあつか会社かいしゃなの。わたし霊感れいかんがあったからここにはいったところもあるんだよね。」


 伊東いとうさんね、名刺めいし自分じぶん自己紹介じこしょうかいはいる。


明南高校みょうなんこうこう1ねん和田智玄わだとものりです。こっちの侍《さむらい

》は菊池貞時きくちさだときです。先程さきほどはなしましたとおわたし昨日(きのう)()にかけましてこういった体質たいしつになってしまったらしいです。あ、貞時さだときなにもしていませんよむしろ色々(いろいろ)(おし)えてもらっていてたすかっています。」

「ああ大丈夫(だいじょうぶ)大丈夫(だいじょうぶ)、フォローしなくても実害じつがいていないものにすことはしないよ。きみもあんまりかしこまらなくてもいいよ。」


 一応(いちおう)貞時(さだとき)のフォローをしておいたがかんがえすぎだったようだ。まあ、こいつがやられる姿すがた想像そうぞうできないがな。


「うちも人手ひとでりないからもしかったらうちではたらいてみない、霊感れいかんつよいし、身体能力しんたいのうりょく精神力せいしんりょくもかなりたかいみたいだから一発採用いっぱつさいようだとおもうよ。ああ、高校生こうこうせいだったね、いまからでもバイトみたいなかたちでできるかしら。」


 がっつりスカウトされた。もらった名刺めいしには事務所じむしょのものとおもわれる住所じゅうしょ電話番号でんわばんごうなどが伊東いとうさんの名前なまえともはいっている。


「はあ、まあ、かんがえときます。」

「よろしく。さて一回(いっかい)(もど)って上司じょうし相談そうだんかな、どうしたものかななんにもはなしてくれなかったな。」


 そうしておれ伊東いとうさんはかれた。着物きもの女性じょせいほうけば近道ちかみちだが、今日きょうのうちにまたかおわせるのはまずいおもすこ遠回とおまわりになるが、べつみちとおってかえることにした。その遠回とおまわりが結構けっこうかかるんだよな。


明日あしたはどうするんだ。」


 貞時さだときこえをかけてきた。


「どうするってなにが。」

特訓とっくんだよ特訓とっくん今日きょう昼間ひるまからだったが、明日あしたべつあさからでもかまわないのだろう。まあ、おまえさんにも予定よていがあるだろうし、おれ時間じかんはおまえさんよりながいから基本的きほんてきにはおまえさんにわせるよ。」

「ああ、すまんな使つかってもらって、だがすまん明日あした調しらものがあるんでな、特訓とっくんできるかもあやしいかもしれない。」

「あのおんあのことについてか。」

「そ。なんかっかかる部分ぶぶんもあったし、もしかしたらちからになれるとおもってな。」

「お人好ひとよしだねぇ、まあ、できるかぎ協力きょうりょくするよ。おれはあんたのびとだからな。」

「そうかい。」


 おれいえ到着とうちゃくすると早速(さっそく)食材(しょくざい)冷蔵庫(れいぞうこ)にしまい、風呂(ふろ)はいってた。

 なんだかとんでもない方向ほうこう人生じんせいかたむいているがするが、のせいだろうな。


ちゃんとした女性キャラが初めて出てきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ